授業コード 20095400 単位数 2
科目名 文芸翻訳演習 クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 市川 薫 配当年次 *下表参考

授業の題目 文芸翻訳演習 Translation of Literary Works
学修の概要  この授業は夏季休暇中の8月19日から22日までの4日間、一日4コマのスケジュールで行う短期集中授業です。暑い夏に、このようなスケジュールで、文学翻訳のエクソサイズに取り組むとなるとそれなりの「気合」が必要です。ただし、裏を返せば、充実したひと夏の経験ができることでもありますので、「言葉」に興味がある人はぜひ挑戦してみてください、。
 授業は基礎演習を初日に行い、残りの三日間は実践演習を行います。
 基礎演習では、比較的短い文章の翻訳を通して、翻訳(技法)上の基本ルールを学びます。
 実践演習では、基礎演習を踏まえたうえで実際に英語で書かれた短編小説を日本語に翻訳します。作品の概略を教室で確認し、そのあとの作業は図書館や情報センターで行なうことも容認します。
 シラバスの形式に従って15回分の授業計画を示しておきますが、これは一応の目安とお考えください。「集中講義」であることを生かして、フレクシブルな時間の使い方をする予定です。

 英文読解力やこれまでの読書体験を土台にして、場面、時、人物相互の関係など小説を構成する様々な要素に留意しながら原文を解釈し、それを的確な日本語に置き換える作業を通して英日それぞれの言語についての感性を磨くことをめざします。

 この授業では受講生一人ひとりの「主体的な取り組み」を何よりも重要視します。したがって、翻訳作業段階でのグループ学習は禁止としますし、また、翻訳ソフト等などを利用することも禁止します。これらは学習段階では皆さんの「成長する可能性」の芽を摘んでしまうからです。ここはぐっと我慢して自分の頭で考え、訳文をひねり出すことに集中することにしましょう。

