| 授業コード | 64006507 | 単位数 | 2 |
| 科目名 | 卒業ゼミ | クラス | 07 |
| 履修期 | 年間授業 | カリキュラム | *下表参考 |
| 担当者 | 井原 邦夫 | 配当年次 | *下表参考 |
| 授業の題目 | 卒業ゼミ (Seminar for graduation thesis) |
| 学修の概要 | 卒業研究として、食品と微生物に関連した話題から自分の興味が持てるテーマを考えて、それに対して1年間アプローチしてもらいます。短期間である程度のデータ量を出すためには、一人で行う実験量では不十分な場合をもあるので、複数人が同じテーマについて共同作業を行ってもらう可能性はあります。一人でも頑張ってデータが取れる場合は、個人にテーマを与えます。以下は、その一例と考えてください。 現在想定しているテーマの1つを例にあげ、どういう方法と解析技術を使ってアプローチできるのかを示します。 食品と微生物に関するテーマとして、「腸内細菌はどこからやってくるのか?」を取り上げます。ただし、大学で行える作業には制限があるので、更にテーマを絞り込んで「野菜の表面に存在する微生物の解析」を考えることにします。食べ物は、腸内細菌の由来としては、強力な候補の一つですが、表面に付着している菌体数が少ないことと培養に依存した解析は極めて難しいため、これまではあまり行われていませんでした。そこで、野菜表面部分から総DNAを抽出して、メタ16S(16SrRNAをターゲットにする)解析を行います。もちろん、土壌栽培、水耕栽培などの栽培法や肥料などによって微生物の割合が変化する可能性は高く、どういう方法で栽培すれば良いか、どの程度洗えば良いか(あるいは洗わない方がいい)などを判断する基準が得られます。 この過程で、環境DNAを単離し、定量する手法、PCR法によって16S rRNAを増幅する手法、コンピュータ上で得られた16SrRNA配列から微生物の種類と量を推定する方法を学びます。さらに、データをまとめて、わかりやすい図や表を作成して、他人を説得できる文章を作成する技術を学びます。 |
| 学修の到達目標 | この授業を通して、次のことができるようになることを目標とします。 ①自分がやりたいテーマについて、大規模言語モデル(LLM)を活用して調べ、決定できる手法を身につける。 ②身の回りの微生物の種類やその存在様式について説明できる。 ③1つの例として;野菜の表面からそこに付着している微生物群の割合を推定する手法を学ぶ。 ④PC(Linuxシステム)を使った解析が行えるようになる。 ⑤データに基づいて論理的に結果を導き出せるようになる。 |
| 授業計画 | 第1回 | ガイダンス(各研究テーマの現状把握、今後の課題、スケジュール確認) LLMを利用しながら自分の興味に関するマインドマップを作成して、自分が使える時間と相談しながら1人または複数人でチームを作って、何をテーマにするのかを決める。(1年間の方針決定) |
| 第2回 | 1例として;野菜栽培を考慮(空いている空間で栽培することも含め)、条件ぎめ、表在微生物の回収方法の検討 | |
| 第3回 | 予備実験1:野菜(根菜、適当な植物でも可)からDNAを回収し、その濃度を定量する。 | |
| 第4回 | 予備実験2:植物から回収したDNAを用いてPCR法により葉緑体DNAにコードされている16S rRNAあるいはRuBisCOの小サブユニット遺伝子の一部を増幅し、アガロースゲル電気泳動で確認する。 | |
| 第5回 | 予備実験3:増幅したDNA(受託解析で配列を決めてもらう)配列から、その野菜(根菜)の種類をBLAST解析を用いて行い、データベース上にある配列から由来となる微生物を推定する。 | |
| 第6回 | 予備実験4(Linuxサーバーの使用について):Linuxの簡単な使用方法とコマンドラインを用いたDNA解析ツールの使用について学ぶ。CUI(Character User Interface) システムに慣れると同時に、簡単なプログラムを理解できるようにする。 | |
| 第7回 | 本実験1:野菜の表面から、色々な方法で微生物付着物を回収し、DNAを抽出して定量する。 | |
| 第8回 | 本実験2:抽出できたDNA試料からPCR法で微生物の特定領域の遺伝子(の一部)を増幅し、アガロースゲル電気泳動で確認する。 | |
| 第9回 | 本実験3:増幅したDNA(受託解析で配列を決めてもらう)配列が戻ってきた時に行う解析作業を確認する(実際のデータが戻されるまでに2,3週間程度かかる)。できればワークフローを構築する。 | |
| 第10回 | 本実験4:戻ってきたDNA配列データ(例えば、16S rRNAの一部の配列が数百万配列)を前回作成したワークフローを使って解析し、サンプルごとの微生物多様性分布図を作成し、どういう意味があるかを考える。 | |
