授業コード | 31010402 | 単位数 | 2 |
科目名 | 基礎演習Ⅲ | クラス | 02 |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 片上 孝洋 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 判例から人権を学ぶ |
学修の概要 | 近年、同性婚訴訟や夫婦別姓訴訟といった人権問題が社会的に注目を集めています。これらの問題を深く掘り下げるためには、人権問題に関わる具体的な事件において、〈当事者の主張〉から争点や問題点を整理し、それに対する〈裁判所の判断〉を検討することで、人権に関する基本的な考え方と知識を体系的に身につけることが不可欠です。 本演習では、棟居快行ほか著『基本的人権の事件簿(第7版)』(有斐閣、2024年)を受講者全員で講読し、各事件について、どのような事実が問題となったのか、当事者はどのような主張をしたのか、裁判所はどのように判断したのか、その判断はどのような理由に基づいているのかなどを議論します。また、演習で取り上げた事件について、理解の定着と論理的思考力の向上を目的としたレポートを作成します。 各回の担当者は、テキストの担当事件について報告資料を作成し、報告を行います。その後、受講者全員で議論(質疑応答や自由な意見交換)を行います。担当者以外の受講者は、テキストの予習を行い、積極的に議論に参加することを期待しています。 |
学修の到達目標 | この演習を通して、以下の能力を習得することを目指します。 1.憲法の定める人権に関する基本的な理論と主要な判例を理解し、具体例を挙げて説明できるとともに、関連する憲法問題を分析的に考察できる。 2.報告資料の作成、報告、議論(質疑応答や自由な意見交換)を通して、3年次以降のゼミナールで専門性を深めるために不可欠な、論理的思考力、表現力、傾聴力を育成する。 |
授業計画 | 第1回 | ガイダンス 報告者の割り当て |
第2回 | 事件1:頭髪の自由-パーマをかけたら退学ですか? | |
第3回 | 事件3:母親となる権利-代理出産によって生まれた子どもの母親となる権利はあるか | |
第4回 | 事件4:同性婚の権利-同性同士だとなぜ婚姻届けを受理してもらえないの? | |
第5回 | 事件13:氏名に対する権利-自分の名前なのに自分のものでない? | |
第6回 | 事件5:性同一性障害者の自由-心のままの性別でいたい | |
第7回 | 事件17:平等権-同じ子どもなのに、どこが違うの? | |
第8回 | 前半の振り返り | |
第9回 | 事件7:治療拒否の自由-自分の身体は自分のもの? | |
第10回 | 事件9:忘れられる権利-みんなに忘れてもらいたいこともある | |
第11回 | 事件18:思想良心の自由-「君が代」は思想の押しつけか | |
第12回 | 事件19:信教の自由・政教分離-信仰と法律の板ばさみ? | |
第13回 | 事件20:表現の自由-人を見たら泥棒と思え? | |
第14回 | 事件23:生存権-生活保護のデザインは国に任せて | |
第15回 | 後半の振り返り 全体のまとめ |
授業外学習の課題 | 【事前学修】(2時間程度) ・報告担当者は、責任をもって報告の十分な準備をすること。 ・報告担当でない者は、テキストの該当箇所を事前に熟読し、自分の意見や質問をまとめておくこと。 【事後学修】(2時間程度) ・報告と議論を踏まえて、報告内容を整理し、学んだ知識を修得すること。 |
履修上の注意事項 | 1.演習には主体的に参加し、活発な議論を盛り上げてください。 2.報告担当者は、十分な準備を行い、責任をもって報告に臨んでください。資料作成、発表練習を含め、早めの準備を心がけてください。 3.報告担当でない者は、テキストの該当箇所を事前に熟読し、自分の意見や質問をまとめて出席してください。 4.テキストと各自で用意した六法(ポケット六法、デイリー六法など)を持参するようにしてください。 5.原則として全回出席を求めます。やむを得ない理由で欠席する場合は、事前に必ず担当教員に連絡してください。 6.授業計画は一部変更する場合があります。 *公認欠席制度の配慮内容は以下の通りです。 ・公認欠席時の資料は後日配付します。 ・報告を担当する時に公認欠席となる場合、報告の順番を変更するなど適宜対応します。 |
成績評価の方法・基準 | 報告への取り組み(報告の内容等)(40%)、議論への取り組み(発言の回数と内容等)(20%)、演習で取り上げたテーマに関するレポート(40%)で評価します。受講態度、欠席等により減点する場合があります。 |
テキスト | 棟居快行ほか著『基本的人権の事件簿(第7版)』(有斐閣、2024年) |
参考文献 | 高橋和之『立憲主義と日本国憲法(第6版)』(有斐閣、2024年) 渋谷秀樹編著『憲法判例集(第12版)』(有斐閣、2022年) |
主な関連科目 | 憲法原論、基本的人権 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
・授業の前後で質問・相談に対応します。 ・十分な時間を要する質問・相談の場合は、別途時間を設けますので、メールにて予約をとってください。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
法学部法律学科(演習) | 31300 | 2024~2025 | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |