授業コード 24008100 単位数 2
科目名 親密性の社会学演習(家族と表象をめぐるジェンダー) クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 河口 和也 配当年次 *下表参考

授業の題目 家族と表象をめぐるジェンダー Gender around families and representation
学修の概要 「家族」を研究対象とする社会学の一領域としては、「家族社会学」がありますが、現在の家族をめぐる状況の変化・変容に対して、従来の「家族」という概念で分析することは難しくなってきています。そうした問題に対するオルターナティヴとして、「親密性」「親密圏」という概念が提案されるようになってきました。この用語・概念をめぐっては、様々な定義が与えられてきましたが、この演習ではそうした諸定義と諸理論を整理しつつ、「親密性」「親密圏」の概念をとおして、公的領域以外における様々な関係性を扱います。そのなかには家族関係、友人関係、恋愛関係などが含まれます。
 この演習では、家族関係が映画やドラマのなかでいかに表象され、それらが社会的に流通し、消費されていくのかという過程に焦点を当て、「家族」というユニットが社会的に変化していっているかを考察します。
学修の到達目標 1.家族を取り巻くジェンダー規範や表象の社会学的な視点を学び、説明できるようになる。
2.親密性や家族に関する社会理論を批判的に検討し、現代社会の具体例に適用することができるようになる。
3.学生同士のディスカッションを通じて、学問的理解を深める。
授業計画 第1回 イントロダクション
演習授業の進め方を理解する。
第2回 家族の歴史的変遷
近代家族の起源とその構造と家族の歴史的な多様性について理解する。
第3回 親密性の社会学理論
ギデンズ、ベック、イリッチらの親密性の社会理論を理解する。
第4回 ジェンダーと家族【オンデマンド授業】
家族におけるジェンダー役割の構築とフェミニズムにおける家族研究について考察する。
第5回 家族とメディア表象
映画やテレビドラマにおける家族の描写や親密性のメディア表象を分析・考察する。
第6回 多様な家族とメディア表象
LGBTQ+家族の表象を分析・考察する。
第7回 グローバル視点の家族とジェンダー
グローバルな文脈での家族の多様性を分析・考察する。
第8回 家族と労働
家族内労働とそのジェンダー的分業やケア労働に関して社会学的に分析・考察する。
第9回 親密性とテクノロジー
デジタルメディアと親密性の変容に関して分析・考察する。
第10回 家族と制度【オンデマンド授業】
結婚・パートナーシップの制度化や家族政策の社会的影響に関して分析・考察する。
第11回 非典型的家族の視点
シングルペアレント、非婚カップルなど多様な家族形態の可能性を考察する。
第12回 ジェンダーと子育て
子育てにおけるジェンダー役割に関して分析・考察する。
第13回 家族と移民
移民家族の直面する問題と可能性を考察する。
第14回 表象分析の実践
メディア作品や広告の分析方法を習得する。
第15回 総括と課題説明
これまでの演習授業のまとめと演習課題について説明する。
授業外学習の課題 事前学修(2時間程度):毎講義の最後に次回の講義テーマを発表するので、各自でできる限り調べて予備知識を集めておき、関係する事柄について調べておくこと
事後学修(2時間程度):講義中にわからなかった用語については、次回までに各自で調べること

講義のなかで読むことを求められた文献は必ず事前に読んで理解するようにしてください。また、授業に関連した小レポートなどを課すことがありますので、準備を怠らないようにしてください。

指示された参考文献や資料などは必ず事前に読んでおいてください。読んであるものとみなして授業をします。
履修上の注意事項 ※本講義で使用する資料等は、Moodleにてダウンロードできるようにします。

提出物やレポートなどは必ず指定された期限内に提出すること。
授業用の配布資料や課題などは、Moodleに掲載することがありますので、確認してください。
小テストやプレゼンテーション時に公認欠席となる場合、追試や代替措置で対応します。

ブレンド型授業を実施します。【Moodle使用】
成績評価の方法・基準 授業中の発表やグループ作業等における積極性(50%)、学期末に課すレポート(50%)を総合して評価する。欠席は減点することがある。
テキスト 授業のなかで適宜指示する。
参考文献 阿部 天・荒木 晃子他 2022 『LGBTQの家族形成支援―生殖補助医療・養子&里親による』信山社
赤川学 2017 『これが答えだ!少子化問題』 筑摩書房
荒川和久 2017 『超ソロ社会―「独身大国・日本」の衝撃』 

浅野素女 2014 『同性婚、あなたは賛成?反対? フランスのメディアから考える』パド・ウィメンズ・オフィス
Leo Bersani & Adam Phillips, 2008 Intimacies. The University of Chicago Press. (=檜垣立哉・宮澤由歌訳 2012『親密性』 洛北出版)
Brake, Elizabeth, 2012 Minimizing Marriage: Marriage, Morality, and the Law. Oxford University Press. (=久保田裕之監訳・羽生有希・藤間公太・本多真隆・佐藤美和・松田和樹・阪井裕一郎訳 2019 『最小の結婚―結婚をめぐる法と道徳―』 白澤社)
Chambers, Deborah 2006 New Social Ties: Contemporary Connections in a Fragmented Society. Palgrave Macmillan. (デボラ・チェンバース著 辻大介+久保田裕之+東園子+藤田智博 訳 2015『友情化する社会―断片化のなかの新たな<つながり>』岩波書店)
チョウンシー、ジョージ(上杉富之・村上隆則 訳)2006 『同性婚―ゲイの権利をめぐるアメリカ現代史』 明石書店
藤森克彦 2017 『単身急増社会の希望―支え合う社会を構築するために』日本経済新聞出版社
主な関連科目 親密性の社会学演習(親密性とセクシュアリティ)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問や相談等については、授業中でも、授業終了時でも受け付けますので、遠慮なく申し出てください。また、オフィスアワーを設けますので、そのときに研究室に訪問してくださってもけっこうです。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34323 2017~2023 2・3・4 - - - - -
人文学部社会学科(専門演習科目) 24400 2024~2025 2・3・4 - -