授業コード | 90349100 | 単位数 | 4 |
科目名 | 現代社会論調査演習Ⅰ | クラス | |
履修期 | 年間授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 中根 光敏 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 質的社会調査 |
学修の概要 | 本演習では、参与観察調査を調査者の職人芸的な=ミステリアスな囲いから解き放ち、科学的な方法、すなわち社会学的な技法として位置づけて、その技法を身につけることを目指す。まず、これまで行われてきた参与観察調査にもとづいた諸研究を批判的に検討する。その上で、参与観察調査を科学的=社会学的方法論として位置づけるために聞き取り調査、会話分析、ライフヒストリー分析など種々の質的分析法を取り上げ、それらの質的分析法を適切且つ有効に適応していく方法をさぐる。さらに、参与観察調査のデータ収集・分析・解釈の際に、調査者と被調査者を含めた社会的文脈と社会関係がそれらに決定的な影響を与えることを理解し、モノグラフィやエスノグラフィなど最終的な記述を行うための課題を探る。 ブレンド型授業を実施します。 |
学修の到達目標 | 質的調査(主にインタビュー・参与観察)の考え方およびデータ取得の方法、データの分析方法について学び、自ら質的調査を実践することができる能力を習得することを目的とする。 ①質的調査を用いた論文を題材として質的調査の方法および質的データの分析方法の考え方を学ぶことに加え、②可能な範囲で履修者のみなさん自身が実際に質的調査の計画を立てて実施し、データ分析を行う。 |
授業計画 | 第1回 | 質的調査の考え方およびデータ取得の方法、データの分析方法について概観する |
第2回 | 社会調査に於ける質的調査法の位置づけ | |
第3回 | 質的調査で明らかにしたい問いを立てる | |
第4回 | 質的調査法に於ける参与観察調査の位置づけ(オンデマンド) | |
第5回 | 参与観察の考え方:参与観察を用いた論文を題材として、参与観察について学ぶ | |
第6回 | 参与観察調査の「参与」とは何か | |
第7回 | インタビューの考え方:インタビューを用いた論文を題材として、インタビューについて学ぶ | |
第8回 | インタビュー調査/聞き取り調査と参与観察調査 | |
第9回 | ライフヒストリーの考え方:ライフヒストリーを扱った論文を題材として、ライフヒストリーについて学ぶ | |
第10回 | 非参与調査としてのエスノメソドロジーと会話分析 | |
第11回 | 内容分析:新聞・雑誌記事などを用いて内容分析を扱った論文を題材として、内容分析とはどのような分析方法であるのかについて学ぶ | |
第12回 | ライフヒストリー調査と参与観察調査 | |
第13回 | 質的調査の計画を立てる:研究計画書の作成方法を学ぶ、対象を選択する方法を学ぶ、質問項目を検討する | |
第14回 | これまでの参与観察調査研究1: 初期シカゴ学派(都市社会学研究)の意義 | |
第15回 | 質的調査の計画書を作成する(オンデマンド) | |
第16回 | これまでの参与観察調査研究2:日本における参与観察調査 | |
第17回 | 質的調査とラポール:調査者と調査対象者の「非対称性」、質的調査の「客観性」について学ぶ | |
第18回 | 参与観察調査:広島市の商業地・繁華街 | |
第19回 | 参与観察データ取得の方法:フィールドノートの作成方法について学ぶ、実際に参与観察を実施してフィールドノートを作成する | |
第20回 | ラポールという病:調査場面における関係性の自覚へ 調査倫理 | |
第21回 | インタビューデータ取得の方法:依頼状を作成する、インタビューを行なう際の注意点について学ぶ (オンデマンド) |
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第22回 | 聴くこと/見ること/感じること: 耳を傾ける技術 (オンデマンド) |
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第23回 | インタビューデータの作成方法:インタビューデータの作成方法について学ぶ、実際に行ったインタビューデータのテープ起こしを行なう | |
第24回 | 「ビデオ・カメラ・ボイスレコーダー・スマホなど」記録する機器の使い方と記録されたデータの分析・解釈 | |
第25回 | 質的調査のデータの整理:参与観察およびインタビューにより明らかになったこと・明らかにできなかったことを明確にする | |
第26回 | フィールドにおける調査データ解釈 | |
第27回 | 質的調査を使ったレポートの作成方法:レポート作成の際の注意点について説明する | |
第28回 | 記述のスタイルと方法:モノグラフィ、エスノグラフィ、オートエスノグラフィなど | |
第29回 | 質的調査の結果をレポートにまとめて発表する | |
第30回 | 社会調査の思想:調査者のモラル/被調査者の合意/プライバシーの保護/調査目的と社会的意義などを考える |
授業外学習の課題 | 授業前:2時間の準備 授業後:2時間の復習 |
履修上の注意事項 | 公認欠席は出席にはならない。 ブレンド型授業を実施します。 使用するソフトは、PowerPointですが、教材を視聴するためにPowerPointの最新バージョンを情報センターの指示に従って入手し、パソコンにインストールしておく必要があります。スマートフォンでは教材を視聴できません。詳細は教学センターへ問い合わせなさい。 |
成績評価の方法・基準 | 講義への参加度・報告・レポートを100点満点で総合的に評価する |
テキスト | 使用しない |
参考文献 | 講義中適宜指示する |
主な関連科目 | 現代社会論 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
講義後およびメールでも対応 |
添付ファイル | 25大学院ルーブリック.pdf | 説明 | ルーブリック |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文科学研究科M社会学専攻 | 23500 | 2024~2025 | 1・2 | ○ | - | ○ | ○ | ○ |