授業コード | 24017100 | 単位数 | 2 |
科目名 | 現代社会学特殊講義A(セクシュアリティをめぐる差別と抵抗の社会学) | クラス | |
履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 眞野 豊 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | セクシュアリティをめぐる差別と抵抗の社会学 |
学修の概要 | 今日の日本では、同性パートナーシップ制度を導入する自治体が増えたり、2023年には「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」ができたりするなど、セクシュアリティの多様性を踏まえて社会は変化してきているように思われる。しかし他方では、現在でも同性同士のカップルには婚姻が認められていなし、学校現場ではセクシュアリティを理由としたいじめやからかいが行われている。にもかかわらず文部科学省は、学習指導要領の異性愛前提をそのままにしている。また、トランスジェンダーは就労その他の様々な場面において困難を体験している。このように現在の日本の社会には、性的マイノリティを排除しようとする構造的な差別が確実に存在しているのも事実である。 本講義では、「セクシュアリティをめぐる差別」という視点で日本の社会や学校が抱える問題を考察していく。その際、ゲイ・スタディーズやクィア・スタディーズの先行研究を手掛かりに、性的マイノリティが差別とどのように闘ってきたのかを概観し、セクシュアリティを理由とした差別に抵抗するにはどうしたらよいのかについて考えていく。 |
学修の到達目標 | ①セクシュアリティを理由とした差別とは何かを理解し、差別の原因を説明することができる。 ②セクシュアリティをめぐる差別の構造を社会学的に分析し、説明することができる。 ③自らの政治性を問題化し、問題解決の方法を考えることができる。 |
授業計画 | 第1回 | ガイダンス:セクシュアリティを理由とした差別とは何かを理解する。 |
第2回 | セクシュアリティと歴史:セクシュアリティめぐる差別と抵抗の歴史を概観する。 | |
第3回 | ホモフォビアとヘテロセクシズム:性的マイノリティを排除する同性愛嫌悪や異性愛至上主義について理解する。 | |
第4回 | ホモソーシャリティと暴力:男性中心の社会が女性や性的マイノリティを排除するメカニズムを理解する。 | |
第5回 | ホモフォビアとポストコロニアリズム:ポストコロニアリズムの理論を手掛かりに、同性愛嫌悪の内面化という現象について理解する。 | |
第6回 | 映画で学ぶ差別と抵抗のポリティクス:セクシュアリティを理由とした差別に関する映画を視聴して、ディスカッションする。 | |
第7回 | クローゼットの空間とホモフォビア:クローゼットの空間の性質を理解する。 | |
第8回 | カミングアウトをめぐるポリティクス:カミングアウトの政治性が時代とともにどのように変化してきたのかを理解する。 | |
第9回 | 同性愛嫌悪の内面化と克服:当事者の語りをもとに、同性愛嫌悪の内面化と克服について理解する。 | |
第10回 | HIVと差別:HIVをめぐる差別との闘いの歴史を理解する。 | |
第11回 | 差別の言葉をめぐる政治:クィアや「オカマ」などを取りあげて「差別の言葉」とは何か考える。 | |
第12回 | LGBTブームの光と影:ネオリベラリズムが性的マイノリティにもたらす影響について考える。 | |
第13回 | 差別への抵抗としてのクィア・アート:アートとクィアの親和性を理解するとともに、表現の自由と規制について考える。 | |
第14回 | 性的マイノリティと「家族」:パートナーシップ制度や同性婚の現状と課題について理解する。 | |
第15回 | 講義のまとめ:これまでの講義を振り返り、整理する。 |
授業外学習の課題 | 事前学習2時間、事後学習2時間が必要です。また、指示された課題に取り組んでください。 |
履修上の注意事項 | ・授業中の発言や授業への積極的な態度は成績評価に加えるので、授業では積極的に議論に参加し、質問や意見を積極的に発言すること。私語など学習の妨げとなる言動は、減点の対象とするので留意してほしい。なお、授業では「性」に関する事象を取り上げるので、理解した上で受講すること。 ・公認欠席は、資料配付等の配慮は行いますが、欠席扱いとなります。 |
成績評価の方法・基準 | 授業中に課す課題(30%)及び最終課題(70%)により評価するが、授業中の発言等も適宜評価に加える。 |
テキスト | レジュメを配布します。 |
参考文献 | 眞野豊 2020年『多様な性の視点でつくる学校教育-セクシュアリティによる差別をなくすための学びへ』松籟社 |
主な関連科目 | クィア・スタディーズ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問はできる限り授業中にしてください。授業中に質問できなかった場合は、メール(ymano@naruto-u.ac.jp)でも対応します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | - | 2017~2023 | 1・2・3・4 | - | - | - | - | - |