| 授業コード | 24011500 | 単位数 | 2 |
| 科目名 | 社会学文献講読演習Ⅱ | クラス | |
| 履修期 | 第2学期 | カリキュラム | *下表参考 |
| 担当者 | 池原 エリコ | 配当年次 | *下表参考 |
| 授業の題目 | 境界線と魂のゆくえ:W. E. B. デュボイス『黒人のたましい』を精読する 後半 (Beyond the Color-line: A Close Reading of W. E. B. Du Bois’s "The Souls of Black Folk") |
| 学修の概要 | 「20世紀の問題は、人種境界線の問題である」。1903年に発せられたこの予言は、120年以上経った現代社会においても驚くほど鮮烈な響きを持っています。本ゼミでは、黒人知識人W. E. B. デュボイスの主著を1年(第1学期、2学期)かけてじっくりと読み解きます。 「二重意識(Double-consciousness)」や「帳(The Veil)」といった重要な概念を英語原典と日本語訳を照らし合わせながら精査し、人種・階層・アイデンティティの葛藤を学びます。アメリカの歴史的文脈を理解するだけでなく、それらの概念を現代日本における「生きづらさ」や「社会的分断」に接続し、議論することを目指します。 英語に自信がない学生も歓迎します。大切なのは、言葉の裏側にある『痛み』や『希望』を感じ取ろうとする想像力です。 |
| 学修の到達目標 | デュボイス『黒人のたましい』魂の深層と音楽(後半) 目標: 構造的な差別(借金・地理)を分析し、文化や信仰がもたらす抵抗の力を理解する。 |
| 授業計画 | 第1回 | ガイダンス & 第7章 目標: 南部「黒人ベルト地帯」の風景描写から、歴史の地層を読み取る。 内容:土地に刻まれた奴隷制の記憶を旅するように読み解く。 |
| 第2回 | 第8章:読解編 目標: 小作制度(Crop-lien system)という経済的な「見えない鎖」を分析する。 内容:自由になったはずの農民が、なぜ再び貧困のループに陥るのか。 |
|
| 第3回 | 第8章:対話編 目標: "Economic insecurity" を精読し、現代の債務問題や非正規労働と接続する。 内容:自由意志による契約の裏に隠された「強制力」について。 |
|
| 第4回 | 第9章:対話・読解 目標: 人種間の物理的接触が心理的な分断を深める矛盾を理解する。 内容: "The contact of diverse races"。偏見がどうやって育まれるのか。 |
|
| 第5回 | 第10章:読解編 目標: 黒人教会の3要素(Preacher, Music, Frenzy)の社会的機能を理解する。 内容:宗教がただの慰めではなく、いかに抵抗の拠点となったか。 |
|
| 第6回 | 第10章:対話編 目標: 現代における「信仰」や「コミュニティ」の役割を議論する。 内容:人は極限状態において何を心の拠り所とするのか。 |
|
| 第7回 | 第11章:読解編 目標: デュボイスの息子の死と、「帳の外への解放」という悲痛な思想に触れる。 内容:個人的な悲劇を社会的な告発へと昇華させる文体を分析。 |
|
| 第8回 | 第12章:読解編 目標: アレクサンダー・クラメルの生涯から、知識人の誠実さと孤独を学ぶ。 内容:"He bowed his head... and worked on"。絶望を力に変える意志。 |
|
| 第9回 | 中間振り返り回 目標: 「構造」と「感情」の両面から、ここまでの内容を振り返る。 内容:経済制度と精神性のつながりについてのグループワーク。 |
|
| 第10回 | 第13章:読解編 目標: 小説形式の「二人のヨハネ」を読み、教育がもたらす「知の悲劇」を理解する。 内容:教育は人を幸せにするのか、それとも苦悩させるのか。 |
|
| 第11回 | 第13章:対話編 目標: 故郷での「疎外感」について議論する。 内容:自分が変わることで、周囲と話が合わなくなる経験(知の痛み)。 |
|
| 第12回 | 第14章:鑑賞編 目標: 実際の「悲しみの歌(黒人霊歌)」を聴き、そのメロディの裏にある意味を知る。 内容:**** 楽譜の解読。 |
|
| 第13回 | 第14章:対話編 目標: "They tell of death and suffering" を精読し、芸術の持つ記録力を論じる。 内容:言葉で消された歴史を、音楽がいかに保存してきたか。 |
|
| 第14回 | 結び:後書き 目標: デュボイスの「祈り」を読み、この本が現代の読者に託したものを考える。 内容:100年後の読者に向けたメッセージを解読する。 |
|
| 第15回 | 最終成果発表 目標: 1年間の旅を終え、自分自身の「たましい」のあり方を発表する。 内容:リフレクション・プレゼンテーション。 |
| 授業外学習の課題 | 事前学修(2時間程度): テキストの通読: 指定された範囲の日本語訳を読み、全体の論理構成を把握すること。 キーワードの抽出: ワークシートに記載された英語のキーフレーズ(Key Phrases)を精読し、自分なりの仮訳と疑問点をノートにまとめておくこと。 議論用メモの作成: ワークシート内の「Question」に対し、自分の経験や現代社会の事例を最低一つ挙げたメモを準備すること。 事後学修(2時間程度): 議論のリフレクション: 授業内で行われた議論を振り返り、自分の考えがどう変化したか、あるいは新たな問いが生まれたかをリフレクション・ログ(短い感想文)に記録すること。 語彙の定着: 授業で解説した英語の重要語彙(Double Consciousness, The Veil等)を用いて、その章の要旨を3文程度の英語で要約する練習を行うこと。 |
| 履修上の注意事項 | 公認欠席は期末試験の受験要件には影響しないように配慮します。 公認欠席時の資料は5日配布しますので、指示に従って受け取ってください。 |
| 成績評価の方法・基準 | 授業への積極的参加 (Participation) 30% 議論への貢献、他者の意見に対する誠実な応答。 事前準備ワークシート (Worksheets) 30% 予習時間が適切に確保され、独自の問いや視点を持って 授業に臨んでいるか。 リフレクション・ログ (Reflective Logs) 20% 授業での学びを自分なりに咀嚼し、英語概念を正確に使 いこなせているか。 期末最終レポート (Final Paper) 20% 学期の学びを統合し、デュボイスの思想を現代的な文脈で論理的に展開できているか。 |
| テキスト | 「黒人のたましい」岩波文庫版(木島始 訳)未来者2006年 |
| 参考文献 | |
| 主な関連科目 | |
| オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業の前後でも質問に応じますが、オフィスアワーでも対応できます。その際はメールにて予約をとってください。授業内容に関する質問ならば、次回の講義冒頭で全体フィードバックという形で行います。 |
| 所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
| 知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
| 人文学部社会学科(専門演習科目) | 24400 | 2024~2026 | 3・4 | - | ○ | - | ○ | ○ |