授業コード 81014000 単位数 2
科目名 職業指導 クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 玉繁 克明 配当年次 *下表参考

授業の題目 【教職関連科目】職業指導の基礎理論と教育活動における実践 Vocational Guidance
学修の概要  この科目は,高等学校教諭一種免許状(商業)取得に必要な科目であり,教職教養を高め,専門教育における教員としての資質向上を目指す科目である。
 高等学校教育における職業指導及び進路指導の目標は,生徒一人一人が,自己実現に向けて,自身の人生に責任をもち,将来の進路を主体的に選択・決定できる力,すなわち,「自分らしく」「よりよく生きよう」とする意欲や態度,そしてその実践力を身に付けることができるよう支援することにある。
 本講義では,「自分らしく生きること」の意味を,ビジネス社会の一員として「働くこと」といった職業的視点,社会の構成員としての自覚に基づき,様々な働きの中で役割を果たしながら活動するといった社会的視点の2つの視点が重要であると捉えて講義内容を組み立てていく。そして,これらを「キャリア発達」の過程と捉え,その過程における高等学校の職業指導及び進路指導を支える基礎理論やその役割の理解,及びキャリア教育の意義について検討する。
 これらの2つの視点及びキャリア発達の過程を常に念頭におき,高等学校の商業教育におけるキャリア教育(職業教育)の現状と課題について考察することで,教育現場における実践的な態度の育成に向けて取り組むことをねらいとする。

<実務経験内容>
 教科商業における高等学校の教諭として教科指導等に携わり,かつ教育行政の研修機関で指導主事として教師教育にも携わってきました。このような商業教育の推進に従事した経験を活かし,この授業では,商業教育における実践的・体験的な学修内容を取り入れて授業内容を計画していきます。
学修の到達目標 (1) 高等学校教育における職業指導及び進路指導の基礎理論や役割について理解し,説明することができる。
(2) 高等学校商業におけるキャリア教育の意義を理解し,その現状と課題について主体的に考察するとともに,自身の考えを論理的に述べることができる。
(3) 職業指導及び進路指導の諸課題に対して,探究心をもって粘り強く取り組む姿勢を身に付けることができる。
(4) 職業指導及び進路指導の諸課題に対して,他者の考えを柔軟に取り入れながら多面的・多角的に物事を捉え,自らの学修を調整しようとする態度を身に付けることができる。
授業計画 第1回 ガイダンス
・自身の社会観・就労観について整理することができる。
・高等学校におけるキャリア教育への取組について整理することができる。
第2回 職業指導の基本的な考え方
・「職業」と「職業教育」の意味について考察し,それぞれの意味を理解することができる。
第3回 職業指導に関する歴史と今日的動向①
・職業選択理論とキャリア発達理論についての基礎的な知識を得ることができる。
第4回 職業指導に関する歴史と今日的動向②
・職業選択理論とキャリア構築理論についての基礎的な知識を得ることができる。
第5回 職業指導に関する歴史と今日的動向③
・職業教育に関連する諸理論を活用して,身近な事例に対する自身の考えを整理することができる。(ディスカッション)
第6回 職業指導に関する歴史と今日的動向④
・日本の職業指導,進路指導,キャリア教育の歴史的展開についての基礎的な知識を得ることができる。
第7回 初等中等教育の体系的・系統的なキャリア教育①
・小学校および中学校段階におけるキャリア教育の指導計画とその実際についての基礎的な知識を得ることができる。
第8回 初等中等教育の体系的・系統的なキャリア教育②
・学校現場における資質・能力の育成とキャリア教育で付けたい力の関係性について,事例研究を通して考察し,基礎的な知識を得ることができる。(ディスカッション)
第9回 初等中等教育の体系的・系統的なキャリア教育③
・高等学校段階におけるキャリア教育の指導計画とその実際についての基礎的な知識を得ることができる。
第10回 高等学校におけるキャリア教育(職業教育)の実践に向けて
・高等学校の商業教育における職業教育について,高校普通科の改革を事例として取り上げながら実践的に考察することができる。(プレゼンテーション)
第11回 キャリア発達を支援するキャリア教育(職業教育)①