 担当者のアドバイスやコメントも必要最小限にとどめたいと考えています。翻訳に解答はないことをしっかり心に刻み、とにかく自分の頭で考え、訳文をひねり出してください。
学修の到達目標 1. 文学作品の翻訳という作業を通して、英日それぞれの言語についての理解を深めること。
2. 文学作品の翻訳という作業を通して、作品を解釈する力を磨くこと。
3. 辞書、事典、文法書、などを適切に利用することができること。
 *これらをとおして、文学作品を味読する楽しさを知ること。
授業計画 第1回 イントロダクション+翻訳の際に「やっていいこと、わるいこと」
授業の進め方と評価法、(1)課題の提出方法、(2)参照すべき辞書・事典類、について詳しく説明する。
第2回 基礎演習(1):できるだけ原文の流れに沿って(頭から)訳せ!
第3回 基礎演習(2):代名詞に最大限の注意をせよ!
第4回 基礎演習(3):添削と解説 後半は実践演習第1課題の説明
第5回 実践演習第1課題(1):全体の読解(内容確認中心)及び翻訳作業
第6回 実践演習第1課題(2):1回目の訳文作成、提出、及び添削
第7回 実践演習第1課題(3):添削を踏まえて訳文修正⇒訳文完成提出
第8回 実践演習第1課題(4):訳文完成と解説
第9回 実践演習第2課題(1):全体の読解(内容確認中心)及び翻訳作業
第10回 実践演習第2課題(2):1回目の訳文作成、提出及び添削
第11回 実践演習第2課題(3):添削を踏まえて翻訳修正⇒訳文完成提出
第12回 実践演習第2課題(4):完成訳の添削と解説
第13回 実践演習第3課題(1):全体の読解(内容確認中心)及び翻訳作業
第14回 実践演習第3課題(2):1回目の訳文作成、提出、及び添削
第15回 実践演習第2課題(3):翻訳修正作業⇒訳文完成
集中講義なので、この時間帯の次に試験として完成原稿の添削と解説及び合評会を行う。
授業外学習の課題  集中講義なので授業外の課題に多くは求めないが、少なくとも当日の授業の反芻と翌日の課題の簡単な予習程度はしておくこと。なお、日本語の力を付けるために、日本の文学作品を何でもよいから片っ端から読むことを勧める。
履修上の注意事項  対面授業で行う。課題の文学作品を「翻訳」と呼べるレベルの日本語にすることが求められる。表面をなぞっているだけではとうていできないものばかりなので、集中して取り組むこと。
 課題の提出を義務付けるので、それをきちんと提出すること。もちろん、ただ提出すればよいものではない。たとえば、辞書や事典を調べれば簡単にわかることが「怠慢」によってできていないときは、添削の対象としない。もちろん、そういう提出物は大幅に減点する。また、知っている(と思い込んでいる)単語も、翻訳となるとその語義をしっかりと精査する必要があるので、これもまたこまめに辞書を調べること。とにかく「勤勉」に取り組むことが大切。なぜなら、翻訳とはまさにそのような作業だからだ。また、授業では、訳文(特に合評会)をめぐって受講生諸君の発言をもとめるので、その際には間違いをおそれず積極的に発言すること。なお、課題提出はメールを利用する。
 公認欠席を含め、欠席はいかなる事情があっても4回までとする。午前1時間目の授業の30分までの遅刻を1回のみ認める。また、公認欠席を含め、欠席はいかなる事情があっても4コマ相当分までとする。ただし、いずれの場合もすべての課題を提出していることが条件である。
 自己評価の観点として次の項目を参照してほしい。
(1)文構造を正確に把握できているかどうか
(2)単語・熟語の語義を文脈に応じて正確に理解できているかどうか。
(3)代名詞が何を指しているかが理解できており、かつ翻訳上適切な処理ができているかどうか。
(4)訳文が日本語表現として妥当かどうか。
(5)上記の4項目すべてについてじゅうぶんな調べごとができているかどうか。
成績評価の方法・基準 翻訳や文書作成に関するルールを守っているかどうか30%、以下の5項目を達成すべく相応の努力をしているかどうか70%。
(1)文構造を正確に把握できているかどうか
(2)単語・熟語の語義を文脈に応じて正確に理解できているかどうか。
(3)代名詞が何を指しているかが理解できており、かつ翻訳上適切な処理ができているかどうか。
(4)訳文が日本語表現として妥当かどうか。
(5)上記の4項目すべてについてじゅうぶんな調べごとができているかどうか。
午前1時間目の授業の30分までの遅刻を1回のみ認める。また、公認欠席を含め、欠席はいかなる事情があっても4コマ相当分までしか認めない。ただし、いずれの場合もすべての課題を提出していることが条件である。
テキスト 担当者がプリントを用意する。
参考文献欄にある指南書を読むことを強く求める
参考文献 『翻訳英文法』(安西徹雄著、バベル・プレス)
『英文翻訳術』(安西徹雄著 ちくま学芸文庫)
『翻訳エクササイズ』(金原瑞人、研究者)
『翻訳のおきて』(河野一郎、DHC)
『文芸翻訳教室』(越前敏弥、研究社)
『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』(越前敏弥、ディスカバー)
『翻訳の作法』(斎藤兆史、東京大学出版会)
『新編英和翻訳表現辞典』(中村保夫、研究社)
 このほか辞書、事典類は最初の授業の時に紹介する。
主な関連科目 文学関係の授業、Reading 、ゼミナール。
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
メールでコンタクトしてほしい。ichikawa@shudo-u.ac.jp

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部英語英文学科(通訳・翻訳プログラム) FHEN30405 2017~2022 3・4 - - - - -
人文学部英語英文学科(通訳・翻訳プログラム) FHEN30405 2023~2023 3・4 - -
人文学部英語英文学科(通訳・翻訳プログラム) 22300 2024~2025 3・4 - -