授業コード 30028400 単位数 2
科目名 比較法 クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 柳生 一成 配当年次 *下表参考

授業の題目 比較法入門 (An Introduction to the Comparative Law)
学修の概要  本授業は主にスライドを使った講義形式によって、比較法の概要を扱います。

 比較法的な考え方は、意識せずとも民法などの法律科目で学ぶ解釈論を身に着ける過程で行ってきたはずです。

 この授業の狙いは、そのような比較法的な考察を理論的に整理して、比較法の考え方を磨き、ひいては日本法を学ぶ視座の一つを確固たるものとすることです。
学修の到達目標 本授業を受けることによって、
①比較法の概要が分かるようになる、
②外国法と日本法を比較することによって、日本法に対するより深い洞察と理解を得る、
ことが目標です。
授業計画 第1回 ガイダンス
授業の進め方、学習の仕方、その他成績評価の方法等を説明します。
※各回の内容は、学生の関心等に応じて若干変更することがあります。
第2回 比較法の意義
比較法とは何か?や他の科目との関係などを学びます。
第3回 比較法の歴史①(欧米諸国における発展)
おもにヨーロッパにおいて比較法という学問領域が確立・発展した歴史を学びます。
第4回 比較法の歴史②(日本における発展)
おもに戦前から戦後にかけての時期に焦点をあて、日本において比較法研究が確立・発展した歴史を学びます。
第5回 法学教育と比較法・法の解釈における比較法
法学教育における比較法の有用性(ひいてはこの授業の意義)を簡単に確認した後、法の解釈を行う際の比較法の手法や意義等を考察します。
第6回 立法における比較法
ある国が立法を行う際における比較法の機能や意義について考察します。
第7回 これまでの内容に関する事例・小テスト
比較法に基づいて行われた法の解釈や立法の実例を学びます。
※小テストを課題に変更した場合、課題の内容を講評しつつ、学生とディスカッションすることを行います。
第8回 法の継受と比較法
ある国が他国の法を受け入れる「法の継受」を比較法の観点から整理します。
第9回 法系論①法系論とは何か?
世界各国の方をいくつかのグループに分ける法系論の考え方や、それを学ぶ意義を学びます。
第10回 法系論②大陸法と英米法
西欧法文化の特色を確認した後、大陸法と英米法それぞれの特徴と相違点を見ます。
第11回 法系論③東ヨーロッパ法
ソヴィエト(現ロシア)などの社会主義体制をとっていた国家の法は法系論上どのように扱われるのか、そして多くの国家で社会主義体制が崩壊するにつれて、社会主義法はどのように把握されるべきかを考えます。
第12回 法系論④東アジア法・法系論の問題点
日本が位置する東アジアは法系論においてどのように位置づけられているかを学んだ後、法系論のまとめとして法系論の考え方に対する批判等を見ていきます。
第13回 法の統一と比較法①国際法と比較法
国際条約が締結され、それを条約加盟国が実施されることにより、各国法の統一が図られることがあります。そのような場面等において比較法が果たす役割等を考察します。
第14回 法の統一と比較法②EU法と比較法
欧州においては、EUへの加盟国が増加し、EUが立法を行うことにより、加盟国間の法が「調和」される現象が起きています。これに対する比較法の意義などを考察します。
第15回 総括
これまでの復習をしつつ、それまでの授業で時間の都合上扱えなかったテーマや質問を補足的に扱います。
授業外学習の課題 ・事前学習(2時間程度)として教科書の該当範囲をざっと読み、分からない部分を見つけておいて下さい。また、指定された資料がある場合は、その資料を読んでおいて下さい。
・事後学習(2時間程度)においては、教科書やノートを読み返し、重要な用語や制度を説明できるようにして下さい。
・上記の授業外の学修は合計で60時間行って下さい。
履修上の注意事項 ・法学に関する科目の勉強は英語や数学の学習と似ていると言われます。英語や数学で最低限の単語や公式を暗記し、それを使えるようにならなければならないように、法学においても最低限の重要な単語などは覚えなくてはなりません。そのような地道な努力ができる履修生を歓迎します。
・遅刻・途中退室や私語をしないなど、授業を受ける上での最低限のマナーは必ず守って下さい。
・教員の注意に従わない場合、学籍番号・氏名を控えた上で、教室からの退室を求めることがあります。
・出席したかのようにカードリーダーに学生証を読み込せて授業に参加しない、授業を聞かずにスマートフォンなどをいじっているなど、学修時間を不正に水増しした者に関しては単位を付与できません。
・初回のガイダンスには必ず出席し、授業について注意事項をしっかりと把握して下さい。
・試験に関する公認欠席の取扱いは大学のルールに準じます。
・公認欠席については、配付資料は補助的なものであり、なくても授業の内容を把握できるため、特に対応しません。ただ、参考文献のどこを読めばよいかや欠席授業に関する質問には優先的に対応します。欠席回数にカウントします。
成績評価の方法・基準 小テスト(40%)・期末試験(60%)を基礎として、総合的に評価します。
ただし、欠席回数が全授業の1/3を超えた者には単位を付与できません。
※履修者数が15人を下回った場合、小テストおよび期末試験を課題(レポート形式)に変更する可能性があります。その場合、成績評価は課題(100%)を基に総合的に評価することになります
テキスト 使用しません。補助的に資料を配布する可能性があります。
参考文献 五十嵐清(著)、曽野裕夫・鈴木賢(補訂)『比較法ハンドブック』(第3版、勁草書房、2019)ISBN:978-4326451142 (¥3,520 税込)など、適宜紹介します。
主な関連科目 外国法
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問は授業前後の時間・オフィスアワーに受け付けます。
期末試験の解答または課題の講評はMoodleにアップロードします(予定)。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(国際関係法) 2016~2016 2・3・4 - - - - -
法学部法律学科(国際関係法) FLLA20303 2018~2022 2・3・4 - - - - -
法学部法律学科(国際関係法) FLLA20303 2023~2023 2・3・4 - -