授業コード 90340800 単位数 2
科目名 心身医学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開) クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 藤川 卓也 配当年次 *下表参考

授業の題目 心身医学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開)
Psychosomatic Medicine/Support Theory and Applications in Medical and Health Area
学修の概要 臨床心理士や公認心理師として,保健医療分野で心理臨床に携わる際に必要な知識・技能を学びます。障害や疾患の理解に関するものから,その治療法/効果的アプローチに関するものまで多岐にわたって基礎的な知識を身に着けていきます。また,心身医学を深く掘り下げ,心身医学のモデル,心身症とは,心身相関や心理士・師を含むチーム医療に関する知識・技能を身に着けていきます。

この授業を通し,心理専門職として保健医療の現場で働く具体的なイメージや準備ができるようになることを目指します。

実務経験内容:教員は,臨床心理学の研究者であると同時に,臨床心理士や公認心理師として心理学的支援を行う実践家でもあります。精神科クリニック,児童精神科での病院臨床や大学附属心理相談室や地域コミュニティでの臨床実践活動の経験があります。それらの臨床実践活動における実体験を踏まえた講義を行い,リアリティある学びにつなげます。
学修の到達目標 ・保健医療分野の制度や専門用語が理解でき,人に説明できるようになること。また,専門用語を用いて心理専門職以外の他職種とコミュニケーションがとれるようになること。
・チーム医療の中での心理専門職の位置づけを理解し,チームの中で心理専門職としてどのように動くことができるかをイメージできるようになること。
・心身症に対する知識やアプローチを理解し,基礎的な実践を行う準備を行うこと。
授業計画 第1回 【オリエンテーション】
この授業の概要や進め方を説明し,以下について理解します。
・保健医療分野の概要
・医療の基礎知識
第2回 【保健医療分野の基礎ー心理専門職の仕事】
以下について学び,保険医療分野ではどのような職種の人が何をしていて,どのように協力する必要があるのかを理解します。
・保健医療分野で働く専門職の実践
・保健医療分野のおける公認心理師や臨床心理士などの心理専門職の実践
・心理専門職と他の専門職との関わりや位置づけ(チーム医療)
・医療保険制度と公認心理師が関係する診療報酬
第3回 【保健医療分野の基礎ー法規や制度を調べよう】
調べ学習を通して,保健医療分野で働く上で知っておく必要のある法律や制度を理解します。
以下について,受講生で担当分担を決めて調べたことをカードにまとめていきます。
・関係法規やそれに基づく制度
・精神保健サービスや資源
第4回 【保健医療分野の基礎ー調べた法規や制度を共有しよう】
第3回で行った調べ学習の結果を受講生間で共有し,情報を共有して理解を深めます。
それぞれの法規,制度,サービス,資源の繋がりなどをマッピングして情報を整理して理解します。
第5回 【精神症状のみかた】
以下について学び,精神症状の分類や特徴を理解します。
・意識の異常
・知覚の異常
・思考の異常
・感情の異常
・意欲と意思の異常
第6回 【精神疾患の分類と治療ーまとめ資料の作成】
ワークを通して,精神疾患の分類と治療を理解します。
まず,精神疾患の国際的診断基準を示すDSMやICDについて学び,DSMの分類に基づいて以下の精神疾患について,受講生で担当分担を決めて,特徴や要因,治療の方法,経過(予後)をまとめた発表資料を作成します。第7~10回を通して発表会を行い,理解を深めます。受講生は以下の2~3群分を担当します。
・神経発達症群/神経発達障害群
・統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群
・双極性障害および関連障害群
・抑うつ障害群
・不安症群/不安障害群
・強迫症および関連症群/強迫性障および関連障害群
・心的外傷およびストレス因関連障害群
・解離症群/解離性障害群
・身体症状症および関連症群
・食行動異常および摂食障害群
・睡眠-覚醒障害群
・秩序破壊的・衝動制御・素行症群
・物質関連障害および嗜癖性障害群
・神経認知障害群
・パーソナリティ障害群 など
第7回 【精神疾患の分類と治療ー発表会➀】
第6回で作成した発表資料の発表会を行います。発表者は自分の担当群について発表し,聞き手からの質疑応答に答えます。持ち時間は20分です。精神疾患の分類や治療法について調べたことを受講生間で共有し,学び合います。
第8回 【精神疾患の分類と治療ー発表会➁】
第6回で作成した発表資料の発表会を行います。発表者は自分の担当群について発表し,聞き手からの質疑応答に答えます。持ち時間は20分です。精神疾患の分類や治療法について調べたことを受講生間で共有し,学び合います。
第9回 【精神疾患の分類と治療ー発表会➂】
第6回で作成した発表資料の発表会を行います。発表者は自分の担当群について発表し,聞き手からの質疑応答に答えます。持ち時間は20分です。精神疾患の分類や治療法について調べたことを受講生間で共有し,学び合います。
第10回 【精神疾患の分類と治療ー発表会➃】
第6回で作成した発表資料の発表会を行います。発表者は自分の担当群について発表し,聞き手からの質疑応答に答えます。持ち時間は20分です。精神疾患の分類や治療法について調べたことを受講生間で共有し,学び合います。
第11回 【保健医療分野での実践の基本】
以下について学び,精神医療の現場のことや治療の流れ・対応について学んでいきます。ロールプレイを通して,各専門職の役割を体験的に理解します。
・病院と診療所(クリニック)の違い
・診断とその経過(予診や診療録の書き方など)
・薬物療法と作用機序
・リスクマネジメントとリスク対応
第12回 【心身医学と心身症】
以下について学び,心身医学の基礎を理解します。
・心と身体の関係(心身相関,アレキシサイミアなど)
・心身症とは(高血圧,胃潰瘍,過敏性腸症候群,自律神経失調症など)
・生活習慣病
第13回 【心身医学における様々なアプローチ】
以下について学び,心身症の理解の仕方,アプローチの仕方を理解します。
・心身症のアセスメント(心理的なものから内科的なものまで)
・行動医学・心身医学的アプローチ
第14回 【心身医学における心理学的支援法の体験➀】
リラクゼーション法(臨床動作法,漸進的筋弛緩法,呼吸法)や瞑想法などを体験し,心と身体のつながりを実感します。
保険医療分野で実践できるような介入技法を身に着けます。
第15回 【心身医学における心理学的支援法の体験➁とまとめ】
第14回に続いて心身医学における心理学的支援法の体験的学習を行います。
また,この授業を通して学んだこと振り返ります。レポートに学んだことをまとめ,知識を定着します。
授業外学習の課題 ・第3∼4回では,保健医療分野の法規や制度について,調べ学習と調べたことの共有を行います。第6~10回では,精神疾患について調べ,資料にまとめて発表してもらいます。授業時間内でも資料作成の時間を取りますが,授業外でも資料を作成してもらうことがあると思います。
・授業時間外での学修時間の目安は,発表資料の作成を含めて,事前学修2時間程度,事後学修2時間程度です。
履修上の注意事項 対面授業を行います。

