授業コード | 70004700 | 単位数 | 2 |
科目名 | 政治と社会(アメリカ) | クラス | |
履修期 | 第2学期 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 船津 靖 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 超大国アメリカの理念と実像 The Ideal and the Real of the American Superpower |
学修の概要 | アメリカは超大国としてリベラルな国際秩序と世界経済を主導してきました。アメリカの動静に世界が注目します。同盟国である日本に大きな影響を与えます。 アメリカのルーツは「旧世界」ヨーロッパで迫害されたキリスト教清教徒(ピューリタン)が入植した「新世界」北米大陸の英植民地です。ピューリタンは聖書に基づく「神の国」「新しいイスラエル」を創ることを使命としました。アメリカの建国神話・物語は現代にも強い影響力を残しています。 アメリカは大英帝国からの独立革命と民主主義を掲げる合衆国憲法制定でつくられた「理念の共和国」。自由とチャンスを求め移住してきた移民の活力で超大国への道をたどりました。多民族・多人種の移民国家。日本と異なり地方の州権が強い連邦制国家です。 アメリカの成り立ちや「くにかたち」は日本など他の国々と違います。今もキリスト教の影響力が驚くほど強い国です。日本人はキリスト教徒が世界的に稀なほど少ない国。日本人がアメリカを理解するのは簡単ではありません。 講義は米政治史と現在のニュース解説の2本立て。”Make America Great Again!”を掲げる第2次トランプ政権は大統領権力が際立ち、アメリカの民主的な三権分立や「法の支配」が動揺しています。超大国のパワーにものを言わせ、関税を武器とする米国第一の保護主義を打ち出し、国際機関をないがしろにし、パナマ運河、グリーンランド、ガザなどへの領有欲を露わにするなど、19世紀の「帝国主義」がよみがえったかのようです。 拙著の一部やレジュメ、パワポ、ニュース記事を使用します。英語の語句・文章を多少使います。関連する実務経験を交えながら質問に答えニュースを解説します。大ニュースが飛び込めば授業計画を変更します。 【実務経験】 共同通信社の地方3支局、外信部、モスクワ、エルサレム、ロンドンの特派員を歴任。どの国でも対米外交が人々の最重要の関心事でした。ニューヨーク支局長としてアメリカの政治経済社会、国連外交を観察しました。単著に『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(河出書房新社)共著に『アメリカ文化事典』(丸善出版)『20世紀 未来への記憶』『世界年鑑』(共に共同通信社) |
学修の到達目標 | 「トランプ現象」をはじめ現代アメリカの諸問題を、合衆国憲法のリベラル・デモクラシーや植民地時代からのキリスト教文化と関連づけながら理解できるようになる。戦後のアメリカ大統領と外交政策の基礎知識を学び、米外交全体の中で日米関係を見ることができるようになる。アメリカに関する英語を学び、ニュースの英語が徐々に読めるようになる。 |
授業計画 | 第1回 | America NOW: President Trump, Again 第2次トランプ政権の支持基盤や矢継ぎ早に打ち出される反バイデン諸政策を列挙できるようになる |
第2回 | Donald Trump: Background, Values, and Polices トランプ大統領の幼少期からの半生と価値観や人生訓、第1次政権の政策や問題点を説明できるようになる | |
第3回 | The U.S.-Japanese Alliance: Russia, China, Article Ⅸ and Nuclear Weapons 日米安全保障条約とロシア(旧ソ連)中国、憲法9条,核兵器について説明できるようになる |
|
第4回 | Puritans: City upon a Hill, Awakening, Independence ピューリタンが入植した英北米植民地時代から信仰復興運動、アメリカ独立革命までを説明できるようになる |
|
第5回 | Constitution: We the People 国連憲章や日本国憲法に大きな影響を与えた合衆国憲法の人権保障、統治原理を説明できるようになる |
|
第6回 | Civil War: Slavery and Racism 南北戦争と奴隷制、有色人種やユダヤ移民制限、日本人移民排斥、人種差別について指摘できるようになる |
|
第7回 | Pacific and Korean War: Imperial Japan and the Communist Soviet Union ナチの同盟国、大日本帝国と戦った太平洋戦争と共産主義ソ連との代理戦争、朝鮮戦争の概略を述べることができるようになる |
|
第8回 | Cuban Missile Crisis and JFK: Kennedy on the brink of a Thermonuclear War 米ソ熱核戦争の一歩手前まで行ったキューバ・ミサイル危機とケネディ大統領の対応を説明できるようになる |
