授業コード | 90704100 | 単位数 | 4 |
科目名 | 応用数学特殊研究 | クラス | |
履修期 | 年間授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 田神 慶士 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 線形代数学とトポロジー (Linear algebra and topology) |
学修の概要 | 線形代数とは、連立一次方程式の解に関する学問である。この講義では、学部・修士で扱った行列の基本事項の復習と発展的内容を輪講形式で受講生に発表してもらう。 進捗状況に応じてトポロジーに関する結果も取り扱う。講義は連続した授業であるため、授業計画が前後することがある。 |
学修の到達目標 | 線形代数の内容を発表形式で論理的に他者へ伝えることができる。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション:扱うテキストと発表手順を把握する。 |
第2回 | 行列の定義と和・スカラー倍・積の復習:行列の基本演算を他者に説明できる。 | |
第3回 | 行列式(2次正方行列):二本のベクトルが張る平行四辺形を用いて行列式が定義されることを説明できる。平行四辺形の面積を変えない操作に応じた行列式を不変にする変形を把握できるようになる。 | |
第4回 | 置換:対称群の定義を説明できる。対称群における群演算を具体例を通じて説明できるようになる。 | |
第5回 | 置換と互換の積:任意の置換が特別な置換である「互換」の積で表示できることを知る。実際に与えられた置換を互換の積に分解できるようになる。 | |
第6回 | 置換の符号:置換を互換の積で表示した際に現れる互換の数の偶奇が一定であることを知る。この性質から定義される置換の符号を計算できるようになる。 | |
第7回 | 行列式の定義と性質:一般のサイズの正方行列に対して行列式を定義できる。行列式が持つ多重線形成を説明できる。 | |
第8回 | 基本変形を用いた行列式の計算演習:行列式の性質と基本変形の関係を確認する。基本変形を用いて行列式を容易に計算できるようになる。 | |
第9回 | 行列式の余因子展開:行列式の計算方法の一つである余因子展開を説明できる。余因子展開を用いて効率的に行列式を計算できるようになる。 | |
第10回 | 余因子行列を用いた逆行列の記述:逆行列を余因子で表示する方法を説明できる。 | |
第11回 | クラメルの公式:解を一つだけ持つ連立一次方程式の解が行列式の言葉で表現できることを説明できる。 | |
第12回 | 一次従属と一次独立:何本かのベクトルの組みに対して定義される「一次従属」「一次独立」の概念を説明できる。 | |
第13回 | ベクトル空間:連立一次方程式の解の集合に代表されるベクトル空間の定義を扱う。ベクトル空間の定義を暗唱できるようになる。 | |
第14回 | 基底:ベクトル空間を張るベクトルの組(基底)の概念を扱う。基底の基本性質を説明できる。 | |
第15回 | 線形写像:ベクトル空間の間にある種の対応を与える「線形写像」の概念を扱う。線形写像の基本事項を説明できるようになる。 | |
第16回 | 線形写像の像と核:線形写像の像と核の定義を説明し、具体例についてそれらの基底を求められるようになる。 | |
第17回 | 次元公式:基底を求めなくても像と核の次元を計算できることを説明できる。 | |
第18回 | 線形写像の表現行列:ベクトル空間の基底を固定することで線形写像を行列の左作用として表現できることを知る。具体的な線形写像についてその表現行列を計算できるようになる。 | |
第19回 | 固有値と固有空間:固有値と固有空間の定義を説明できるようになる。具体的な行列に対してその固有値と固有空間を求めることができる。 | |
第20回 | 固有ベクトルの性質:固有値および固有方程式が持つ性質を説明できるようになる。 | |
第21回 | 行列の対角化:固有ベクトルを使った行列の対角化の理論を解説席るようになる。 | |
第22回 | 行列の上三角化:行列の上三角化がいつでも実行可能であることを説明できる。 | |
第23回 | 【固有値の応用】ネットワーク上のランダムウォーク:固有値の応用としてネットワーク上をランダムに動き回る人の挙動を調べる。簡単なネットワークについてそのランダムウォーカーの確率を計算できるようになる。 | |
第24回 | 【固有値の応用】ネット検索とネットサーファー:Googleのネット検索エンジンに使われているPageRankの理論を知る。検索エンジンとランダムウォークの関係を説明できるようになる。 | |
第25回 | 計量ベクトル空間:ベクトル空間上に定まる計量の定義を説明できる。 | |
第26回 | 正規直交基底:正規直交基底の定義を説明できる。与えられた基底をシュミットの直交化によって正規直交基底に変換できる。 | |
第27回 | 対称行列の対角化:対称行列がある直交行列を用いて対角化できることを説明できる。 | |
第28回 | 【応用】:あみだくじの確率計算において対称行列の対角化の理論が登場することを確かめることができる。 | |
第29回 | 複素ベクトル空間の話:エルミート行列がユニタリ行列を用いて対角化できることを対称行列の対角化のアナロジーとして説明できる。 | |
第30回 | まとめ:自分の研究テーマと線形代数の関係を見つけることができる。 |
授業外学習の課題 | 講義は輪講形式で行われるため、発表に必要な準備を毎回予習することが求められる。 目安として事前学習4時間。 |
履修上の注意事項 | 経済系学部1年次で開講される程度の線形代数の知識はすべて仮定する。 ※公認欠席制度の取り扱いは以下の通りとする ・公認欠席は単位認定要件に影響しないよう配慮する |
成績評価の方法・基準 | 発表(80%)、授業態度(20%)で総合的に評価する。 なお、講義の1/3以上欠席した場合は単位認定を行わない。 |
テキスト | 参考文献に挙げたテキストをこちらで用意し、貸与する。 |
参考文献 | 佐藤隆夫 著 『テキストブック 線形代数』 裳華房 |
主な関連科目 | 応用数学研究1、2 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問は授業の前後・オフィスアワー・メールで随時受け付ける。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
経済科学研究科D経済情報専攻 | - | 2023~2023 | 1・2・3 | ○ | ○ | ○ | - | - |
経済科学研究科D経済情報専攻 | 42600 | 2024~2025 | 1・2・3 | ○ | ○ | ○ | - | - |