欠席の場合は,事前に連絡をしてください。
公認欠席制度の配慮内容は以下のとおりです
・公認欠席は欠席として扱いますが,単位認定要件には影響しないように配慮します。
・公認欠席時の資料は別途配付します。課題が出る場合は別途指示します。
・発表会時に公認欠席となる場合,個別に対応します。

病院等での実習を想定して,具体的な目的意識を持って授業に臨んでください。
授業中に紹介するケースなどについては,個人情報の取り扱いに十分注意してください。
成績評価の方法・基準 期末試験はありません。
第3∼4回,第6∼10回で1人計2~3回発表の機会がありますので,その際の発表資料により評価します (40%)。
また,授業最終日のレポート課題の内容 (30%),日ごろの授業への取り組み方 (30%) で評価します。
テキスト 適宜紹介します。
参考文献 公認心理師カリキュラム準拠 精神疾患とその治療 第2版 三村・幸田・成本・新村編 医歯薬出版株式会社
公認心理士カリキュラム準拠 健康・医療心理学 第2班 宮脇・大野・藤本・松野編 医歯薬出版株式会社
動作とイメージによるストレスマネジメント教育 基礎編 子どもの生きる力と教師の自信回復のために 山中・冨永編著 北大路書房
主な関連科目 「臨床心理学特論I・II」「心の健康教育に関する理論と実践」
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業中に随時質問を受け付けますし,授業時間外においては個別に時間を設けたり,メールやE-learnigシステム (Shudo Moodle) などで質問や相談に対応します。
相談にくる場合は,授業などで席を外しているときもあるので,事前に連絡をください。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文科学研究科M心理学専攻 2024~2025 1・2 - - - - -