| 授業コード | 63006401 | 単位数 | 2 |
| 科目名 | 心理学的支援法 | クラス | 01 |
| 履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
| 担当者 | 義田 俊之 | 配当年次 | *下表参考 |
| 授業の題目 | 心理学的支援法(Methods of Psychological Support) |
| 学修の概要 | 本講義では,心理学的支援の基本的な理論と実践方法について学ぶ。個人から集団まで,また,不適応の解消から健康の増進まで,さまざまな対象と目的に応じた支援のアプローチや技法を概観する。さらに,支援対象者本人だけでなく,その関係者も含めた包括的な支援について理解を深める。心理学的支援においては,対象者が困難や苦痛を抱えていたり,弱い立場にあったりする場合が多い。そのため,慎重な配慮と良好なコミュニケーションとが不可欠である。そこでこの講義では,質の高い支援を提供するための,適切な支援計画の立て方,倫理的配慮の重要性と実践,心理学的支援の可能性と限界についても学ぶ。これらの学習を通じて,受講者はさまざまな心理学的支援の特徴や適用範囲を理解し,対象者のニーズに応じた効果的な支援を行う基礎を身につけることを目指す。 【実務経験内容と教育への活用】 精神科クリニックにおいて予診の聴取や臨床心理面接を実施し、中学・高校のスクールカウンセラーとして生徒・保護者へのカウンセリングおよび教職員へのコンサルテーションを行ってきた。これらの実務経験を活かし、①臨床現場での具体的な事例(架空事例化)を用いた説明、②各支援法の実践的な適用場面・効果・限界の解説、③多職種連携やクライエントとの実際のやり取りなど臨床の現実を伝えることで、理論と実践を結びつけた教育を行う。 |
| 学修の到達目標 | 1.心理学的支援の多様性を理解し,説明できる。 2.質の高い心理学的支援の基本要素を習得する。 3.対象者の立場に配慮したコミュニケーション能力を養う。 |
| 授業計画 | 第1回 | オリエンテーション:この授業の進め方,成績評価の方法について説明する。 心理学的支援の歴史,心理学的支援の概念と意義,心理学的支援の適応と限界 心理学的支援の定義と歴史的発展を理解し,臨床心理学の基本的な考え方と倫理的配慮の重要性を説明できる。 |
| 第2回 | 精神分析療法・力動的心理療法:力動的心理療法の源流,作業同盟とその形成プロセス,転移・逆転移の理解と介入,抵抗と徹底操作,力動的アプローチの示唆と限界 無意識,転移,抵抗などの基本概念を理解し,作業同盟の重要性と形成方法を説明できる。力動的心理療法の特徴と限界を理解する。 |
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| 第3回 | 芸術療法・表現療法:さまざまな芸術療法の全体像と共通基盤の明確化,絵画(描画)療法,プレイセラピー,箱庭療法,音楽療法 芸術療法・表現療法の基本的な考え方(言葉によらない表現を通じた支援)を理解し,箱庭療法,描画療法,音楽療法などの特徴と適用場面を説明できる。言語化が困難なクライエントへの支援の意義を理解する。 |
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| 第4回 | 行動分析:三項随伴性と機能分析(ABC分析),問題行動の機能分析,三項随伴性を用いた介入指針:AとCの操作,プロンプティングとフェイディング,トークンエコノミー(オンデマンド) 三項随伴性(ABC分析)の枠組みを用いて問題行動を分析し,先行刺激と結果を操作する介入の基本的な考え方を説明できる。 |
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| 第5回 | 行動療法:行動療法の基本概念と系統的脱感作法の歴史的意義,不安と回避の悪循環:安全確保行動と負の強化,不安の低減:エクスポージャーと反応妨害,モデリング,行動療法の応用例(アサーション・トレーニング,バイオフィードバックを含む) 不安と回避の悪循環を理解し,エクスポージャー療法の原理と適用方法を説明できる。行動療法の有効性と限界を理解する。 |
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| 第6回 | 認知療法・認知行動療法:認知行動療法の基本構造と認知モデルを使った心理教育,自動思考の同定と認知の歪みの修正,自動思考への介入:行動実験と認知再構成,スキーマへの介入とホームワークの意義,認知行動療法の応用と今後の展望 認知モデル(環境,認知,行動,感情,身体反応の相互関連)を理解し,自動思考の同定と認知再構成の基本的な手順を説明できる。 |
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| 第7回 | パーソンセンタード・アプローチ(PCA):PCA出現の背景,PCAの人格理論とセラピー,ロジャースの実証研究,その後の展開,バラエティ 中核条件(共感的理解,無条件の肯定的配慮,自己一致)を理解し,クライエント中心の支援の意義を説明できる。 |
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| 第8回 | ストレスと心の健康への支援法:セルフモニタリング(行動変容と機能分析の基盤),リラクセーション技法(科学的根拠に基づく心身の調整),ポジティブ心理学的アプローチ(成長とレジリエンスの促進) セルフモニタリングによる自己理解の促進,リラクセーション技法による心身の調整,ポジティブ心理学的アプローチによる成長とレジリエンスの促進という3つの支援法を理解し,それぞれの科学的根拠と実践方法を説明できる。 |
