授業コード 30000600 単位数 2
科目名 日本法制史Ⅱ クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 三阪 佳弘 配当年次 *下表参考

授業の題目 日本近代の司法制度の成立と展開
学修の概要 明治期に成立した日本近代法を運用する司法組織とその担い手、そして、訴訟制度が実際にどのように運営されてきたのか、を中心に講義する。司法制度といういわば法の運用面から日本近代法を見ることで、西欧から継受した法制度が、日本社会にどのように定着したのか(あるいはしなかったのか)を学ぶ。そして、戦前の日本の司法制度が抱えていた問題が、現在において果たして克服できているのかという、現在を批判的に見る歴史的視座を涵養する。
学修の到達目標 1.実定法学を支え・発展させる基礎法学の知識を身につけることができる。
2.司法制度の意義を歴史的流れの中で理解できる。
3.現代社会に対する複眼的な思考を身につけることができる。
授業計画 第1回 裁判によって権利が救済されるという観念は、日本の伝統社会(前近代社会)において存在したのか?
第2回 独立した司法という観念は、西欧においてなぜ重視されるようになったのか?
第3回 独立した司法という観念は、日本の伝統社会(前近代社会)において存在したのか?
第4回 明治以降の近代化された司法制度のもとで、裁判官の独立は十分保障されたのか?
第5回 戦後司法制度改革は、戦前の脆弱な裁判官の独立のあり方を改め、独立性を強化することができたか?
第6回 どの国でも刑事裁判を行う法廷は同じ形なのか?ーー糺問主義と弾劾主義の歴史的起源
第7回 江戸時代の刑事手続では、なぜ自白が重視されたのか?
第8回 明治以降、江戸時代の自白重視の刑事手続は克服されたのか?
第9回 1923年になぜ陪審法が制定され、刑事裁判への国民の参加が実現したのか?
第10回 戦後の刑事訴訟法改正によって、自白重視の刑事手続は解消されたのか?
第11回 江戸時代の民事紛争解決において、なぜ判決によって権利の有無を判定せず、話し合い(当時の言葉では内済と呼ぶ)による解決を好んだのか?
第12回 明治以降の日本で、民事紛争解決において、話し合いによる解決が好まれたのか?
第13回 大正・昭和戦前期の日本で、民事紛争解決において、なぜ判決手続が敬遠され、調停制度が重用されたのか?
第14回 江戸時代、人びとが裁判を利用する際に、だれによってサポートしてもらったのか?--弁護士の前身としての公事師・公事宿
第15回 明治以降、人びとが裁判を利用する際に、だれによってサポートしてもらったのか?--1890年弁護士法による弁護士制度とその限界
授業外学習の課題 法律学だけでなく、日本史や世界史の理解があると興味が湧くと思います。歴史書を読み、歴史に対する知識と感覚を養ってください。
授業前に講義資料を熟読し、授業終了後に、講義資料を読み直す手助けとなる簡単な確認テスト(moodleで実施)を行ってください(受験しなければ、平常点を得られなくなりますので注意して下さい)。
以上を含めた講義前後の授業外学習は4時間を目安としています。
履修上の注意事項 講義中のおしゃべりは禁止します。
講義の進行度合いに合わせて、授業の内容は変更する場合があります。注意してください。
当該回の講義資料は必ずmoodleで入手して授業に臨んでください。復習テストもmoodleを通じて行いますので、期限内に受験してください。
通常の欠席あるいは公欠の場合に関係なく、授業資料はmoodleを通じて入手できます。
成績評価の方法・基準 平常点(20点)と期末試験(80点)で評価します。
なお、平常点は、「授業外学習の課題」で記載した確認テスト(moodleで実施)への期限内での参加によって評価します。レジュメを読み返しながら、必ず期間内にこのテストで講義内容を復習して下さい。受験しなければ、平常点を得られなくなりますので注意して下さい。
テキスト
参考文献 川口由彦『日本近代法制史(第2版)』(新世社)
山中永之佑編『新・日本近代法論』(法律文化社)
山中永之佑監修『日本現代法史論-近代から現代へ-』(法律文化社)
伊藤孝夫『日本近代法史講義』(有斐閣)等
主な関連科目 日本法制史Ⅰ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業終了時に対応します。そのほか、説明に時間を要したりややこみいった質問・相談に対しては、研究室で随時対応します。この場合は事前にアポイントメントをとってください。メールでも対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(発展科目) 31300 2024~2025 2・3・4 - -