授業コード | 20030900 | 単位数 | 2 |
科目名 | 文化社会学A | クラス | |
履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 野村 浩也 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 「生きづらさ」を生き抜くための社会学的感受性入門 |
学修の概要 | 「生きづらさ」を生き抜くために、何もないところから価値ある「もの」を生み出してきた米国黒人の抵抗の文化は、20世紀後半になってあらためてヒップホップと命名された。奴隷制から400年以上にもわたる植民地主義と差別の暴力は黒人からあらゆるものを奪った。だが、すべてを奪われても黒人が抵抗をやめることはなかった。そして、抵抗のプロセスで何もないところから生み出されてきたのが黒人音楽をはじめとする数々のかけがえのない文化なのである。その意味で、文化を創造し、文化を実践する行為そのものが植民地主義や差別に抵抗する手段であり、ストリートに放り出されたマイノリティが「生きづらさ」と闘うために産み出した文化的な武器にほかならない。 そして、日本国内で米国黒人と同様の「生きづらさ」に追い込まれてきたのが琉球人(沖縄人)である。本講義では、社会に埋め込まれた「生きづらさ」について、黒人の抵抗の文化と「青い海」以外の沖縄を構造的に分析し、「生きづらさ」を生き抜くための社会学的感受性を身につけることを目標としたい。 |
学修の到達目標 | ①社会に埋め込まれた「生きづらさ」の原因について学び、構造的に説明できるようになる。 ②自分自身も「生きづらさ」を生み出している当事者かもしれないということを自覚できるようになる。 ③「生きづらさ」と闘うための社会学的な方法を考えることができるようになる。 |
授業計画 | 第1回 | 4/11 イントロダクション–:黒人音楽と差別:Stay with Me |
第2回 | 4/18 差別と闘う音楽:Strange Fruit | |
第3回 | 4/25 差別と闘う音楽:艦砲ぬ喰えー残さー | |
第4回 | 5/2 「海の側面」と「金網の側面」:沖縄戦と米軍基地は日本人が作った人権問題である:This is My Country | |
第5回 | 5/9 日本人は日本(「本土」)から沖縄に米軍基地を移した:I Can't Breathe | |
第6回 | 5/16 構造的暴力: Baltimore | |
第7回 | 5/23 積極的平和:War | |
第8回 | 5/30 差別の定義:Mississippi Goddam | |
第9回 | 6/6 平等を前提してはならない:Backlash Blues | |
第10回 | 6/13 逆差別は不可能である:Old Jim Crow | |
第11回 | 6/20 差別に中立は存在しない:I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free | |
第12回 | 6/27 不知を自覚すること:Man in the Mirror | |
第13回 | 7/4 琉球人は日本国のなかの黒人である:Babylon System | |
第14回 | 7/11 無意識の植民地主義: Redemption Song | |
第15回 | 7/18 魂の植民地化: Power of a Woman |
授業外学習の課題 | ・事前学習(2時間程度):配布資料を精読すること。 ・事後学習(2時間程度):配布資料と授業ノートを精読し、自分のリアクションペーパーを読み返すこと。その上で、可能であれば、考えたことを文章として書き残しておくこと。 |
履修上の注意事項 | ・対面授業を実施する。 ・毎回リアクションペーパーの提出を求める。リアクションペーパーは返却する。 ・公認欠席時の資料は後日配付する。 ・私語(デジタルのものも含む)は、他者の学問の自由を侵害するがゆえに厳禁。 ・授業時間中のスマートフォン・携帯電話・パソコン・タブレット端末等デジタル機器の使用を禁止する。電源を切ってカバンの中にしまっておくこと(←川島 隆太『スマホはどこまで脳を壊すか』朝日新聞出版、2023年)。 |
成績評価の方法・基準 | リアクションペーパー40%、期末レポート60%で評価する。 |
テキスト | 授業時間中に配布する資料を「教科書」として精読すること。 |
参考文献 | 野村浩也『増補改訂版 無意識の植民地主義』松籟社、2019年。 |
主な関連科目 | カルチュラル・スタディーズ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
・授業時間中に質問の時間を設ける。 ・リアクションペーパーによる質問には授業時間中に答える。 ・リアクションペーパーを確認・評価して返却する。 ・授業時間終了後は教室および研究室にて随時質問を受け付ける。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | FHHS23222 | 2017~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | FHHS23222 | 2023~2023 | 2・3・4 | ○ | ○ | - | - | - |
人文学部教育学科(関連学科科目) | FHED25106 | 2017~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部教育学科(関連学科科目) | FHED25106 | 2023~2023 | 2・3・4 | ○ | ○ | - | - | - |