・家庭や地域社会等との連携についての基礎的な知識を得ることができる。
第12回 キャリア発達を支援するキャリア教育(職業教育)②
・自分らしい生き方を実現していく過程の支援について考察することができる。
第13回 キャリア発達を支援するキャリア教育(職業教育)③
・「自分らしく生きること」と「社会観,職業観の育成を目指した商業教育の実践」の融合について考察することができる。(ディスカッション)
第14回 教科商業におけるキャリア教育(職業教育)の実践に向けて
・生徒のキャリア形成を目指した実施計画書の作成についての知識と技術を得ることができる。(プレゼンテーション)
第15回 全体のまとめ
・高等学校の商業教育におけるキャリア教育(職業指導)の今後の展望について考察することができる。
授業外学習の課題 ・授業は原則として,2時間の予習,2時間の復習の計4時間の自宅学習を前提として行う。
(事前学修)各時間の終了前に,本時のまとめと次時の内容につながる事前学修について説明を行うので,予習しておくこと。
(事後学修)各時間の「配付資料」を熟読し,知識を各自整理するとともに,各時間の学修内容に対して,思考したことについてまとめを行い,しっかり振り返りをしておくこと。学修した内容を整理し,日ごろから職業教育のヒントとなるものを探すためのアンテナを張っておくことが重要である。
・講義中に提出課題を課すことがある。なお,課題の提出期限については,その都度指示する。
履修上の注意事項 ・この科目は「教職関連科目」であり,高等学校教諭一種免許状(商業)を取得するための必修科目である。
・講義への遅刻・欠席は,教師を志す者としての資質が問われるものであることを自覚すること。
・授業はGoogle Classroomを併用する。クラスコードは初回の講義で指示する。
・課題提出や情報共有等でGoogle Classroomを使用する。
・「教師のICT活用指導力充実に向けた取組」については,「教育の情報化に関する手引き」等を活用し,各時間の随所に盛り込んで指導する。
・公認欠席は欠席として扱うが,単位認定要件または期末試験の受験要件には影響しないよう配慮する。
・公認欠席時の資料は後日配付するので,各自申し出ること。
成績評価の方法・基準 【知識・技能,思考力】定期試験(50%)
 授業内容に関する知識・技能の修得状況及び思考力を評価する。
【思考力・判断力・表現力】(30%)
 授業内での配付資料についての自身の考えの記入やレポート等を評価する。
【主体性・多様性・協働性】授業への取組状況(20%)
 探究心と柔軟性を兼ね備え,主体的・協働的に学修に取り組む態度を評価する。
※ 出席状況の悪い受講者については,加点対象とならない。
テキスト ・佐藤史人他(2018)『新時代のキャリア教育と職業指導』法律文化社、ISBN978-4-589-03953-8、2,200円+税
・文部科学省(平成31年)『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説商業編』実教出版、ISBN978-4-407-34863-7、744円+税
参考文献 ・木村 周(2016)『キャリアコンサルティング 理論と実際 4訂版』雇用問題研究会
・伊藤一雄他(2011)『キャリア開発と職業指導-大学・高校のキャリア教育支援-』法律文化社
・吉田辰雄他(2007)『進路指導・キャリア教育の理論と実践』日本文化科学社
・吉野源三郎(2017)『漫画 君たちはどう生きるか』マガジンハウス
主な関連科目 教職関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
 授業内容についての質問や相談は,授業の中で時間を取り,クラス全体のものとして共有する。また,ミニッツペーパー等で寄せられた質問についてのフィードバックは,原則として次回の授業で行う。オフィスアワーは,火曜日の午後とする。ただし,不在の場合もあるので事前に連絡をすること。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
商学部商学科(資格関連科目) 2024~2025 2・3・4 -
商学部経営学科(資格関連科目) 2024~2025 2・3・4 -
経済科学部経済情報学科(資格関連科目) 2019~2022 2・3・4 - - - - -
経済科学部経済情報学科(資格関連科目) 2023~2025 2・3・4 -