授業コード | 90307900 | 単位数 | 2 |
科目名 | 国際社会学Ⅱ | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 高田 峰夫 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | インド洋から世界を見る(Viewing the World from the Indian Ocean's point of view) |
学修の概要 | 欧米先進国は常に欧米(特にヨーロッパ)を中心において世界を考え、理解してきました。その点についてはE・サイードが厳しく批判した通りです。しかし、今なお、そうした見方は止むことがないようです。奇妙なことに、日本は欧米いずれからも遠く離れた東洋の(しかも、その外れの)島国であるにもかかわらず、欧米の学問に学ぶだけでなく、欧米中心の世界理解をも、ほぼそのまま取り入れ、踏襲してきました。しかも、多くの人は、それに何ら疑いを抱くことはないようです。しかし、すでに世界は急激に変化し(今なお変化し続け)、そうした欧米中心の世界把握では理解できない状況になっています。 そこで、ここではこれまでと異なる視角から世界を捉えることを試みます。具体的には、インド洋を中心に置いた世界分析の文献を読み、検討してみたいと思います。方法としては、毎回参加者全員が文献を輪読する形を取って大まかに論点や主張を把握した後、その特徴や問題点などについて議論することにします。この本の原書は2010年に出ました。当時とは様々な点で環境の変化が生じていますが、この本で議論されていることは基本的に今でも有効です。むしろ、ロシアによるウクライナ侵攻以後の世界を考える上で、重要性は増しているとも言えます。その意味で、この本の内容について検討することは、重要な意味を持つでしょう。 「国際社会学Ⅰ」を併せて履修することが望ましいですが、この授業単独でも理解できます。 ※なお、受講希望者の予備知識、研究内容、希望等を考え、テキストの変更もありえます。その決定は初回の授業時にします。 |
学修の到達目標 | インド洋圏から見た世界の見え方を知り、その上で、これまでとは異なる世界理解をすることができる。 |
授業計画 | 第1回 | 概要説明、テキストの最終決定 |
第2回 | 導入として、教員よりレクチャー。その後、テキストの「はじめに」を読み、議論の概要を知る。 以下、ほぼテキストに沿う形で個別のトピックを取り上げる。 |
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第3回 | 第1章:垂直拡大する中国、水平拡大するインド | |
第4回 | 第2章:オマーン、第3章:西洋とは異なる発展の指標 | |
第5回 | 第4章:海の世界帝国 | |
第6回 | 第5章:バルチスタンとシンド | |
第7回 | 第6章:グジャラート | |
第8回 | 第7章:インドの地政学的戦略 | |
第9回 | 第8章:バングラデシュ | |
第10回 | 第9章:コルカタ、第10章:大インド圏 | |
第11回 | 第11章:スリ・ランカ、第12章:ミャンマー | |
第12回 | 第13章:インドネシア、第14章:海域アジア | |
第13回 | 第15章:中国の海洋戦略 | |
第14回 | 第16章:アフリカ、第17章:ザンジバル | |
第15回 | まとめ |
授業外学習の課題 | 1・2回目は、授業終了後に、授業内で論じられた事柄について復習することを求めます。 第3回から第14回に関しては、授業前に、当日授業で取り上げる章について熟読しておくことを求めます。また、疑問点等についても、あらかじめメモにまとめておいてください。事前・事後学習に最低4・5時間程度は確保するようにしましょう。 |
履修上の注意事項 | 特に予備知識を必要としませんが、毎回きちんとテキストを読んでくること、その上で積極的に議論に参加することが求められます。 授業は「対面形式」で行います。 大学院の授業ですから、(公認欠席も含め)欠席は極力しないことを望みますが、やむを得ない場合には当該院生と教員とで協議の上、対処法を決定します。 |
成績評価の方法・基準 | 事前の準備状況(10%)、発表の様子(30%)、授業への参加姿勢(30%)、議論の内容(30%)、等から総合的に評価します。なお、割合は大体の目安です。 |
テキスト | ロバート・D・カプラン『インド洋圏が、世界を動かす』インターシフト |
参考文献 | 必要に応じて講義の中で指示します。 |
主な関連科目 | 国際社会学Ⅰ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
少人数の授業ですので、授業内に質問をしてください。答えるのに時間が必要な場合は、翌週の授業時間内に答えるようにします。積極的に質問する姿勢を期待し、なおかつ質問は歓迎します。 授業に関連した相談事項は、可能な場合には授業前後に相談に応じます。ただし、プライバシー等の観点から必要と思われる場合には、それ以外の時間に、事前に時間調整の上で、相談に来てください。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文科学研究科M社会学専攻 | 23500 | 2024~2025 | 1・2 | ○ | ○ | - | - | ○ |