授業コード 70006000 単位数 2
科目名 政治思想 クラス
履修期 第3学期 カリキュラム *下表参考
担当者 小須田 翔 配当年次 *下表参考

授業の題目 政治理論史(History of Political Thoughts)
学修の概要  この講義では、政治思想史を学ぶことを通して、政治に関して「自分で考える力」を身につけることを目指します。政治思想史は、政治に関するアイデアの歴史です。現代の社会は、「国家」「正義」「民主主義」といった抽象的なアイデアからも成り立っています。こうした現代の社会を形作っている基礎的なアイデアは、長い歴史のなかで少しずつ作られて積み重ねられてきました。これらが、どのように生み出され、洗練されてきたかを振り返ることは、現代の暮らしや政治を理解するために不可欠です。この授業で扱う過去の政治思想家たちは、政治やそれぞれの時代の問題に対してオリジナリティのあるアイデアを残した思想家たちです。彼女らの思想を紐解き、そうした思考と自分の思考を照らし合わせることによって、現代を生きる上で考えなければならないことについてのヒントを得ることを目標とします。
 本講義では、政治の基礎的なアイデアを歴史的に学ぶことで、現在の政治の成り立ちについてより深く考察するための視点を獲得することを目指します。この目的を達成するために、ホッブズ以降の近代の社会契約論と、国家の権力の是非を論じた19世紀以降の政治思想を取り上げます。
学修の到達目標 1.政治思想についての基礎的な知識を獲得する。
2.政治の根本的な問いに対して、自分の考えをもつことができるようになる。
3.政治思想の知識を用いつつ、自分の考えを論じることができるようになる。
授業計画 第1回 イントロダクション(本講義の概要・進め方の説明
政治思想史の主題、方法、意義について理解できるようになる。
第2回 政治思想を学ぶ意義①
カントの『啓蒙とはなにか』を通して、自分で考えるとはどういうことなのかを理解できるようになる。
第3回 政治思想を学ぶ意義② 
アーレント『全体主義の起源』を通して、自分で考えることの必要性や意義を理解できるようになる
第4回 政治思想を学ぶ意義③ 現代の政治思想
政治思想の対立軸を多次元的に理解し、区別できるようになる。
第5回 トマス・ホッブズ 一人ひとりが約束して国家を作る
国家や主権に関する思想史について説明することができるようになる。
第6回 ジョン・ロック 私のモノと国家の役割
資本主義や議会制民主主義に関する思想史を理解することができるようになる。
第7回 ジャン=ジャック・ルソー 自分たちのことは自分たちで決める
民主主義や人民主権に関する思想史を説明することができるようになる。
第8回 社会契約論の歴史と現在
古代の政治思想と近代の政治思想を対比することができるようになる。
第9回 カール・マルクス 平等を実現する社会
資本主義の問題点と平等を目指すマルクスの思想を通して、資本主義の功罪について判断することができるようになる。
第10回 シュミット 例外状態における国家主権
カール・シュミットの政治学思想を通して、国家、主権、例外状態といった概念を理解し、現代政治の論点について判断することができるようになる。
第11回 デューイ コミュニティと民主主義
『公衆とその諸問題』を通して、現代のコミュニティの課題を考察することができるようになる。
第12回 アーレント 自分の居場所のない社会
アーレントの『人間の条件』を通して、公共性についての思想を理解できるようになる。
第13回 ハイエク 新自由主義(オンデマンド)
市場の自生的秩序に着目したハイエクの思想を通して、自由な経済の利点について判断することができるようになる。
第14回 私たちの時代の政治思想 政治はどのように変わっていくか
現代の政治問題や現代の政治思想の概要について理解することができるようになる。
第15回 まとめ
本講義の復習を通して、本講義で学んだ政治思想をさらに深め、自分の政治思想と比較することができるようになる。
授業外学習の課題 事前学修:授業内で提示する参考文献を読み内容を理解する。(2時間程度)
事後学修:配付資料やノートなどを参照して授業を復習して、小テストに取り組む。(2時間程度)
政治思想では、異なる人の立場に立つことが重要です。そのためには、ドキュメンタリーや小説、映画、ドラマ、アニメ作品なども役に立ちます。
履修上の注意事項 1.授業の連絡、小テスト、資料の配布はMoodleを用います。必ず定期的に確認してください。
2.ブレンド型授業を実施します。オンデマンド授業回ではMoodleにて指示をします。
3.公認欠席は成績評価に影響を与えないよう配慮します。小テストはその回を抜いた平均点で評価します。
最初は分かりにくくても時間を掛けてゆっくり考えることで徐々に分かるようになり、面白くなります。受講生には、分かるようになるまで諦めずに取り組む姿勢を求めます。
成績評価の方法・基準 授業中のコメントシート、小テスト、期末試験によって評価します。
毎回のコメントシート:25%、小テスト:15%、試験:60%
※授業態度悪く他の人の受講を妨げる場合には、評価を減ずることがあります。
テキスト 授業内で資料を配布します。
参考文献 宇野重規『西洋政治思想史』有斐閣、2013年。
ハンナ・アーレント(清水速雄訳)『人間の条件』(筑摩書房、1994年)。
他にも各回に関連する文献の一覧をMoodleに掲示します。自己学習の参考にしてください。
主な関連科目 政治理論、民主主義論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・オフィスアワー:木曜日12:15~13:05 ※この時間はアポイントメントなしで研究室で質問を受け付けます。その他の時間はメールをしてください。
・授業前後にも質問を受け付けます。
・期末試験については、Moodle上で講評します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
国際コミュニティ学部国際政治学科(政治・経済領域) FGGP30601 2019~2022 3・4 - - - - -
国際コミュニティ学部国際政治学科(政治・経済領域) FGGP30601 2023~2023 3・4 - -
国際コミュニティ学部国際政治学科(政治・経済領域) 71200 2024~2025 3・4 - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) FGRA30301 2018~2022 3・4 - - - - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) FGRA30301 2023~2023 2・3・4 - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) 72400 2024~2025 2・3・4 - -