授業コード 70000200 単位数 2
科目名 異文化理解論 クラス
履修期 第1学期 カリキュラム *下表参考
担当者 竹井 光子 他 配当年次 *下表参考

授業の題目 異文化理解のための3つの視点
Three topics for intercultural understanding: (1) language and communication, (2) cultural anthropology, and (3) sociology of religion
学修の概要 多文化共生社会において必要とされる異文化理解能力(態度・知識・技能)を身につけることを目的に次の3つのテーマでオムニバス形式の講義を行います。

(1)【言語コミュニケーション】 第1回~第5回 (竹井担当)
「文化」「言語」「コミュニケーション」の3つをキーワードとして、異文化コミュニケーションについて考えるときに必要な概念を理論的、体系的に論じます。文化の定義、コミュニケーションの定義、言語と文化の相互作用などを踏まえた上で、言語コミュニケーション、非言語コミュニケーションの特徴や機能を理解し、異文化コミュニケーションの実践の場で活用できるようになることを目指します。

(2)【文化人類学】 第6回~第10回 (宇野担当)
文化人類学の研究にもとづき、文化の定義をふまえて、具体的なトピックから文化の違いを考察します。トピックとしては、コミュニケーションにおける身体の用法、食べ物、よそおい、結婚、色彩の5つを取り上げます。この5つのトピックについて、文化の違いを越えた人間としての共通性がどの点にあり、文化によるバリエーションがどの点に生じるかについて解説し、文化についての理解を深めることを目指します。

(3)【宗教社会学】 第11回~第15回 (船津担当)
 宗教は文化の基本です。日本文化の基底は神仏習合ですが、人類の過半数はユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教文化圏の人々です。日本社会もキリスト教の大きな影響を受けています。旧約聖書(ユダヤ教聖書)を起源とする三つの一神教に関する基礎知識を得て、国際関係の理解に役立てるとともに、実際の国際交流の場でも活用できるようになることを目指します。
学修の到達目標 世界の言語、文化、宗教、民族に関する理解を深め、異文化コミュニケーションの実践の場で活用できるようになる
授業計画 第1回 [4/08](竹井)授業ガイダンス、【言語とは?】
言語とは何か、世界の言語の概要についての知識を得る
第2回 [4/11](竹井)【文化とは?】
日本文化を例に、文化とは何かについての考察を深めることができる
第3回 [4/15](竹井)【リンガフランカとは?】
リンガフランカ(共通語)の概念と意義を理解できるようになる
第4回 [4/18](竹井)【コミュニケーションとは?】
コミュニケーションの定義、特徴、要素についての知識を得る
第5回 [4/22](竹井)【言語と文化とコミュニケーション】
言語と文化の相互作用、コミュニケーションについての理解を異文化コミュニケーションの場面で活用するための基盤を固める
第6回 [4/25](宇野)【コミュニケーションにおける身体の用法:まなざし、身体接触】
コミュニケーションにおける身体の用法の文化による違いを理解できるようになる
第7回 [4/29](宇野)【食べ物の文化論:何を食べ物と見なすか】 
食べ物の範囲が文化によって大きく異なることを理解できるようになる
第8回 [5/02](宇野)【装いの文化論:文化によって異なる「裸」、ジェンダーと装い】
最低限の装いの基準が文化的に大きく異なることを理解できるようになる
第9回 [5/09](宇野)【結婚の文化論】
世界の様々な結婚がなぜ正しい結婚として認められているか、その文化的多様性を理解できるようになる
第10回 [5/13](宇野)【色彩の文化論:太陽は何色か】 
色彩は世界共通に見えるが、それをどのように分類し名称を付けるかについて文化的多様性があることを理解できるようになる
第11回 [5/16](船津)【日本文化と一神教文化】
宗教と文化・社会の関係を意識し、国際社会における一神教の影響力に気づけるようになる
第12回 [5/20](船津)【ユダヤ教:一神教の原型】
モーセの十戒、約束の地など(旧約)聖書の基本を理解できるようになる
第13回 [5/23](船津)【キリスト教:十字架とメシア(救世主)】
イエスの死と復活の物語から世界宗教が誕生するプロセスを理解できるようになる
第14回 [5/27](船津)【イスラム教:コーランと剣】
アッラーへの服従を説くムハンマドの教えを法とする社会と人々を理解できるようになる
第15回 [5/30](船津)【宗教と迫害、共存の技術、小テスト】
ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を教訓に宗教対立を避ける方法を考えられるようになる
授業外学習の課題 ■事前学修(30分):毎授業のテーマについて各自で調べた上で、ある程度の予備知識を
もって授業にのぞんでください。
■事後学修(30分):授業で扱ったテーマについて、各自で情報収集や調査をしてさらに
知識や考察を深めてください。
■加えて、各担当者が指定する以下の課題にそれぞれ十分な時間をかけて取り組んでくださ
い(担当者ごとに10時間程度)。


(竹井)毎回の授業終了後に、Moodleコース上における「ふりかえり」の提出を求めます。期限内に内容の濃い具体的なふりかえり(200字以上)を期待します。また、関連する映像の視聴や資料の閲覧等にも取り組んでください。
(宇野)異文化理解について小レポートの提出を求めます。
(船津)Moodleに掲載する資料や授業での配布物を熟読し、板書などのノートを読み返してください。
履修上の注意事項 ■ウェブ履修抽選によって履修者を決定します。ウェブ履修抽選にエントリーしてください。
■授業計画や内容(資料、課題)は、Moodleコース内で提示します。課題の遂行を重視します。課題などの期限を守ることが大切です。
■授業を「公認欠席」となった場合には、Moodle内の資料を確認して自身で補ってください。必要な場合には担当教員に相談してください。
成績評価の方法・基準 ■各担当者が100点満点で成績評価を行い、その平均を本科目の成績評価点として扱います。
(竹井)授業の振り返りメモ(5回)50%、小テスト・課題(5回)50%
(宇野)授業における課題提出(5回)30%、小レポート(1回)70%
(船津)授業中の課題提出(5回)70%、小テスト(1回)30% ただし最終回の課題が30%、小テストは最終回。最終回の公認欠席者には代替措置を講じます。
テキスト なし
参考文献 (竹井)鳥飼玖美子 『異文化コミュニケーション学』 岩波新書
その他、関連ウェブサイトなどを授業中に適宜紹介します。
(宇野)西江雅之 『「食」の課外授業』 平凡社新書 野村雅一 『ボディーランゲージを読む』 平凡社ライブラリー
(船津)船津靖『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(河出書房新社)1章「ユダヤ教とキリスト教の不思議な関係」、中村圭志『聖書、コーラン、仏典』(中央公論新社)、聖書協会共同訳『聖書 旧約聖書続編付き』、パトリック・モディアノ『1941年。パリの尋ね人』(作品社)。

その他授業中に紹介します。
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業内外で対応します。メール(アドレスは授業時に指定)による相談にも応じます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
国際コミュニティ学部国際政治学科(学部入門科目) FGGP10102 2019~2022 1・2 - - - - -
国際コミュニティ学部国際政治学科(学部入門科目) FGGP10102 2023~2023 1・2 - -
国際コミュニティ学部国際政治学科(学部入門科目) 71200 2024~2025 1・2 - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(学部入門科目) FGRA10105 2018~2022 1・2 - - - - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(学部入門科目) FGRA10105 2023~2023 1・2 - -
国際コミュニティ学部地域行政学科(学部入門科目) 72200 2024~2025 1・2 - -