| 第11回 | 本実験5:得られた配列データをデータベース上の配列と比較することで、今回得られたデータに関する新規性を考察する。また、同時に何が足りないかを考える。 | |
| 第12回 | 本実験6:最初に決めた抽出条件(あるいは由来)ごとにどのような違いが出たかを確認して、PythonまたはRを用いて図を作成し、何が言えるのか(言えないか)、次に行うべきことは何か等を考察する。 | |
| 第13回 | 学会発表できる可能性があるデータについては、概要をまとめ、足りない実験を追加する。まだ不十分なデータは、データを追加する方向で更に実験を進める(あるいは方向転換を行う)。 研究室内発表1(準備を含む) | |
| 第14回 | 学会発表(そのまま論文作成)に使うための図、表を作成する。論理と文章をLLMを用いて修正しながら、学会発表のための文章(序章、材料と方法、結果、考察、引用文献)をまとめる。研究室内発表2 | |
| 第15回 | 論文としてまとまったものは英訳して BioRxiv に投稿して公開し、内容によってはピアーレビュー雑誌に投稿する。日本語のまま掲載してもらえる学会誌があれば、投稿する。研究室内発表3 |
| 授業外学習の課題 | 作業は、大学の授業時間だけでは完了しません。実験自体は、プロトコル通りに進めればある時間内で終了します。ただ、どういう実験を行うべきか(プロトコルの作成)と出た結果を使ってどう解析するか(PCと向き合う)の作業は、時間内では終了しません。授業外の時間を、効率的よく使ってプロトコル作成や解析方法のワークフロー作成ができるように、PCを使った作業(ワープロでも表計算ソフトに使い方でも構いません)に慣れるためには、相当な時間を必要とします(ゲームがうまくなるのは、それに夢中になって相当な時間をかけるからです)。 |
| 履修上の注意事項 | ・「卒業ゼミ」は「卒業基礎ゼミ」の延長線上に位置づけられるため、ゼミ担当研究室を変更せずに継続することがほとんどですが、場合によっては変更も考慮します。 ・「卒業ゼミ」の基本は対面授業です。ただし、実験内容によってはリモートでの解析実験も可能なように設計しますが、Linuxの基本がわかっていることと、コマンドラインで作業できることが前提になります。 ・「卒業ゼミ」は、選択したテーマによっては、90分の授業時間内では収まりません。自分が興味をもった課題に対して、自分がどこまでやるかは、それぞれの個人の人生設計に関わる問題ですので、その意思は尊重します(やりたい人は、できる限りサポートしますし、国家試験勉強を重視する人は勉強をしてもらって構いません)。ただ、最低限の基準は設けますので、そこはクリアしてください。 ・社会人予備軍として、欠席する場合は、必ず連絡してください。 ・通年 30 回分の出席は最低限必要とします。卒業ゼミに関しては日時を問いませんので、欠席した分を補って参加できる時間を調整します。 |
| 成績評価の方法・基準 | 卒業研究に対する日頃の取り組み方と卒業研究の成果(A4で2ページの報告書を作成してもらいます。学会で発表してもらう場合もあります)を総合して評価します。自分が作成したデータ量とその精度、内容、結果の解釈(50%)、卒業発表(50%), 課外発表(エクストラ +α) |
| テキスト | 適宜 資料を渡します。 |
| 参考文献 | 適宜、教示します。 |
| 主な関連科目 | 3年生までに受けたすべての授業 |
| オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
メールでの質問を基本として、空いている時間であれば口頭の質問、相談はいつでも大丈夫です。”考える”習慣は、質問することから始まります。まあ、いっか...と思わず、Chat GPT でも良いので質問して、その答えをしっかり考え、さらに質問をする習慣をつけてください。人と会話したくなったらいつでもどうぞ。 |
| 所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
| 知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
| 健康科学部健康栄養学科(ゼミナール) | FHNU40202 | 2018~2022 | 4 | - | - | - | - | - |
| 健康科学部健康栄養学科(ゼミナール) | FHNU40202 | 2023~2023 | 4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 健康科学部健康栄養学科(ゼミナール) | 62400 | 2024~2026 | 4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |