授業コード 20080500 単位数 2
科目名 地域社会学 クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 中道 豪一 配当年次 *下表参考

授業の題目 広島デルタ地帯の歴史・文化と現代とのつながり
-広島という地域はどういう場所なのか-
学修の概要 広島市中心部は、様々な評価を受けながら町として成長してきた。その成長の方向性を示す事例の一つが「水の都・城下町・軍都・国際平和文化都市」といった呼称だが、本講義は、そうした呼称の元になっている歴史的事実に触れ、広島という地域を再考する素材を習得する。そのために本講義は、大きく2つの枠組みを設ける。

1つは「広島を統治した人物(武田氏・毛利氏・福島氏・浅野氏)の事績」への注目である。特に広島修道大学とも関連の深い、広島藩歴代藩主(浅野氏)の事績を丁寧に扱い、知られざる広島の歩みに触れる。そしてもう1つが「厳島信仰・浄土真宗信仰・神楽」といった広島県域で大切にされてきた伝統文化である。

これらの素材を通し「広島デルタ地帯の歴史・文化と現代とのつながり」を指摘し、「広島という地域がどういった場所なのか?」を説明できるようにすることを目的とする。
学修の到達目標 ①歴代の統治者たちの事績を理解でき、説明することができる。
②厳島信仰・浄土真宗信仰・神楽の概要を理解し、説明することができる。
③広島市内中心部という地域について、上記①②の観点から説明することができる。
授業計画 第1回 広島の統治者Ⅰ-武田氏・毛利氏・福島氏-
 →拠点とした場所(武田山など)や、現代広島でも確認できる施設(西国街道など)を切り口に武田氏・毛利氏・福島氏の事績を理解する
 →広島市中心部が段階的に発展したという全体像を理解する
※初回講義で「ガイダンス-講義の進め方の説明-」を実施します
第2回 広島の統治者Ⅱ-浅野長晟・浅野光晟の事績-
 →広島における浅野氏による統治の歴史的意義を理解する
 →歴代統治者の共通点を通し、広島の特徴を理解する
第3回 広島の統治者Ⅲ-浅野綱晟・浅野綱長の事績-
 →整備・拡充される城下町の様子と、町人組織が充実する様子を通し、町の特徴を理解する
 →干拓を始めとする都市開発の実態と、現代へ及ぼした影響を理解する
第4回 広島の統治者Ⅳ-浅野吉長・浅野宗恒の事績-
 →吉長以降における政治改革の実態を通し、統治の方向性を理解する
 →広島城下を襲った自然災害の実態を通し、時代の特徴を理解する
第5回 広島の統治者Ⅴ-浅野重晟・浅野斉賢の事績-
 →文化の成熟していく実態を理解する
 →広島において名君と評された人物の事績を理解する
第6回 広島の統治者Ⅵ-浅野斉粛・浅野慶熾の事績-
 →広島における苦難の歴史と、それに立ち向かった事跡を理解する
 →相次ぐ自然災害の実態を通し、時代の特徴を理解する
第7回 広島の統治者Ⅶ-浅野長訓・浅野長勲の事績-
 →幕末における広島藩の特徴を理解する
 →現代広島にも大きな影響を与える浅野長勲の事績を理解する
第8回 広島の統治者Ⅷ-千田貞暁の事績-
 →宇品築港について、浅野長勲をはじめとする功労者の事績を通し正確に理解する
 →これまでの講義内容を踏まえ、広島における統治者の特徴を改めて理解する
第9回 広島の伝統文化Ⅰ ―厳島神社信仰①:有形文化財の観点から厳島神社信仰にふれる―
 →厳島神社の本社本殿をはじめとする有形文化財の意義を理解する
 →中核となる厳島信仰を通して、広島の特徴を理解する
第10回 広島の伝統文化Ⅱ ―厳島神社信仰②:無形文化財の観点から厳島神社信仰にふれる―
 →管絃祭の事例を通して、広島県全域に広がる神社信仰ネットワークの実態を理解する
 →原爆投下まで、広島市中心部も有名な祭礼地だった事実を通し、広島の特徴を理解する
第11回 広島の伝統文化Ⅲ ―浄土真宗信仰①:浄土真宗の特徴と安芸門徒の歩み―
 →浄土真宗を開いた親鸞の生涯・考え(悪人正機など)を通し、全体像を理解する
 →広島県での広まりを通し、現代でも見られる影響(盆燈籠、葬儀の習俗、煮ごめなど)を理解する
第12回 広島の伝統文化Ⅳ ―浄土真宗信仰②:安芸門徒の担い手たち―
 →十二坊争議や芸徹の活躍を通し、広島における浄土真宗の実態を理解する
 →朝事や妙好人の事例を通し安芸門徒の特徴を理解する
第13回 広島の伝統文化Ⅴ ―神楽①:芸北神楽を中心に―
 →広島県の神楽の現状に触れ、行政が何を評価し発信しているか?という特徴を理解する
 →県内神楽の5分類に触れ、芸北神楽の位置づけを理解する
 →八岐大蛇など有名な神楽に触れる
第14回 広島の伝統文化Ⅵ ―神楽②:十二神祇神楽を中心に―
 →修道大学近隣の事例を通し十二神祇神楽の特徴を理解する
 →荒平など重要とされる演目の意味を理解し、地域の特徴を理解する
第15回 広島の伝統文化Ⅶ ―神楽③:比婆荒神神楽を中心に&まとめ―
 →古態を伝える神楽の実態を通し、神楽理解の解像度を上げる
 →神楽に携わる当事者の見解に触れ、比婆荒神神を理解する
授業外学習の課題 講義内に提示した資料や、「Google classroom」にアップロードした資料を用いて学習を進めること。詳しくは講義中に支持する。【60~90分程度】
履修上の注意事項 【1・「Google classroom」登録について】
①「ブレンド型(対面+オンデマンド)」で実施する。
②「Google classroom」を使用するので、履修者確定段階で受講者全員に「Google classroom」のクラスコードを通知する。(※確認の方法が分からない学生は「教学センター」へ問い合わせること)初回講義日までに登録を済ませること。
③毎回の講義資料は「Google classroom」で配信する。(講義直前の金曜日08:00を目途)
④テキストと、アップロードされたデータを出力して講義に出席すること。
⑤5・10回講義終了後に「Google classroom」で小課題を実施予定。※受講状況によっては、小テストになる場合や、実施しない場合もある。

