授業コード | 63006800 | 単位数 | 2 |
科目名 | 臨床心理学概論 | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 藤川 卓也 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 臨床心理学概論 Introduction to Clinical Psychology |
学修の概要 | 近年,うつ病をはじめこころの健康問題について社会的に関心がもたれ,身近に感じられることが増えてきました。臨床心理学は,心理学の知識を応用して,人々のこころの健康の回復・保持・増進を支援するための理論や技法を研究したり,実践したりする心理学の応用的な学問分野です。この授業では,そうした臨床心理学の歴史的な成り立ちから学び,こころの問題の様々な理解・支援の仕方といった臨床心理学の基礎的な知識の修得を目指します。講義をベースとして,実際にグループでの調べ学習や話し合い,発表を通して,主体的・自発的に学んでいきます。 また,この授業は公認心理師の資格取得に必要な科目でもあります。臨床心理士や公認心理師など心理専門職を目指したいあるいは興味を抱いている学生は,この授業を通して臨床心理学における基礎的な知識を修得し,キャリア選択・計画における基礎固めを行います。心理専門職を目指さない人にとっても,身近なこころの問題について向き合う,考えるための知識を身につけることを目指します。 実務経験内容:教員は,臨床心理学の研究者であると同時に,臨床心理士や公認心理師として心理学的支援を行う実践家でもあります。精神科クリニック,児童精神科での病院臨床や大学附属心理相談室や地域コミュニティでの臨床実践活動の経験があります。実務経験を踏まえて,リアリティある学びにつなげます。 |
学修の到達目標 | 臨床心理学の歴史的な展開と現状に関する基礎知識を修得することを目指します。具体的に以下の3つを学修の到達目標とします。 ①臨床心理学の成り立ち,臨床心理学の基礎理論(代表的な支援法など)について概要を理解し,説明ができること。 ②授業で学んだ知識を元に自らも考え,探求していく力を得ること。 ③将来,心理専門職として活動を行うイメージを高め,キャリア選択・計画の準備ができるようになること。 |
授業計画 | 第1回 | 【オリエンテーション:臨床心理学とは】 この授業の概要や進め方,学習の到達目標,成績評価の基準について説明します。臨床心理学がどのような学問かを理解し,事例や身近な経験を通して,こころの問題やテーマにについて考えてみます。 |
第2回 | 【臨床心理学の歴史】 臨床心理学がどのように生まれ今日まで発展してきたのか,日本でどのように展開し,どのような制度や資格が整ってきたのかについて理解します。 <テキスト第1~2章> |
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第3回 | 【臨床心理学の定義・理念・体系と基本的な態度】 臨床心理学の大きな考え方やセラピストの基本的な態度を理解します。 キーワード:科学者―実践家モデル/生物・心理・社会モデル/実証的支持のある治療/エビデンスに基づく実践/チームアプローチ/他職種連携/マイクロカウンセリング技法 <テキスト第3章> |
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第4回 | 【臨床心理学の実践:支援の流れや枠組み】 心理支援の構造や枠組みを学び,心理支援のはじまりからおわりまでの流れを理解します。心理支援がどのように行われるかイメージできるようになります。 キーワード:心理支援の流れ(受理∼終結)/初回面接(インテーク面接)/インフォームド・コンセント/治療同盟/ドロップアウト/支援者側の要因・要支援者側の要因 |
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第5回 | 【臨床心理学の実践:アセスメント】 心理支援においてクライエントの困り事の成り立ちやクライエント自身の理解をしていく作業をアセスメントといいます。その方法としての観察法,面接法,検査法を理解します。 |
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第6回 | 【臨床心理学の実践:アセスメントの体験学習】 第5回で学んだアセスメントについて,比較的簡単に実施ができ,侵襲性が少ない質問紙検査を実際にやってみます。結果を分析(採点)し,自己分析,自己理解を育みます。また,ペアやグループでロールプレイを行い,架空の困り事に基づいてクライエント体験,セラピスト体験をすることで心理専門職としてどのような仕事をするのかを体験的に理解します。 |
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第7回 | 【臨床心理学の実践:様々なアプローチ➀】 臨床心理学の代表的なアプローチを理解します。グループを作り,支援法の中から1つを選んで,背景となる理論や考え方,具体的な技法について調べ学習をします。調べたことを資料にまとめ8∼10回を通して発表会を行います。 キーワード:精神分析/力動的心理療法/行動療法/応用行動分析/クライエント中心療法/認知療法/論理情動療法/第3世代の認知行動療法/集団療法(心理劇など)/家族療法/ブリーフセラピー/ソリューションフォーカストアプローチ/日本独自の心理療法(森田療法,内観療法,臨床動作法) など <テキスト第4∼14章> |
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第8回 | 【臨床心理学の実践:様々なアプローチ➁】 第7回で調べ,まとめた発表資料をグループごとに発表してもらいます。受講生同士で学び合い臨床心理学のアプローチに関する理解を深めていきます。 <テキスト第4∼14章> |
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第9回 | 【臨床心理学の実践:様々なアプローチ➂】 第7回で調べ,まとめた発表資料をグループごとに発表してもらいます。受講生同士で学び合い臨床心理学のアプローチに関する理解を深めていきます。 <テキスト第4∼14章> |
