授業コード 20080300 単位数 2
科目名 都市社会学 クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 中道 豪一 配当年次 *下表参考

授業の題目 地域の特性や人物から描き出す「都市としての広島」
学修の概要 「国際平和文化都市」と称される広島市。昭和20(1945)年に投下された原子爆弾により、未曽有の被害を受けながら、奇跡的な復興を遂げた都市である。そうした姿に注目し、広島を評した本は数あれど、江戸時代から発展した広島市中心部各エリアの特性や、各エリアで活躍した人物といった基礎的な情報を欠いたまま、広島という都市を評したものが少なくない。そこで本講義は、基礎的な情報を踏まえた上で、広島という都市の姿を描き出していくことを目的とする。

講義では、都市機能や都市の性格を考えるうえで、重要と思われる箇所や事例を優先的に扱う。そして現代広島におけると都市計画や諸問題も、それら基礎的要素の延長線上に存在していることや、広島という都市で活躍した著名人(政治家・経済人・文化人など)の業績等に触れることで、広島を分析・考察する際のレベルを向上させていく。
学修の到達目標 ①広島市中心部をいくつかのエリアに分け、各エリアの特性を理解し説明する。
②各エリアで活躍した人物に注目し、政治・経済・教育といった分野で育まれた功績を理解し、広島という都市の特性を説明する。
③現在における「広島」という都市に対する評価を理解し、比較検討できる。
授業計画 第1回 国際平和文化都市とは何か ー戦後復興の軌跡と知られざる庶民の歴史ー
 →広島市の公式文書から「国際」と「文化」と「平和」の関係を理解する
 →平和記念公園と平和大通りを素材に、戦後復興の軌跡における諸問題を理解する
 →広島平和記念都市建設法(昭和24)に注目し、都市としての性格を理解する
第2回 平和記念公園エリア ―原爆と戦後復興の中で奪われた生活空間―
 →中島本町・天神町・材木町などの存在と、町の特徴を理解する
 →戦後、移設された寺院への注目や、当時の人々によるエッセイや証言を通し、実態を理解する
第3回 水都広島 ー水の動線と陸の動線ー
 →広島城築城前から太田川放水路完成に至るまでの治水史を通し、水の都としての性格を理解する
 →7本の川、2本の運河を始めとする様々な水路の存在を理解する
 →京橋川の雁木が現存する理由を通し、法律が都市の性格に及ぼす影響を理解する
第4回 白島エリアほか ―広島デルタ地帯における水害多発地域―
 →白島などを事例に水害多発都市であった実態を理解する
 →武士たちの住む家中町から、変遷していく町の姿を理解する
 →一本木の盆踊りなど、地元住民たちの大切にしてきた文化を理解する
第5回 旧西塔川エリア(現鯉城通り)―移り変わる動線と交通機関の発達―
 →水の動線(運河)が陸の動線(道路+電車道)へ変化することで発展していく町の姿を理解する
 →旧西塔川エリアで地元住民により大切にされてきたものを理解する
第6回 旧平田屋川エリア(現並木通り・地蔵通り・東千田町)―移り変わる動線と交通機関の発達②―
 →水の動線(運河)が陸の動線(道路+電車道)へ変化することで発展していく町の姿を理解する
 →旧平田屋川エリアで地元住民により大切にされてきたものを理解する
 →平田屋惣右衛門などの人物の事績を通してエリアの特性を理解する
 →平田屋川の開通に寄与した平田屋惣右衛門の事績を理解する
第7回 比治山・黄金山エリア ―陸繋化した離島と干拓の歴史―
 →江戸時代の干拓により発展した町の姿を理解する
 →比治山・黄金山周辺に存在する社寺を通して、地域で大切にされてきたものを理解する
 →現在も整備が進められる比治山を事例に、諸課題の存在していることを理解する
第8回 旧台屋町・京橋町エリアほか ―幹線道路(西国街道)沿いの移り変わり―
 →陸の動線としての西国街道に注目し、城下町の賑わいを理解する
 →保田八十吉をはじめ、地元の商工業者の事績を通して町の特徴を理解する
第9回 旧塚本町・旧西地方町エリア ―動線の交わりへの注目と広島をリードした資産家たちの足跡―
 →陸の動線としての西国街道・雲石街道に注目し、城下町の賑わいを理解する
 →森川修蔵をはじめ、地元の商工業者の事績を通して町の特徴を理解する
第10回 広島駅南口周辺エリア ―陸の玄関口の移り変わり―
 →広島駅開業に伴い変化する地域の姿を理解する
 →松原町・猿猴橋町・荒神町・愛宕町などの来歴を通してエリア一帯の特徴を理解する
第11回 広島駅北口周辺エリア ―広島城の鬼門に位置する宗教的重要地―
 →現在の二葉の里・尾長一帯の長い歴史を通してエリア一帯の特徴を理解する
 →広島駅・東練兵場の登場や敗戦を機に変化した様子を理解する
第12回 広瀬町・十日市町エリア ―西部地域における繁華街の移り変わり―
 →西国街道・雲石街道と本川の特徴を通し、エリアの特徴を理解する
 →時代により移り変わる繁華街の姿と、その背景にある事件について理解する
第13回 天満町・観音町エリア ー干拓された地域の推移ー
 →近世の町の発展に神仏が関わることの多い事例を理解する
 →近世に干拓された地域の発展する姿を理解する
第14回 宇品エリア ー知られざる築港計画の全体像ー
 →宇品築港に関わる諸人物を理解する(浅野長勲・服部長七・保田八十吉・田中喜四郎など)
 →近代に拡大した地域の発展する姿を理解する
第15回 江波エリア ―近世期における海の玄関口―
 →宇品築港まで広島市中心部にとって重要港だった事実を理解する
 →柳家又七、新蔵などの人物を通してエリアの特性を理解する
授業外学習の課題 講義内に提示した資料や、「Google classroom」にアップロードした資料を用いて学習を進めること。詳しくは講義中に支持する。【60~90分程度】
履修上の注意事項 【1・「Google classroom」登録について】
①「ブレンド型(対面+オンデマンド)」で実施する。
②「Google classroom」を使用するので、履修者確定段階で受講者全員に「Google classroom」のクラスコードを通知する。(※確認の方法が分からない学生は「教学センター」へ問い合わせること)初回講義日までに登録を済ませること。
③毎回の講義資料は「Google classroom」で配信する。(講義直前の金曜日08:00を目途)
④テキストと、アップロードされたデータを出力して講義に出席すること。
⑤5・10回講義終了後に「Google classroom」で小課題を実施予定。※受講状況によっては、小テストになる場合や、実施しない場合もある。

