授業コード 63000601 単位数 2
科目名 心理学概論Ⅱ クラス 01
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 小宮 あすか 配当年次 *下表参考

授業の題目 文化心理学 Cultural Psychology
学修の概要 国際化の進む現代において異なる文化的背景を持つ人々に出会う機会は様々にある。異なる文化で生まれ育つということは, 人の心にどのような違いをもたらすのだろうか。
文化心理学は「文化と心の相互構成」をテーマに発展してきた学問である。多くの心理学の諸分野と異なり, 人の心に対する文化の影響を前提とし, どれだけ深く, どのように文化が心に影響するかを明らかにしてきた。本講義では文化と心の関係を理解するために, 文化心理学の諸理論と実証研究を概説する。前半は古典的な文化心理学の議論を中心に, 後半は文化心理学が取り組んできた社会問題への応用を中心に扱う。
学修の到達目標 ①心に対する文化の影響を理解できるようになる。
②文化比較を含めた心理学の方法論を理解できるようになる。
授業計画 第1回 イントロダクション:文化心理学とは

文化とは何かを理解する。また、心理学における文化の重要性について学ぶ。
第2回 文化と自己①: 文化と自己

「私たちが私たち自身をどのように理解するのか」に対する文化の役割を学習する。また、文化的自己観について学習する。
第3回 文化と自己②: 自己の一貫性

文化的自己観が私たちの行動に及ぼす影響について、具体的な研究例を通して学習する。
第4回 文化と心①: 自己高揚動機と自己向上動機

どのような行動に動機づけられるかが文化によって異なることを学ぶ。特に達成追求と失敗回避のどちらによりよく動機づけられるかの違いについて学習する。
第5回 文化と心②:選択の主体と同調

引き続き、どのような行動に動機づけられるかが文化によって異なることを学ぶ。特にコントロール感および同調傾向の文化差について学習する。
第6回 文化と心③:認知と注意

文化によってどのような情報に注意を向けるか、またどのように世界を認知しているかが異なることを学習する。
第7回 文化と心④:感情

感情の文化普遍性と文化依存性について学ぶ。
第8回 発達と社会化

ある文化の中で、人々がどのように社会化するかについて学習する。
第9回 中間テストとその解説

ここまでで学んだ古典的な文化心理学の議論・知見を復習し、文化が心に与える影響について理解を深める。
第10回 異文化適応

新しい文化に移動したときに起こる人々の心の変化について学習する。また、適応しやすさに関わる各種変数(個人差と環境変数)について考える。
第11回 文化の伝達と変容

文化心理学の展開としての文化の変容について学ぶ。どのように文化が変化してきたのか、またどのように文化が維持されるのか、そのメカニズムについて学ぶ。
第12回 文化の起源

生態学的適応としての文化について具体例を通じて学ぶ。また、どのような情報が共有され、「文化」となりうるかを学ぶ。
第13回 遺伝と文化の共進化

進化の原理について復習する。また、文化と進化がどのように影響しあっているかについて具体的な研究例を概観しながら学ぶ。
第14回 社会生態学的アプローチ

社会生態学的心理学とは何かについて、実証研究を通じて学ぶ。
第15回 日本における多文化主義(オンデマンド)

異なる文化的背景を持つ人々と共生するためにはどうすればよいか。日本が多文化共生社会を目指すための方法を探る。
授業外学習の課題 事前学習(2時間程度):授業に参加する前に今まで配布した資料に必ず目を通し、復習しておいてください。
事後学習(2時間程度):授業内容を復習し、リアクションペーパーにまとめ、提出してください。質問があれば記載してください。
*心理学科で実施される実験・調査に積極的に参加してください。実験・調査に参加することで,実際にどのようにして研究が行われているかを体験し,心理学についての理解を深めてください。
履修上の注意事項 *他の学生に迷惑をかける行為(授業中の私語,携帯電話の操作など)は禁止します。繰り返しの注意にもかかわらず改善が見られない場合は退出を求め,欠席扱いとします。
*公認欠席制度の配慮内容は以下のとおりです。
・公認欠席時、リアクションペーパーの提出期限を延長します。
・中間テスト・期末テスト時に欠席となる場合、追試または代替措置で対応します。
成績評価の方法・基準 リアクションペーパー(15%), 中間テスト(40%), 期末テスト(45%)として評価します。
テキスト 毎回資料を配布します。
参考文献
主な関連科目 心理学概論Ⅰ, 心理学概論Ⅱ, 社会心理学
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業の前後で質問に対応します。また、毎回授業後に提出してもらうリアクションペーパーに質問事項を記載しても大丈夫です。授業内容に関する質問ならば、次回の講義冒頭で全体フィードバックという形で回答することがあります。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(人間関係学科科目) FHHS21107 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(人間関係学科科目) 2023~2023 1・2・3・4 - - - - -
人文学部教育学科(関連学科科目) FHED21107 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
人文学部教育学科(関連学科科目) 2023~2023 1・2・3・4 - - - - -
健康科学部心理学科(専門基礎) FHPS13302 2018~2022 1・2・3・4 - - - - -