授業コード 24009000 単位数 2
科目名 消費社会論演習(モード/ファッション/トレンド/ブーム) クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 中根 光敏 配当年次 *下表参考

授業の題目 流行現象をめぐる社会学
学修の概要  本演習では、流行現象を社会学的な視角から捉え、現代社会における流行現象を考察していく。「モード/ファッション/トレンド/ブーム」という4つの言葉は、いずれも「流行」を意味する日本語として定着している一般的なカテゴリーであるにも関わらず、4つの言葉は微妙なニュアンスで使い分けられている。例えば、モードは方法・様式・形式を、ファッションは装い・見せかけを、トレンドは趨勢・傾向を、ブームは爆発・構造を、それぞれ使い分けられることがあります。演習では、これらの4つの一般的なカテゴリーを手掛かりとして、現実の流行現象を「集合行動」「相互行為」「共同的主観性」「ディスタンクシオン(卓越化)」「ハビトゥス」など社会学の分析概念より理解する方法について、議論していきます。また、「流行には関心が無い」「流行とは無関係」と言う「無知な人々」を含めて、市場経済が支配する消費主義化が浸透した現代社会において「流行と無関係で生活することは不可能」であり、流行現象を理解しようとする社会学的視角からは、新型コロナウイルスに感染しても「重篤化する/無症状」者がいるのと同様に、「知識/無知」「自覚/無自覚」などの人々が存在するだけで、誰も「流行の力から逃れられない」という現実の社会について考えていく。
※ブレンド型授業を実施します。
PowerPointの2019版がインストールして動作するパソコンで講義を視聴する必要があります。詳細は、教学センターへ問い合わせなさい。
学修の到達目標 流行現象を社会学的に説明できるようになる
授業計画 第1回 イントロダクション
演習の進め方を理解する
第2回 流行現象の社会学——滴り理論、集合的差別化、差異化、ナルシシズム、卓越化
流行を理解する社会学的視角を理解する
第3回 モードとは——方法・様式・形式
モードの基礎を理解する
第4回 モードの力——ロラン・バルト『モードの体系』
モードの社会的力を理解する
第5回 モードにとって、その破壊力の強さこそ創造力の源となる
モードの破壊力を社会学的に理解する
第6回 ファッションとは——人はなぜ衣服を選ぶのか
ファッションの社会学の基礎を理解する
第7回 ファッションの生成条件——保守性(ダサい人たち)と革新性(変人たち)(オンデマンド)
ファッションの生成条件を理解する
第8回 トレンドとは——集合行動と流行現象
トレンドの社会学的に理解する
第9回 ブームとは——流行現象に認められる爆発的・構造的特徴
ブームを社会学的に理解する
第10回 ファッションと戦争——「いのちがけ」の戦場から生まれたモード
ファッションの戦場を社会学的に理解する
第11回 ファッションとアイデンティティ※ブレンド型授業を実施します。(オンデマンド)
——人は見た目が何割か? 「どっちが残酷?/ルッキズム(外見至上主義)orパーソナリズム(内面至上主義)?」という不適切な問題設定。
第12回 服を「着熟す」/服に「着られる」——高級ブランドを身につけてもor身につけているからこそ……(T_T)ハビトゥスとディスタンクシオン
ディスタンクシオンを理解する
第13回 トレンドに「乗る」or「乗らない」or「乗れない」……さぁ、どっち
流行に選択肢がないことを理解する
第14回 ブームを巻き起こす/ブームに巻き込まれる——共感消費から考える
消費社会の現代的課題を理解する
第15回 総括討論
ファッション/トレンド/ブームから消費社会を理解する
授業外学習の課題 受講生は、毎回、指示された課題レポートをMoodleに提出すること。
「事前学習2時間、事後学習2時間が必要です」
履修上の注意事項 (1)期末試験は行わない。
(2)公認欠席は欠席として扱う。講義中配布した資料は配付する。

ブレンド型授業を実施します。
使用するソフトは、PowerPointですが、教材を視聴するためにPowerPointの最新バージョンを情報センターの指示に従って入手し、パソコンにインストールしておく必要があります。スマートフォンでは教材を視聴できません。詳細は教学センターへ問い合わせなさい。
また、オンデマンド講義の課題はMoodleに書き込むことになります。
成績評価の方法・基準 演習における議論への参加度と課題レポートを100点満点として総合的に評価する。
テキスト 貞包英之 『消費社会を問いなおす』 ちくま新書
参考文献 ジクムント・バウマン『新しい貧困――労働、消費主義、ニュープア』青土社
アラン・ブライマン『ディズニー化する社会――文化・消費・労働のグローバリゼーション』明石書店
ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオンⅠ・Ⅱ』藤原書店
ジョージ・リッツァ『消費社会の魔術的体系』明石書店
ジョージ・リッツァ『無のグローバル化――拡大する消費社会と「存在」の喪失』明石書店
中根光敏『珈琲飲み』洛北出版
中根光敏ほか『グローバル化と文化変容』いなほ書房
中根光敏ほか『グローバル化の進行とローカル文化の行方』いなほ書房
中根光敏ほか『グローバル化と生活世界の変容』いなほ書房
田中慶子・中根光敏『社会学する原動力』松籟社
講義中に適宜指示する
主な関連科目 産業社会学演習、現代社会論演習A、現代社会論演習B
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
毎授業後、メールでも受け付ける。
添付ファイル 2025講義ルーブリック.pdf 説明 ルーブリック

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部社会学科(専門演習科目) 24400 2024~2025 2・3・4 - -