授業コード 70003900 単位数 2
科目名 国際人権論 クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 柳生 一成 配当年次 *下表参考

授業の題目 国際人権論 Theory and practice of international human rights
学修の概要 第二次世界大戦後、国際的な人権保障制度の発展はめざましく、国連が人権の尊重を促進するほかにも、人権保障に関する条約が次々と作られ、各国による条約の遵守を監督する条約機関も設立されてきました。欧州などでは地域的な人権裁判所もできています。本授業は主に講義形式によって、それらの制度の歴史的発展と概要をみます。その中において日本との関係や重要な事例も扱い、「国際」人権とは言っても、実は国内の市民の生活と密接に関係していることを認識してもらいます。
制度の全体像の理解にとどまらず、人権保障の意義や現在の課題などを考え、人権のより良い実現とは何かを探究することが本科目の目標です。
学修の到達目標 この授業を受けることで、
①国内における人権の問題と国際的な人権保障のつながりを意識できるようになる、
②国際的な人権保障制度の概要や専門用語の説明ができるようになる、
③国際人権をふまえた論理的な観点から人権に関する時事的な問題を分析し、意見を形成できるようになること
が到達目標です。
授業計画 第1回 ガイダンス・イントロダクション
授業の進め方、成績評価の方法等を説明した後に、テキストのイントロダクション(SDGsの説明)を概観します。
第2回 国際人権の意味と意義(第1章)
国際人権保障の発展や現在の制度の枠組みを見ます。
※カッコ内は教科書の該当箇所です。学生の関心等によって各回で扱う内容は若干変更されることがあります。
第3回 人権保護促進のための国際的取組み(第2章)
国連や人権条約が設立した機関の活動などに焦点をあてて、今回も国際人権保障の枠組みを学びます。
第4回 国際人権章典(第3章)
世界人権宣言および2つの国際人権規約という人権の中心的な文書について歴史、概要、およびその意義を学びます。
第5回 人身の自由と拷問等の禁止 (第4章)
今回からは、人権の享有主体やテーマ別に事件保障のルールを学んでいきます。生命に対する権利や拷問の禁止など、生命・身体の保護を見ていきます。
第6回 人種差別の禁止と少数者・先住民族の権利 (第5章)
今回は人種・民族に関する国際人権のルールを見ていきます。日本におけるアイヌ民族なども見ていきます。
第7回 ジェンダー平等と女性の権利(第6章)
SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)に関する国際人権の現状も含めて、ジェンダー平等や女性の権利の保障に関する国際法のルールを見ていきます。
第8回 子どもの権利(第7章)
子ども(児童)の権利条約の内容を中心に、子どもが有する権利の概要や子ども兵などの問題を見ていきます。
第9回 難民・国内避難民および移民の権利(第8章)
難民、国内避難民(IDP)、移民それぞれの違いや、それらの人々に対する権利保障の違いなどを見ていきます。
第10回 障がい者・病者の権利 (第9章)
日本の国内法にも大きな影響を及ぼした障碍者権利条約の概要を見た後、病者の権利について触れます。
第11回 経済活動と国際人権 (第10章)
近年、国際人権において著しく発展し、メディア等でも耳にする「ビジネスと人権」について主要な文書やその概要などを見ます。
第12回 国際人道法と国際人権 (第11章)
武力紛争に適用される国際人道法の重要なルールを見た後、国際人権法との適用関係などを見ていきます。
第13回 平和と人権 (第12章)
平和と人権の関係、テロとの戦いにおいて人権の制限の問題などを見ていきます。
第14回 国際人権と私たちの課題(第13章)
「環境と人権」など、現在注目されつつある人権の問題を学びます。
第15回 総括
これまでの授業で取り扱えなかった事項の補足や分野横断的な振り返りをします。
授業外学習の課題 ・予習として、事前に指定された教科書の該当章や配付資料を読んで下さい。
・復習はテキストやノートを読み返して、重要な用語やルールを説明できるようにしておいて下さい。
・授業外の学習は、事後学習を中心にして合計で60時間行って下さい。
履修上の注意事項 ・講義形式を中心とします。(※履修者数等に応じて、教員との双方向的なやり取りや学生同士のディスカッションの時間を設けるなど、アクティブ・ラーニングの授業形式をとることもあります。)
・国際法の知識を前提とします。憲法に関する前提知識は求めません。
・居眠りや私語、スマートフォンの使用、正当な理由の無い遅刻・途中退室などを行う学生には教室からの退室を指示することがあります(その場合、欠席扱いとします)。
・出席したかのようにカードリーダーに学生証を読み込せて授業に参加しないなど、学修時間を不正に水増しした者に関しては単位を付与できません。
・授業中に携帯端末等でMoodleを見てもらう可能性があります。
・公認欠席については、配付資料があった場合、後日に再配布します(欠席回数には含まれます)。
成績評価の方法・基準 ・期末試験(100%)を基礎として総合的に評価します。
・原則として授業の1/3を超える(6回以上)の欠席があった場合は、単位取得ができません。
テキスト 横田洋三編『新国際人権入門 SDGs時代における展開』法律文化社、2021年(ISBN:978-4589041791)、¥2,700+税
参考文献 ・参考書 申惠丰『国際人権法』信山社、第2版、2016
・必要に応じ、各回の参考文献を追加で指示するほか、資料を配布します。
主な関連科目 国際法、特別講義A(国際法の現代的諸問題)など
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・授業開始前・終了時に質問を受け付けます。それ以外の時間に質問を希望する人は、日程調整のため、事前にメールで連絡して下さい。不明な点は、遠慮せずに、早めに質問して下さい。
・試験の解答は、前期終了後にMoodle上で示します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
国際コミュニティ学部国際政治学科(国際政治領域) FGGP30406 2019~2022 3・4 - - - - -
国際コミュニティ学部国際政治学科(国際政治領域) FGGP30406 2023~2023 3・4 -
国際コミュニティ学部国際政治学科(国際政治領域) 71400 2024~2025 3・4 -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) FGRA30308 2018~2022 3・4 - - - - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) FGRA30308 2023~2023 3・4 -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) 72400 2024~2025 3・4 -