【2・講義内容に関する注意事項】
①古文・漢文・くずし字等の専門知識は必要としない。
②理解を促すために関連映像を視聴することがある。
③全15回の講義のうち10回以上の出席を評価対象とする。6回欠席すると評価対象外となる。
④公認欠席は、ただちに出席にカウントされない。
成績評価の方法・基準 100点を満点とし、得点配分は以下のようになります。
学期末試験(60%)
→小課題や小テストを実施しない場合は試験(100%)になる
講義への取組み(40%)
→小課題(×2)か小テスト(受講状況によっては実施しない場合もある)
テキスト 中道豪一『古地図と歩く広島』(南々社、令和5)
参考文献 ①『戦時下の廣島復刻(昭和14年当時の地図と職業別明細図廣島市)』(あき書房)
②『図説広島市史』(広島市、平成元)
③広島市役所『新修広島市史(全7巻)』(広島市役所、昭和33~37)
④広島市役所『広島新史』(広島市役所、昭和56~61)
⑤被爆70年史編修研究会『広島市被爆70年史』(広島市公文書館、平成30)
⑥広島市公文書館『被爆50周年 図説戦後広島市史』(広島市公文書館、平成8)
※他に多数の参考文献があるので、講義中随時紹介する
主な関連科目 地域社会学、ヒロシマ文化論Ⅰ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
■対面:講義時間の前後で質問などを受け付けます。
■それ以外の場合は「Google classroom」のコメント機能を利用してください(※「非公開」設定を推奨します。公開設定にしてしまうと、連絡内容が受講者全員に見えてしまいます)
■「Google classroom」のコメント欄が使用できない人は、「Google classroom」に記載してあるメールアドレスまで連絡してください

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) FHHS23232 2017~2022 2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) FHHS23232 2023~2023 2・3・4 - - -
人文学部社会学科(社会の諸領域に関する科目) 24300 2024~2025 2・3・4 - - -