授業コード 90301800 単位数 2
科目名 精神生理学Ⅰ クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 古満 伊里 配当年次 *下表参考

授業の題目 精神生理学Ⅰ Psychophysiology I
学修の概要 精神生理学はヒトの心的機能と生理反応との対応関係を明らかにする学問である。本講義では,この分野の古典的教科書とである Andreassi, J. L. (2006). Psychophysiology: Human Behavior and Physiological Response. 5th ed. New York: Lawrence Arlbaum Associates. をもとに,精神生理学分野の全体像をまず俯瞰した後に,そこで使用される生理指標と心的機能との対応関係を順次紹介する。
学修の到達目標 1.心理学研究において各種生理指標がどのように使用されているかを説明できる。
2.自らの研究テーマに生理指標を取り込む工夫ができる。
授業計画 第1回 精神生理学とはいかなる学問か
精神生理学の定義を行い,その関連領域を指摘できるようになる。
第2回 自律神経系と中枢神経系の概略
神経系のメカニズムの概略を説明できるようになる。
第3回 背景脳波と心的活動-睡眠研究を中心に
いわゆる脳波の発見以降,それが臨床診断や心的機能の基礎研究にどのように利用されてきたかを説明できる。
第4回 事象関連脳電位とその測定法
事象関連電位の測定法を説明できる。
第5回 事象関連脳電位と心的活動-注意の測定を中心に
事象関連電位の各主成分と心的機能の対応関係の概略を述べることができる。
第6回 ニューロイメージングの概略
PET,fMRI,MEG,NRISの特徴と利用法を述べることができる。
第7回 筋電図と心的機能-表情筋活動と感情との関係を中心に
筋電図の測定法と心理学研究での利用法の概略を述べることができる。
第8回 皮膚電気反応と心的機能
皮膚電気反応の測定法と心理学研究での利用法の概略を述べることができる。
第9回 眼球運動・瞬目と心的機能
眼球運動・瞬目の測定法と心理学研究での利用法の概略を述べることができる。
第10回 心臓血管系反応の概略
心臓血管系反応の概略を説明できる。
第11回 心電図と心的機能
心電図の測定法と心理学研究での利用法の概略を述べることができる。
第12回 血圧と心的機能
血圧の測定法と心理学研究での利用法の概略を述べることができる。
第13回 精神生理学の応用研究1-ポリグラフ検査
ポリグラフ検査の手続きと問題点を説明できる。
第14回 精神生理学の応用研究2-臨床診断
臨床診断に用いられている精神生理学的指標を列挙できる。
第15回 精神生理学の応用研究3-バイオフィードバック,ブレイン・マシン・インターフェース
バイオフィードバックの概略を説明し,その臨床応用例を列挙できる。
授業外学習の課題 1.講義中に紹介する英語文献3編を選択し,レジュメに要約して提出すること。
2.自らの研究テーマと関連させながら生理指標を用いた研究計画書案を執筆・提出すること。なお研究計画は,1.実際に実施可能な研究であること,2.リサーチ・クエッションならびに研究仮説が明瞭であること,3.独立変数と従属変数の関係が明瞭であること,の3点が望まれる。
 以上の課題を遂行するために,1回の授業当たり4時間程度の自宅学習が必要である。
履修上の注意事項 1.授業は対面で実施する。
2.受講にあたっては,精神生理学に関する専門的知識は必要としない。ただし心理学全般にわたるテクニカル・タームには慣れ親しんでいること。
3.授業中のディスカッションには積極的に参加すること。
4.公認欠席は欠席として扱う。ただし、単位認定要件あるいはレポート提出要件には影響しない。なお、公認欠席時の講義資料は別途配布する。
成績評価の方法・基準 英語文献のレジュメ(45%)ならびに研究計画書案(55%)によって評価する。
テキスト 使用しない。
参考文献 1. Andreassi, J. L. (2006). Psychophysiology: Human Behavior and Physiological Response. 5th ed. New York: Lawrence Arlbaum Associates.
2. 堀忠雄 (2008). 生理心理学―人間の行動を生理指標で測る. 培風館
3. 宮田洋監修 (1997/1998). 新生理心理学 (全3巻). 北大路書房
主な関連科目 学部:神経・生理心理学 大学院:精神生理学Ⅱ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
講義中に積極的に質問するようにして下さい。それでも解決しない疑問や相談については,予め e-mail によってアポイントメントを取った後に来室するようにして下さい。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文科学研究科M心理学専攻 2024~2025 1・2 - - - - -