授業コード 24008500 単位数 2
科目名 性現象論演習(セクシュアリティと文化) クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 河口 和也 配当年次 *下表参考

授業の題目 セクシュアリティと文化 Sexualities and cultures
学修の概要 「セクシュアリティの社会学」は、社会学の領域のなかでジェンダー/セクシュアリティを考察する学問分野です。歴史的には、セクソロジー研究や「病理」としての同性愛研究にさかのぼることもできますが、一般的にはフェミニズムやジェンダー論の影響を受けつつ、レズビアン/ゲイ・スタディーズの研究蓄積や枠組みを取り入れながら、既存の社会学の方法論を批判的に問い直す指向性も有しています。
 この演習では、セクシュアリティという分析視角をとおして、社会のなかで生み出される文化的実践を取り上げながら、セクシュアリティがいかに可視化され、社会に流通し、また消費されていくかを考察します。
学修の到達目標 1.セクシュアリティに関する基本的な理論と概念を理解することができる。
2.文化がセクシュアリティをどのように構築し、表現しているかを批判的に分析するすることができる。
3.セクシュアリティに関する多様な視点を尊重し、議論する力を養うことができる。
授業計画 第1回 イントロダクション
演習授業の進め方を理解する。
第2回 セクシュアリティの社会的構築論
ジェンダーとセクシュアリティの構築主義的アプローチについて理解する。
第3回 セクシュアリティと文化表現の歴史
近代以前のセクシュアリティの表象について理解する。
第4回 メディアとセクシュアリティ【オンデマンド授業】
メディアがセクシュアリティをどのように表象するかについて理解する。
第5回 ポップカルチャーとクィア理論
ポップカルチャーにおけるクィア表象について分析・考察する。
第6回 身体と欲望の文化
文化において身体規範や美の基準がいかに構築されるかを理解する。
第7回 セクシュアリティと宗教
宗教がセクシュアリティにいかにかかわり、また規定するかについて理解する。
第8回 セクシュアリティと権力関係
権力作用と支配という視点からセクシュアリティを分析・考察する。
第9回 セクシュアリティと労働
性産業とその文化的意味について理解する。
第10回 LGBTQ+の歴史と運動
LGBTQ+運動の歴史的展開をめぐって日本と世界の比較分析を行い、グローバルな社会運動の展開について理解する。
第11回 異性愛規範と社会構造
異性愛規範(ヘテロノーマティヴィティ)の事例を批判的に考察する。
第12回 セクシュアリティと家族
近代家族構造とセクシュアリティの関係について理解する。
第13回 セクシュアリティとグローバル化【オンデマンド授業】
グローバル文化とセクシュアリティの相互作用や相互関連性について理解する。
第14回 セクシュアリティと未来の展望
テクノロジーとセクシュアリティの関係を理解し、未来のセクシュアリティの行方を考える。
第15回 総括と課題説明
これまでの演習授業のまとめと演習課題について説明する。
授業外学習の課題 事前学修(2時間程度):毎講義の最後に次回の講義テーマを発表するので、各自でできる限り調べて予備知識を集めておき、関係する事柄について調べておくこと
事後学修(2時間程度):講義中にわからなかった用語については、次回までに各自で調べること

講義のなかで読むことを求められた文献は必ず事前に読んで理解するようにしてください。また、授業に関連した小レポートなどを課すことがありますので、準備を怠らないようにしてください。

指示された参考文献や資料などは必ず事前に読んでおいてください。読んであるものとみなして授業をします。
履修上の注意事項 ※本講義で使用する資料等は、Moodleにてダウンロードできるようにします。

提出物やレポートなどは必ず指定された期限内に提出すること。
授業用の配布資料や課題などは、Moodleに掲載することがありますので、確認してください。
小テストやプレゼンテーション時に公認欠席となる場合、追試や代替措置で対応します。


ブレンド型授業を実施します(Moodle使用)
成績評価の方法・基準 授業における報告、議論などにおける参加の積極性、平常の研究態度(50%)および期末に課す提出レポート(50%)によって総合的に評価する。欠席は減点することがある。
テキスト 授業の中で、適宜指示します。
参考文献 風間孝・河口和也 2010 『同性愛と異性愛』 岩波書店
風間孝・河口和也・守如子・赤枝香奈子 2018 『教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ』法律文化社
菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編 2019 『クィア・スタディーズをひらく1 アイデンティティ、コミュニティ、スペース』 晃洋書房
菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編 2022 『クィア・スタディーズをひらく2 結婚、家族、労働』 晃洋書房

小山静子・赤枝香奈子・今田絵里香編 2014 『セクシュアリティの戦後史』 京都大学学術出版会
前川直哉 2011 『男の絆―明治の学生からボーイズ・ラブまで―』 筑摩書房
前川直哉 2017 『<男性同性愛者>の社会史―アイデンティティの受容/クローゼットへの解放―』 作品社
砂川秀樹 2015 『新宿二丁目の文化人類学―ゲイ・コミュニティから都市をまなざす―』 太郎次郎社
主な関連科目 クィア・スタディーズ演習/クィア・スタディーズ/性現象論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業中はもちろんのこと、オフィスアワーにも質問や相談対応の時間を設けます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34325 2017~2023 2・3・4 - - - - -
人文学部社会学科(専門演習科目) 24400 2024~2025 2・3・4 - -