授業コード 30095300 単位数 2
科目名 国際法 クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 柳生 一成 配当年次 *下表参考

授業の題目 国際法 Public International Law
学修の概要 国際法は、主として国家・国際組織間の関係を規律する法と言われますが、現在は個人の生活にも密接に関係します。また規律する領域も、外交関係、海洋、環境、人権、宇宙、国際経済、および武力紛争など多様です。
本授業は講義形式を中心として、海洋や環境など重要な領域に関する基本的な制度および理論を概観するとともに、それらの領域に共通する基礎的な概念や理論などを総論として学びます。総論的なテーマとして、国際法の存在形式(法源)、条約の成立・解釈、違法行為を行った国家の責任などを理解します。
国際人権法、国際刑事法、国際環境法といった発展的な領域を学ぶための基礎となる科目です。
学修の到達目標 この授業を履修することによって、
①国際社会における国家・国際組織などの活動や関係を規律する法の全体像を把握し、その理念や特徴を理解できるようになる、
②現代の国際社会における時事的な問題の背景にある国際法の概念や制度を的確に説明できるようになる、
ことが目標です。
授業計画 第1回 ガイダンス
授業の進め方、成績評価、予習・復習の方法などを説明します。その後、国際法の主体に関する序論的説明などを見つつ、国際法を勉強する意義を考えます。
第2回 国際社会・国際法の特徴と国際法の歴史的展開
国際法およびその背景である国際社会の特徴ならびに国際法の歴史的展開を学びます。
第3回 国際法はどこに書いてある? 違反したらどうなる?
国際法は具体的にどのように存在しているのか?、条約に関するルールはどのようなもの
か?、国際法と国内法の関係はどうなっているのか、そして国際法に違反するとどうなるの
か?を学びます。
第4回 国家として認められるには?
国家の要件、自決権、国家承認、そして国家の変動を学びます。
第5回 外国で行われた法律違反を処罰できるのか?
国家管轄権、国家管轄権の競合の調整、そして国家管轄権の行使が制限される場合を学びます。
第6回 国際組織は何をしているのか?
国際組織とは何か?、国際組織はどのような機能を果たしているか?、そして国際組織の法的な課題を学びます。
第7回 国の主権はどこまで及ぶのか?
国家領域とは?、領域に関する国家の権利(主権)と義務、国家による領域の取得、裁判所による領土紛争の解決、日本の領土問題そして現代における領域を学びます。
第8回 漁業、生物資源の保全はどのような法的問題があるか?
海は自由に利用できるのか?、漁業は自由?、その他の海洋生物・生態系の保護・保全は?、海洋環境保護に関する紛争解決についてを学びます。
第9回 貿易紛争はどのように解決されているのか?
WTO体制の成立と概要、WTOの紛争解決手続、および国際投資法の概要を学びます。
第10回 国際法は気候変動問題を解決できるのか?
気候変動問題と国際環境法、気候変動枠組条約体制の構築と発展、京都議定書、国際航空と国際海運由来の温室効果ガス排出規制、パリ協定、そして気候変動問題に取り組む国際法の課題を学びます。
第11回 人権は国境を越えるか
国際人権法の展開、国際人権法の理論、人権条約の仕組み、および日本の向き合い方を学びます。
第12回 戦争犯罪の処罰はどのように行われるのか?
戦争犯罪とは何か?、テロリストはどのように裁かれるのか?、国際刑事裁判所は悪い人を裁いてくれる正義の味方なのか?、およびICCから逮捕状が出されたらどうなるのか?を学びます。
第13回 国際法上の紛争はどのように解決されているのか?
戦争の違法化と国際紛争の平和的解決義務、紛争解決手段、ICJの制度と手続、および国連海洋法条約の紛争解決手続を学びます。
第14回 国際社会の平和はどのように維持されているのか?
戦争の違法化および安全保障の組織化を学びます。
第15回 「戦争」にもルールがあるのか?
自衛権、武力紛争法、および中立法を学びます。
授業外学習の課題 ・授業外の学修は60時間行って下さい。
事前学習(1時間半)は、各回に対応するテキスト、および指定された配付資料がある場合はその資料をざっと読み、重要と思う点や分からない部分を明らかにしておいて下さい。
事後学習(2時間半)は、授業中の説明を元に教科書を読み返し、重要な用語等を暗記するほか、図表などを用いて知識を整理して下さい。重要な用語や制度を自らの言葉で説明できるようにしておいて下さい。
履修上の注意事項 ・この授業は講義形式が中心です。
・補講など授業に関する質問は授業で行ってください。授業に出席せずに、教学センターなどに問い合わせるなどの行動は厳に慎んで下さい。
・遅刻、私語、および途中退室などは行わない等、他の履修生の邪魔になる行為は厳に謹んで下さい。
・単位は学習時間を元にして付与されるものです。複数回の注意にも関わらず、授業中に居眠り・スマートフォンなどの使用をした者には単位を付与しませんし、カードリーダー等で出席を偽った者にも単位は付与しません。
・法律学の学習は語学の学習に例えられることがあります。語学において単語の暗記なしには文章が読めないように、法律(国際法)の学習においても、基本的な概念・用語は暗記しなくてはなりません。そのような努力を前提として授業は行われます。

・期末試験時の公認欠席の扱いは、大学のルールにしたがって対応します。それ以外の授業の欠席の場合は、課されたレポート(代替措置)を提出した場合に、3回まで授業に出席した場合と同様に扱います(ガイダンスで詳しく説明します)。
・ガイダンスに必ず出席して下さい。やむを得ず欠席した者のために、ガイダンスの資料はmoodle上にアップロードします。
成績評価の方法・基準 期末テスト(100%)を基礎として総合的に評価します(ほかに履修上の注意事項への違反や授業への参加度や質問など学習への積極性を考慮することがあります)。
テキスト 佐藤哲夫ほか編『18歳から分かる国際法』(法律文化社、2025年)
※テキストとは別に『国際条約集』(出版社を問わない)を授業に持参して下さい(初回授業で説明しますので、それを待って購入して下さい)。
※必要に応じて、補助資料を配布します。
参考文献 杉原高嶺・酒井啓亘編『国際法基本判例 50』(第2版、三省堂、2014)など授業内において適宜紹介します
主な関連科目 外国法、国際人権論など
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・オフィスアワーまたは授業前後に質問を受けます。気軽に質問して下さい。
・期末テストに関しては、試験終了後にMoodleなどを使用して解答・講評を配布します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(基本科目) 31200 2024~2025 2・3・4 - - -