授業コード 31010909 単位数 2
科目名 基礎演習Ⅱ クラス 09
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 増田 栄作 配当年次 *下表参考

授業の題目 公害・環境問題と法
学修の概要  この授業では、日本の公害・環境問題に関する法の検討を通じて、法律学の本格的学習に必要な知識や技能を獲得することを課題とします。日本の公害・環境問題は、特に近代以降の社会の発展とともに、工場や幹線道路等がもたらす産業公害、日常生活における騒音・日照妨害、眺望や景観の保護、自然環境の保護、近時の原発事故問題等、様々な様相をもって展開してきました。また、問題への対処にあたって、法制度とりわけ訴訟が大きな役割をはたしてきました。環境法の分野は、憲法、行政法、刑法、民法等の幅広い法分野に関わりますが、授業では、民法分野の問題を中心にあつかう予定です。授業では、環境法に関する標準的な教科書の精読とならんで、特に公害・環境訴訟に関する判例の検討を予定しています。
学修の到達目標 公害・環境問題にかかる法律学分野に関する基礎的な理解の獲得を目標とします。
1.公害・環境問題に関連する法律学上の諸問題について、法律の規定や論点と関連づけて基礎的な理解や考察ができるようになる。
2.公害・環境問題に関連する法律学上の具体的課題について、法律の規定や論点をふまえて基礎的な対処ができるようになる。
3.当該分野のより高度な学習・研究活動にとって必要となる発展的理解や十分な思考力を獲得する。
授業計画 第1回 総説 
環境法とは何か、環境法の全体像、環境法の特徴・学び方等について、基礎的な知識を得る。
第2回 公害・環境訴訟の展開と環境法の発展
公害・環境訴訟の歴史的変遷について、基礎的な知識を得る。
第3回 損害賠償(1)ー過失・違法性(受忍限度)
公害・環境民事損害賠償訴訟について、基礎的な知識を得る。
第4回 損害賠償(2)ー因果関係・共同不法行為
因果関係論、共同不法行為論について、基礎的な知識を得る。
第5回 損害賠償(3)ー損害論・請求権の期間制限
損害論、損害賠償請求権の期間制限について、基礎的な知識を得る。
第6回 民事差止訴訟
差止めの法的構成、差し止めの具体的要件等について、基礎的な知識を得る。
第7回 国家賠償訴訟
国家賠償法、公害と国家賠償について、基礎的な知識を得る。
第8回 行政訴訟
取消訴訟、無効確認訴訟、義務付け訴訟等について、基礎的な知識を得る。
第9回 事例研究・水質汚染-水俣病
水俣病事件について、基礎的な知識を得る。
第10回 事例研究・騒音公害
航空機騒音公害訴訟、基地騒音(爆音)訴訟等について、基礎的な知識を得る。
第11回 アスベスト被害
アスベスト被害救済の仕組み、訴訟等について、基礎的な知識を得る。
第12回 廃棄物処分場紛争・土壌汚染
廃棄物処理、土壌汚染に関する法制度等について、基礎的な知識を得る。
第13回 眺望・景観保護
景観保護をめぐる法制、裁判等について、基礎的な知識を得る。
第14回 自然保護
自然保護の法的仕組み、訴訟等について、基礎的な知識を得る。
第15回 原発訴訟
福島原発事故損害賠償訴訟、差止訴訟等について、基礎的な知識を得る。
授業外学習の課題 授業ではテキストの精読を行います。具体的には授業で支持しますが、たとえば以下の課題をおこなってもらいます。
・報告者は、報告レジュメの作成および提出(分量:A3・2枚以内)
・質問者は、質問事項の作成および提出(分量:A3・1枚以内)
・それ以外の者は、所定の記述用紙への質問・意見の記述およびコピーの提出

事前学修(2時間程度):毎講義のテーマについて、各自でできる限り調べて予備知識を集めておき、関係することがらについて調べておくこと。講義題目に対応するテキスト箇所を読んで、その日の講義で扱われる内容を確認しておくこと。時間があれば、テキスト等を参考に、ノートを作成すること。その過程で当然生ずる疑問点についてもまとめておくとよい。

事後学修(2時間程度):Moodle等を用いて提示されたり当日に配布された講義レジュメ等、授業時にとったメモや他の文献資料なども参照して、講義内容をノートに反映・整理すること。わからなかった事柄については、次回までに各自で調べること。適宜実施されるレポート課題などに取り組むこと。
履修上の注意事項 授業には毎回出席すること。報告・レポート等の課題を行うこと。基礎演習における質疑に積極的に参加すること。
*公認欠席制度の配慮内容は以下のとおりです。
・公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件等には影響しないよう配慮します。。
・公認欠席時の授業資料等については、Moodleコース上にデータを提示します(紙媒体等の後日配布は行いません)。
・個別報告等の時に公認欠席となる場合、別日の報告または代替措置で対応します。
成績評価の方法・基準 提出物(30点)、質疑応答における積極性(40点)、学習課題の理解度(30点)、受講態度(加点ないし減点要素)によって総合的に判断します。
テキスト 吉村良一『公害・環境訴訟講義』(法律文化社2018年)\4,070(税込)・ISBN:978-4-589-03944-6
参考文献 未定(追って指示します。)
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
毎回の授業終了時に直接申し出ること。その場で必要に応じて説明の日時・場所等を設定します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(演習) 31300 2024~2025 2