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第10回 | 【臨床心理学の実践:様々なアプローチ④】 第7回で調べ,まとめた発表資料をグループごとに発表してもらいます。受講生同士で学び合い臨床心理学のアプローチに関する理解を深めていきます。 <テキスト第4∼14章> |
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第11回 | 【臨床心理学の実践:臨床動作法の体験学習】 担当教員の専門の1つは日本独自の心理療法である臨床動作法です。臨床動作法を身体を動かすことを通して心を支援するアプローチです。実際にリラクゼーション体験を通して,身体と心がどのように変化するのかを体験しましょう。 授業中には,ストレスの軽減などに活用できる身体をつかったリラクゼーション法の体験を予定しています。 |
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第12回 | 【臨床心理学の研鑽と研究】 臨床心理学における自己研鑽としてどのようなことができるのか,臨床心理学をどのように研究するかについて理解します。 キーワード:事例検討会/スーパービジョン/カンファレンス/量的研究/質的研究/事例研究/無作為割付対照試験(RCT)/効果量/メタ分析 |
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第13回 | 【臨床心理学が活かされている現場:医療・司法・産業領域】 医療・司法・産業それぞれの領域で臨床心理学がどのように活かされているか,心理専門職がどのような仕事をしているかを理解し,各領域でどのように働くかイメージしてみます。 |
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第14回 | 【臨床心理学が活かされる現場:教育・福祉領域】 教育・福祉それぞれの領域で臨床心理学がどのように活かされているか,心理専門職がどのような仕事をしているかを理解し,各領域でどのように働くかイメージしてみます。 |
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第15回 | 【まとめと振り返り】 授業全体を通して学んだことの振り返り,整理することで知識を定着させていきます。 |
授業外学習の課題 | ・第7∼10回では,グループごとに臨床心理学の支援法を1つ取り上げ,調べ学習を行い,調べたことを資料にまとめて発表してもらいます。授業時間内でも資料作成の時間を取りますが,授業外でもグループで資料を作成してもらうことがあると思います。 ・授業時間外での学修時間の目安は,発表資料の作成を含めて,事前学修2時間程度,事後学修2時間程度です。事前学修ではMoodleに掲載する授業資料やテキストの該当章に目を通し,内容を理解してください。事後学修では,ノートや授業資料を見返し,情報を整理したり,疑問点を整理してください。 |
履修上の注意事項 | 【授業の形態】 対面授業を行います。 【授業資料について】 授業に関する情報や授業資料はMoodleに掲載します。 定期的にMoodleを確認してください。 授業中にMoodleにアクセスできる機器(PC・タブレットなど)を持参してください。 【欠席の対応】 欠席の場合は,事前に連絡をしてください。 公認欠席制度の配慮内容は以下のとおりです ・公認欠席は欠席として扱いますが,単位認定要件には影響しないように配慮します。 ・公認欠席時の資料は別途配付します。課題が出る場合は別途指示します。 ・発表会時に公認欠席となる場合,個別に対応します。 ※受講人数や受講状況により授業の順序や授業内容を変更することがあります。 |
成績評価の方法・基準 | 期末試験があります。 期末試験(50%),グループでの発表資料の内容 (25%),授業への取り組み方 (授業中の発言,ペア・グループワークへの主体的な取り組み) (25%) によって総合的に評価します。 |
テキスト | 公認心理師の基礎と実践3 臨床心理学概論 第2版 野島・岡村編 遠見書房 ISBN: 978-4866161679 |
参考文献 | 適宜紹介します。 |
主な関連科目 | 「公認心理師の職責」「心理的アセスメント」「心理学的支援法」「健康・医療心理学」「人体の構造と機能及び疾病」「精神疾患とその治療」「関係行政論」 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業中に随時質問を受け付けますし,授業時間外においては個別に時間を設けたり,メールやE-learnigシステム (Shudo Moodle) などで質問や相談に対応します。 相談にくる場合は,授業などで席を外しているときもあるので,事前に連絡をください。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | - | 2017~2017 | 1・2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | FHHS23111 | 2018~2022 | 1・2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | FHHS23111 | 2023~2023 | 1・2・3・4 | ○ | - | - | - | - |
人文学部教育学科(関連学科科目) | - | 2017~2017 | 1・2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部教育学科(関連学科科目) | FHED15108 | 2018~2022 | 1・2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部教育学科(関連学科科目) | FHED15108 | 2023~2023 | 1・2・3・4 | ○ | - | - | - | - |
健康科学部心理学科(心理) | FHPS24101 | 2018~2022 | 1・2・3・4 | - | - | - | - | - |
健康科学部心理学科(専門基礎) | FHPS22306 | 2023~2023 | 1・2・3・4 | ○ | - | - | - | - |
健康科学部心理学科(専門基礎) | 61200 | 2024~2025 | 1・2・3・4 | ○ | - | - | - | - |