|
第9回 | Assassinations and Vietnam War: Kennedy brothers, M.L. King, Anti-war movement リベラルなケネディ兄弟やキング牧師暗殺とベトナム反戦運動、対抗文化について指摘できるようになる |
|
第10回 | New York City: the Center of World Business and Jewish Americans ユダヤ人の都ともいわれる世界経済、文化の中心ニューヨークについて説明できるようになる |
|
第11回 | Reagan the Optimist: the End of the Cold War and Evangelicals 楽観主義者レーガン大統領が終わらせた米ソ冷戦と共和党の支持基盤キリスト教福音派について説明できるようになる |
|
第12回 | Pro-Choice vs. Pro-Life: the Supreme Court and Abortion Right 米政治の大きな対立軸である人工妊娠中絶の権利をめぐる連邦最高裁の判断とその影響を指摘できるようになる |
|
第13回 | Post Cold War Presidency: Clinton, Bush, Obama 中東和平と対ロシア政策を軸に冷戦終結後の大統領クリントン、ブッシュ、オバマの時代を説明できるようになる |
|
第14回 | America Tomorrow: the Multiethnic Superpower, Populism and AI Revolution ポピュリズムとAI革命に揺れる多民族超大国アメリカの可能性と問題点を指摘できるようになる |
|
第15回 | Summary: Conclusions and Preparation for examination 期末試験に向け、学修内容を整理できるようになる |
授業外学習の課題 | 事前学修(1時間半程度)アメリカ関連のニュース記事を読む。Moodle掲載のレジュメや関連記事、資料に目を通す。 事後学習(2時間半程度)レジュメを再読する。講義ノート、授業で教員が扱えなかった資料を読む。人名やキーワードを覚える。英語・英文を復習する。 NHKのニュース防災アプリhttps://www3.nhk.or.jp/news/(無料)のアメリカ、日米関係を共通の情報インフラとする。日本経済新聞(電子版含む)はじめ全国紙や中国新聞、報道番組(英BBC、米CNN含む)を利用する。興味を持った分野を調べる。 |
履修上の注意事項 | 講義の要点をノートに書き取る。勉強は忘却との闘い。理解と記憶の工夫を。国際政治では知識を欠いた「独自の思考力」はほぼ無益、むしろ害がある。「身に付く能力」で「思考力」にあえて〇を付けていない理由。さまざまな書籍、情報源に当たり「調べる」。バランスよく知識を増やす。 遅 刻、私語、途中退出は迷惑。不正行為には厳格な対応をする。 向学心のある学生の受講を歓迎する。 公認欠席は欠席として扱うが、単位認定要件や期末試験の受験要件に影響しないよう配慮する。公認欠席時にMoodle掲載以外の資料があれば後日配布する。 |
成績評価の方法・基準 | 期末試験80% 受講態度等20% 期末受験は原則として10回以上の出席が必要だが、事前に相談すれば個別の事情には柔軟に配慮する。 |
テキスト | 『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(KAWADE夢新書)。Moodleにレジュメや関連資料・記事を掲載 |
参考文献 | 久保文明他著『アメリカ政治 第3版』(有斐閣)、五百旗頭真編『日米関係史』(有斐閣)、ワシントン・ポスト取材班『トランプ』(文芸春秋)、マイケル・ダントニオ『熱狂の王ドナルド・トランプ』(クロスメディア・パブリッシング)、ボブ・ウッドワード『恐怖の男』『怒り』『危機』(日本経済新聞社、マイケル・ウォルフ『炎と怒り』など随時紹介する。 |
主な関連科目 | 中東の政治と社会、国際ジャーナリズム論、メディア論 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業中やMoodleなどでの質問や感想・考察を歓迎し評価します。次回の授業で取り上げることがあります。英語の勉強法などの相談もMoodleやメール(funatsu@shudo-u.ac.jp)で対応します。期末試験やレポートについてはMoodle上に解答例や講評などを掲載します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
国際コミュニティ学部国際政治学科(地域研究領域) | FGGP20505 | 2019~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) | FGRA20310 | 2018~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) | - | 2023~2025 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |