授業コード | 93211600 | 単位数 | 2 |
科目名 | 政治・行政研究演習Ⅳ(事例研究) | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 船津 靖 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 政治思想とジャーナリズム Political Ideas and Journalism |
学修の概要 | 政治思想の基本的な分析軸である「保守」と「リベラル」を手掛かりに、政治的な信条・価値観・立場や思想(保守/リベラル、右派/左派、リアリスト/ロマンチスト)、宗教・宗派などにより、報道や評価がどう異なるかを考察し演習論文を作成する。対象は国内でも海外でも、現代でも過去でもよい。具体的事例やテーマは学生が教員の指導・助言を受けながら選択する。学生が調査・研究、発表し、最終的に論文にまとめる。 リベラルは日本では以前、革新と呼ばれた。戦後昭和期には日本の知識人社会の主流だった。親ソ親中とある程度重なった。保守は右翼と同一視されることが多かった。保守は復古主義・伝統主義者を含むが、主流はイギリスのバークに淵源する。革命・急進主義に反対する自由主義的経験論者だ。日本では英文学者の福田恒存や江藤淳、国際政治学者では高坂正孝らの名前が挙がる。元共産党員で自民党の親米路線を支持する論調を主導してきた渡辺恒雄・読売新聞主筆への関心が近年高まっている。 政治史的研究だけでなく、社会学的研究、著名なジャーナリストやメディア経営者らの伝記的研究も含める。取材に基づくルポルタージュや企画記事を主体とする論文も認める。論文の作成過程や教員の守備範囲については欧米地域研究など他のシラバスも参照のこと。研究論文も演習論文も基本的なプロセスは変わらない。 【実務経験】 共同通信社の地方3支局で警察、裁判所、県庁、知事選・国政選挙などを取材後、外信部、モスクワ特派員、エルサレム支局長、ロンドン特派員、ニューヨーク支局長。東京本社では国際経済や科学・文化・運動を含む重要ニュース全般の速報・編集管理や企画・論説も手掛けた。近著に『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(河出書房新社) |
学修の到達目標 | 政治思想とジャーナリズムにおける基本的なイデオロギーや党派性が理解できるようになる。保守とリベラルについて有益な分析枠を獲得できるようになる。国際政治・報道に関する英文の記事・論文・資料を読みこなし分析できるようになる。論理的で具体性に富み、実証的で隙のない文章、説得力のある水準の高い日本語が書けるようになる。イデオロギーの違いで、同じ対象の事実認識や価値評価にどのような違いが生じるかがわかるようになる。 |
授業計画 | 第1回 | 政治思想概論:保守とリベラル ジャーナリズムの主要な対立軸である保守とリベラルの生成過程を理解できるようになる。 |
第2回 | 日本国憲法:前文と9条 親米保守が重視する憲法前文と反米親ソ親中派が重視した9条の矛盾を理解できるようになる。 |
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第3回 | 聴取:研究関心 前2回の講義を理解した上で演習論文作成に向けた自分の関心を明確に述べることができるようになる。 |
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第4回 | 知識:コアテキスト 演習論文の背景知識として必要な参照文献を選択できるようになる。 |
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第5回 | 対象・収集:テーマと文献資料 演習論文の仮見出しを決め、先行研究や独自資料のリストを作成できるようになる。 |
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第6回 | 目次・序文:構成と着手 章・節・小見出を明示した詳細な仮目次と論文の動機、意義、要約からなる序文を書けるようになる。 |
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第7回 | 執筆:本文草稿 それまでに部分的に着手してきた演習論文本文の執筆を本格化させることができる。 |
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第8回 | 教員の事例研究:与野党の外交政策 日本の与野党の外交政策に関する教員の事例研究を理解し、演習論文の参考にできるようになる。 |
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第9回 | 整理:削除と補足 本文草稿のうち削除する部分、補足が必要な部分を判断できるようになる。 |
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第10回 | 脱稿:本文草稿 演習論文の草稿を一通り書き上げることができる。 |
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第11回 | 推敲:繰り返し 脱稿した草稿を繰り返し読み返し、構成や表現の改良を続けることができる。 |
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第12回 | 点検:事実関係と註・参照文献 固有名詞、数字、誤字脱字の校閲ができ、本文と註の整合性を取れるようになる。 |
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第13回 | 結語:おわりに 執筆の感想、協力者への謝意、今後の課題などからなる結語の草稿を書くことができる。 |
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第14回 | 発表:演習論文草稿 論文の草稿をもとにPPTなども使用して簡潔、明快、印象的な発表ができるようになる。 |
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第15回 | 批評:改善点 教員からの批評を受け、意見交換し、演習論文の最終完成に向けた方針を確認できるようになる。 |
授業外学習の課題 | 事前学修(2時間程度)Moodle掲載の資料学修と演習論文作成、授業準備。 事後学修(2時間程度)授業の復習と演習論文作成 日本の新聞(デジタル版含む)少なくとも一つに毎日目を通すこと。英語圏の新聞やニュース・サイトにも目配りする。発表する際はキーワード、年表、要約や引用、地図などからなる資料(ワードでもパワポでもよい)を作成し、発表前日までに教員に送ること。 |
履修上の注意事項 | 履修希望者はできるだけ早めにメール(funatsu@shudo-u.ac.jp)で連絡を。 公認欠席は欠席として扱うが、単位認定資格や演習論文提出条件、授業資料入手などで不利益を生じないように代替措置を講じるなど配慮する。 事実確認と添削を重視する。異論への目配りを怠らない。通説に批判的な論文を作成する場合は、通説の十分な学習・理解を前提とする。Wikipediaの使用は英語を中心に認める。一定量の書籍、専門書、信頼度の高い雑誌論文を使用することが望ましい。生成AIの使用状況について報告を求める。盗用の疑いについては厳格に問いただす。 |
成績評価の方法・基準 | 授業での報告内容や授業への貢献などに約20%、演習論文の出来栄え約80%。 |
テキスト | Moodleに掲載する資料。宇野重規『日本の保守とリベラル』(新潮選書)。NHKのニュース・防災アプリ(無料)を共通の情報インフラとする。 |
参考文献 | 船津靖『パレスチナ 聖地の紛争』(中公新書)。必要に応じ随時示す。 |
主な関連科目 | 比較政治研究Ⅳ(比較ジャーナリズム論) |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問は歓迎。相談にも進路・就活含めできるだけ対応する。学期中の課題等の評価はMoodleで個別にも対応。期末レポートへの批評は個別の問い合わせにも面談やメールなどで対応する。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
法学研究科M国際政治学専攻 | - | 2017~2021 | 1・2 | - | - | - | - | - |
法学研究科M国際政治学専攻 | - | 2022~2024 | 1・2 | ○ | - | ○ | ○ | - |