授業コード 24001400 単位数 2
科目名 カルチュラル・スタディーズ クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 野村 浩也 配当年次 *下表参考

授業の題目 「生きづらさ」を生き抜くための社会学的感受性入門
学修の概要  カルチュラル・スタディーズは、人種差別に抵抗する文化的闘争のなかで誕生した。音楽・映像・文学・思想等を通した文化的運動が、差別に対抗する手段として、きわめて重要な役割をはたしてきたことは、「文化を武器にする」ということばで表すことができる。特に、黒人文化においてその傾向は顕著であり、ステュアート・ホールという黒人研究者によって創始されたカルチュラル・スタディーズは、「運動する学問」「学問する運動」として発展してきたといえよう。よって、「文化」と「差別」がキーワードである。
 そして、日本国内で黒人と同様の「生きづらさ」に追い込まれてきたのが琉球人(沖縄人)である。本講義では、社会に埋め込まれた「生きづらさ」について、黒人の抵抗の文化と「青い海」以外の沖縄を構造的に分析し、「生きづらさ」を生き抜くための社会学的感受性を身につけることを目標としたい。
学修の到達目標 ①社会に埋め込まれた「生きづらさ」の原因について学び、構造的に説明できるようになる。
②自分自身も「生きづらさ」を生み出している当事者かもしれないということを自覚できるようになる。
③「生きづらさ」と闘うための社会学的な方法を考えることができるようになる。
授業計画 第1回 9/26  イントロダクションー黒人音楽におけるサンプリングと学問的方法の共通点
第2回 10/3  差別と闘う音楽: A Change Is Gonna Come
第3回 10/10  差別と選択: Anti-Racist Baby
第4回 10/17 黒人差別と公民権運動: Sister Rosa
第5回 10/24 差別と暴力: Mississippi Goddam
第6回 10/31 自由のためのディスカッション:To Be Young, Gifted And Black
第7回 11/7  インターセクショナリティと女性差別:***Flawless
第8回 11/14  女性差別の原因は男性である:I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free
第9回 11/21  差別を認識するための実践的基礎ー沖縄差別: This Is My Country
第10回 11/28  沖縄人は日本国のなかの黒人である: Babylon System
第11回 12/5  平等を前提してはならない: Backlash Blues
第12回 12/12  マジョリティとしての特権を認識するためのディスカッション: Old Jim Crow
第13回 12/19  逆差別は不可能である: We're A Winner
第14回 12/23㊗︎ 民主主義と市民的不服従: We Shall Not Be Moved
第15回 1/9   不知の自覚: Man In The Mirror
授業外学習の課題 ・事前学習(2時間程度):配布資料を精読すること。
・事後学習(2時間程度):配布資料と授業ノートを精読し、自分のリアクションペーパーを読み返すこと。その上で、可能であれば、考えたことを文章として書き残しておくこと。
履修上の注意事項 ・対面授業を実施する。
・毎回リアクションペーパーの提出を求める。リアクションペーパーは返却する。
・公認欠席時の資料は後日配付する。
・私語(デジタルのものも含む)は、他者の学問の自由を侵害するがゆえに厳禁。
・授業時間中のスマートフォン・携帯電話・パソコン・タブレット端末等デジタル機器の使用を禁止する。電源を切ってカバンの中にしまっておくこと(←川島 隆太『スマホはどこまで脳を壊すか』朝日新聞出版、2023年)。
成績評価の方法・基準 リアクション・ペーパー40%、期末レポート60%により総合的に評価する。
テキスト 授業時間中に配布する資料を「教科書」として精読すること。
参考文献 野村浩也, 2019, 『増補改訂版 無意識の植民地主義』松籟社
主な関連科目 文化社会学
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・授業時間中に質問の時間を設ける。
・リアクションペーパーによる質問には授業時間中に答える。
・リアクションペーパーを確認・評価して返却する。
・授業時間終了後は教室および研究室にて随時質問を受け付ける。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部社会学科(社会の諸領域に関する科目) 24300 2024~2025 2・3・4 - - -