【2・講義内容に関する注意事項】
①古文・漢文・くずし字等の専門知識は必要としない。
②理解を促すために関連映像を視聴することがある。
③全15回の講義のうち10回以上の出席を評価対象とする。6回欠席すると評価対象外となる。
④公認欠席は、ただちに出席にカウントされない。
成績評価の方法・基準 100点を満点とし、得点配分は以下のようになる。
学期末試験(60%)+小課題(40%)
→小課題や小テストを実施しない場合は試験(100%)になる
講義への取組み(40%)
→小課題(×2)か小テスト(受講状況によっては実施しない場合もある)
テキスト ①中道豪一『古地図と歩く広島』(南々社、令和5)
②そのほか「Google classroom」で資料を配布する
参考文献 ①広島市『広島市史』(広島市、大正11~14)
②『図説広島市史』(広島市、平成元)
③広島市役所『新修広島市史(全7巻)』(広島市役所、昭和33~37)
④野坂元良編『厳島信仰事典 (神仏信仰事典シリーズ 8)』(戎光祥出版、平成14)
⑤水原史雄『安芸門徒』(中国新聞社、平成8)
⑥三村泰臣『広島の神楽探訪』(南々社、平成16)
④広島市役所『広島新史』(広島市役所、昭和56~61)
⑤被爆70年史編修研究会『広島市被爆70年史』(広島市公文書館、平成30)
⑥広島市公文書館『被爆50周年 図説戦後広島市史』(広島市公文書館、平成8)
⑦『歴史の中の広島県』(山川出版社、令和7)
※他に多数の参考文献があるので、講義中随時紹介する
主な関連科目 都市社会学、ヒロシマ文化論Ⅰ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
■対面:講義時間の前後で質問などを受け付ける。
■それ以外の場合は「Google classroom」のコメント機能を利用すること(※「非公開」設定を推奨。公開設定にすると、連絡内容が受講者全員に見えてしまうため)
■「Google classroom」のコメント欄が使用できない人は、「Google classroom」に記載してあるメールアドレスまで連絡すること

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) FHHS23234 2017~2022 2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) FHHS23234 2023~2023 2・3・4 - - -
人文学部社会学科(社会の諸領域に関する科目) 24300 2024~2025 2・3・4 - - -