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| 第9回 | 集団療法・グループカウンセリング:集団力動(グループ・ダイナミクス),治療的要因,集団だからこその課題,集団の力を構造化する 集団療法の治療的要因(普遍性、凝集性など)を理解し,集団という場の特性を活かした支援の意義と方法を説明できる。 |
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| 第10回 | 家族療法:システムズ・アプローチの導入と視点の転換,家族システムのアセスメントと病理概念,主要技法(リフレーミングと行動介入の実際),事例検討と家族療法の意義 家族システム論の基本的な考え方を理解し,個人ではなく家族システム全体を支援対象とする視点の意義を説明できる。 |
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| 第11回 | コミュニティアプローチと訪問による支援:コミュニティアプローチ,アウトリーチ(訪問支援),危機介入,予防の三段階 伝統的な個人療法の限界を理解し,予防,環境調整,アウトリーチなど地域を対象とした支援の必要性と方法を説明できる。 |
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| 第12回 | 技法の選択と効果のエビデンス:エビデンスとは何か,なぜ必要なのか,エビデンスはどのように作られるのか,エビデンスをどう使うか,日本の現状,エビデンスベーストアプローチの理解・実践にどのような心理学の知識・スキルが必要か エビデンス・ベースト・アプローチの基本的な考え方を理解し、エビデンスの質を評価する視点(研究デザインによる違い)を説明できる。 |
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| 第13回 | コミュニケーションと倫理:良好な人間関係を築くためのコミュニケーション技法,守秘義務とプライバシー保護,多重関係と境界設定 良好な人間関係を築くためのコミュニケーション技法を理解し,守秘義務とプライバシー保護の原則,多重関係の禁止と境界設定の重要性を説明できる。心理職に求められる倫理的配慮を理解する。 |
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| 第14回 | 関係者に対する支援:コンサルテーション,チーム支援,心理教育,ペアレント・トレーニング(オンデマンド) 直接支援と間接支援の違いを理解し,家族や教職員など関係者への支援(コンサルテーション,心理教育)の意義と方法を説明できる。 |
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| 第15回 | 心の健康教育とまとめ:予防的支援の意義と職場のメンタルヘルス,ストレスマネジメント教育と具体的なコーピング技法 予防的支援の意義と職場のメンタルヘルスの重要性を理解し,ストレスマネジメント教育と具体的なコーピング技法を説明できる。本科目で学んだ心理学的支援法を統合的に理解し,各支援法の特徴と適用場面を整理できる。 |
| 授業外学習の課題 | 事前学習:コマシラバスを読み,各回の「予習課題」に取り組む。 事後学習:コマシラバスとテキスト教材を読み,各回の「復習課題」に取り組む。 必要な学習時間は,授業1回あたり,少なくとも事前学習2時間(コマシラバスの予習課題への取り組み),事後学習2時間(小テストへの取り組みと復習課題への取り組み)である。 |
| 履修上の注意事項 | ・初回でコマシラバス(15回分の詳細なシラバス)を配布します。毎回使用しますので,持参してください。 ・遅刻・欠席をしないこと(やむを得ない場合は必ず事前に連絡すること)。 ・公認欠席は欠席として扱いますが,単位認定要件には影響しないよう配慮します。公認欠席時の配布資料はMoodleからダウンロードしてください。 ・ブレンド型授業を実施します。オンデマンド授業はMoodleを使用します。 |
| 成績評価の方法・基準 | 定期試験100%:マーク式。各回から均等に出題します。 |
| テキスト | 使用しません。授業で用いる資料はMoodleから取り出してください。 |
| 参考文献 | 適宜紹介します。 |
| 主な関連科目 | 心理的アセスメント,公認心理師の職責,精神疾患とその治療 |
| オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
・質問や相談は,授業内,あるいはメールなどで随時受け付けます。 ・対面を希望する場合は早めにアポイントを取ってください。 |
| 所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
| 知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
| 健康科学部心理学科(健康科学部総合科目) | FHPS21103 | 2018~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
| 健康科学部心理学科(専門基礎) | FHPS22312 | 2023~2023 | 2・3・4 | ○ | - | - | - | - |
| 健康科学部心理学科(専門基礎) | 61200 | 2024~2026 | 2・3・4 | ○ | - | - | - | - |