授業コード | 24008300 | 単位数 | 2 |
科目名 | 親密性の社会学演習(親密性とセクシュアリティ) | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 河口 和也 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 親密性とセクシュアリティ Intimacies and sexualities |
学修の概要 | 「家族」を研究対象とする社会学の一領域としては、「家族社会学」がありますが、現在の家族をめぐる状況の変化・変容に対して、従来の「家族」という概念で分析することは難しくなってきています。そうした問題に対するオルターナティヴとして、「親密性」「親密圏」という概念が提案されるようになってきました。この用語・概念をめぐっては、様々な定義が与えられてきましたが、この演習ではそうした諸定義と諸理論を整理しつつ、「親密性」「親密圏」の概念をとおして、公的領域以外における様々な関係性を扱います。そのなかには家族関係、友人関係、恋愛関係などが含まれます。 とくにこの演習においては、これまでの典型的な異性愛核家族には含まれない「家族」のあり方を、「親密性」という枠組みにセクシュアリティという概念を重ね合わせて考察していきます。 |
学修の到達目標 | 1.親密性におけるセクシュアリティの視点を理解することができるようになる。 2.親密性による社会関係がセクシュアリティの領域といかに関連しているかを知ることができるようになる。 3.学生同士のディスカッションを通じて、学問的理解を深める。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション 演習授業の進め方を理解する。 |
第2回 | 親密性の社会学的視点 親密性の歴史的・文化的変遷と社会学における親密性の理論について理解する。 |
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第3回 | セクシュアリティの社会的構築 セクシュアリティの歴史と社会的構築について理解する。 |
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第4回 | ジェンダーと親密性 ジェンダー規範と親密性の関係について理解する。 |
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第5回 | 家族の多様性と親密性 家族の定義と変化を理解し、同性婚、養子縁組、選択的家族の事例分析に関して考察する。 |
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第6回 | ロマンスと恋愛の文化【オンデマンド授業】 恋愛の社会的意味と恋愛におけるメディアの影響を分析・考察する。 |
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第7回 | 性愛の政治学 セクシュアリティにおける政治性を理解する。 |
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第8回 | セクシュアリティと公共空間 公共空間におけるセクシュアリティの表現と制限およびクィア・スペースとヘテロノーマティヴィティについて理解する。 |
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第9回 | テクノロジーと親密性 デジタル時代の親密性とテクノロジーがもたらすセクシュアリティの変容について理解する。 |
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第10回 | メディアにおける親密性とセクシュアリティの表象 映画・ドラマ・広告におけるセクシュアリティの表現を分析・考察する。 |
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第11回 | 親密性と階級・エスニシティ 階級やエスニシティが親密性に与える影響について分析・考察する。 |
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第12回 | セクシュアルマイノリティと親密性 LGBTQ+コミュニティにおける親密性の実践について理解する。 |
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第13回 | セクシュアリティと社会政策【オンデマンド授業】 性教育、婚姻制度、労働政策などの社会政策が親密性に及ぼす影響について理解する。 |
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第14回 | 親密性とセクシュアリティの未来 親密性とセクシュアリティの未来について考察する。 |
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第15回 | 総括と課題説明 これまでの演習授業についてのまとめと課題について説明する。 |
授業外学習の課題 | 事前学修(2時間程度):毎講義の最後に次回の講義テーマを発表するので、各自でできる限り調べて予備知識を集めておき、関係する事柄について調べておくこと 事後学修(2時間程度):講義中にわからなかった用語については、次回までに各自で調べること 講義のなかで読むことを求められた文献は必ず事前に読んで理解するようにしてください。また、授業に関連した小レポートなどを課すことがありますので、準備を怠らないようにしてください。 指示された参考文献や資料などは必ず事前に読んでおいてください。読んであるものとみなして授業をします。 |
履修上の注意事項 | ※本講義で使用する資料等は、Moodleにてダウンロードできるようにします。 提出物やレポートなどは必ず指定された期限内に提出すること。 授業用の配布資料や課題などは、Moodleに掲載することがありますので、確認してください。 小テストやプレゼンテーション時に公認欠席となる場合、追試や代替措置で対応します。 ブレンド型授業を実施します(Moodle使用) |
成績評価の方法・基準 | 授業中の発表やグループ作業等における積極性(50%)、学期末に課すレポート(50%)を総合して評価する。欠席は減点にすることもある。 |
テキスト | 授業のなかで適宜指示する。 |
参考文献 | 阿部 天・荒木 晃子他 2022 『LGBTQの家族形成支援―生殖補助医療・養子&里親による』信山社 赤川学 2017 『これが答えだ!少子化問題』 筑摩書房 荒川和久 2017 『超ソロ社会―「独身大国・日本」の衝撃』 浅野素女 2014 『同性婚、あなたは賛成?反対? フランスのメディアから考える』パド・ウィメンズ・オフィス Leo Bersani & Adam Phillips, 2008 Intimacies. The University of Chicago Press. (=檜垣立哉・宮澤由歌訳 2012『親密性』 洛北出版) Brake, Elizabeth, 2012 Minimizing Marriage: Marriage, Morality, and the Law. Oxford University Press. (=久保田裕之監訳・羽生有希・藤間公太・本多真隆・佐藤美和・松田和樹・阪井裕一郎訳 2019 『最小の結婚―結婚をめぐる法と道徳―』 白澤社) Chambers, Deborah 2006 New Social Ties: Contemporary Connections in a Fragmented Society. Palgrave Macmillan. (デボラ・チェンバース著 辻大介+久保田裕之+東園子+藤田智博 訳 2015『友情化する社会―断片化のなかの新たな<つながり>』岩波書店) チョウンシー、ジョージ(上杉富之・村上隆則 訳)2006 『同性婚―ゲイの権利をめぐるアメリカ現代史』 明石書店 藤森克彦 2017 『単身急増社会の希望―支え合う社会を構築するために』日本経済新聞出版社 |
主な関連科目 | 親密性の社会学演習(家族と表象をめぐるジェンダー) |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問や相談等については、授業中でも、授業終了時でも受け付けますので、遠慮なく申し出てください。また、オフィスアワーを設けますので、そのときに研究室に訪問してくださってもけっこうです。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) | FHHS34323 | 2017~2023 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部社会学科(専門演習科目) | 24400 | 2024~2025 | 2・3・4 | - | ○ | - | ○ | ○ |