授業コード 93209900 クラス
科目名 地域・歴史研究演習Ⅳ(事例研究) 単位数 2
担当者 船津 靖 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 聖書的政治文化から見る戦後アメリカ外交政策論 Writing a paper on the Post-War U.S. Foreign Policies in the Perspective of U.S. Biblical Political Culture
授業の概要  戦後アメリカ外交史に関して、植民・建国期以来の聖書的な政治文化を視野に、学生と教員が協議の上で事例研究の対象を選ぶ。無神論の共産主義諸国(ソ連、中国、キューバ等)、ユダヤ・キリスト教文化と対置されるイスラム教の諸国・非国家主体を(仮想)敵とする政策、または逆にそれらと対峙する同盟国(NATO諸国、日本、イスラエル等)との関係に関する政策が中心になる。大統領の価値意識、政策目標、対象国の特性、米政権の構造、議会やメディアとの関係なども視野に入れながら演習論文を作成する。
 アメリカ独立宣言や合衆国憲法が表明したリベラル・デモクラシーの基本的価値、その背景にある聖書的思考や価値の外交政策への影響を重視する。
 戦後アメリカ外交に関する概論や教員による事例研究をモデルとして示す。
 事例研究の対象は、履修者の希望を聞いた上で、①学生の事例研究の発展可能性、②社会的、学術的な意義、③教員の助言・指導の有効性~の観点から教員が候補を示し学生が選択する。
 教員が指導しやすい対象地域は中東、ヨーロッパ・ロシア、東アジアの諸国。特にイスラエル、イラク、イラン、イギリス、ロシア(ソ連)、中国、日本に対するアメリカの外交政策。
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【実務経験】 共同通信社のモスクワ特派員、エルサレム支局長、ロンドン特派員、ニュースセンター部長、ニューヨーク支局長、国際局次長、編集・論説委員。著書『パレスチナ 聖地の紛争』(中公新書)
学習の到達目標  ①戦後アメリカ外交史全般について基礎的な知識を得て、重要事項について簡潔に説明できるようになる、②独立宣言や合衆国憲法の価値や規範が戦後アメリカ外交のパラメーターを規定していることが理解できるようになる、③論理的であるだけでなく、明確で説得力のある水準の高い日本語の表現力が身に付けられるようになる。④英語の資料を一定使用できるようになる。
授業計画 第1回 戦後アメリカ外交史概論:冷戦、対テロ
 歴代米大統領の特徴的な外交政策と政治文化の関係が理解できるようになる。
第2回 聖書の政治文化:神の約束の地
 ウィンスロップやジェファソンを例に米建国に聖書が果たした役割の大きさが理解できるようになる。
第3回 聴取:研究関心
 2回の講義を理解した上で演習論文作成に向けた自分の関心を明確に述べることができるようになる。
第4回 知識:コアテキスト
 2つの基本書のどちらかを選択し演習論文の背景知識として必要な個所を明示できるようになる。
第5回 対象・収集:テーマと文献資料
 演習論文の仮見出しを決め、先行研究や独自資料のリストを作成できるようになる。
第6回 目次・序文:構成と着手
 章・節・小見出を明示した詳細な仮目次と論文の動機、意義、要約からなる序文を書けるようになる。
第7回 執筆:本文草稿
 それまでに部分的に着手してきた演習論文本文の執筆を本格化させることができる。
第8回 教員の事例研究:米イスラエル特別関係
 アメリカ・イスラエル関係に関する教員の事例研究を理解し、演習論文の参考にできるようになる。
第9回 整理:削除と補足
 本文草稿のうち削除する部分、補足が必要な部分を判断できるようになる。
第10回 脱稿:本文草稿
 演習論文の草稿を一通り書き上げることができる。
第11回 推敲:繰り返し
 脱稿した草稿を繰り返し読み返し、構成や表現の改良を続けることができる。
第12回 点検:事実関係と註・参照文献
 固有名詞、数字、誤字脱字の校閲ができ、本文と註の整合性が取れるようになる。
第13回 結語:おわりに
 執筆の感想、協力者への謝意、今後の課題などからなる結語の草稿を書くことができる。
第14回 発表:演習論文草稿
 論文の草稿をもとにPPTなども使用して簡潔、明快、印象的な発表ができるようになる。
第15回 批評:改善点
 教員からの批評を受け、意見交換し、演習論文の最終完成に向けた方針を確認できるようになる。
授業外学習の課題 事前学修(1時間程度)演習論文作成の参考となるコアテキストの参照箇所やMoodle掲載のレジュメや記事を精読する。
事後学修(3時間程度)教員の指導内容の確認。演習論文の構成、草稿作成。
履修上の注意事項  履修する場合はできるだけ早めに教員にメール(funatsu@shudo-u.ac.jp)で連絡を。教員ときちんと連絡をとること。
 公認欠席は欠席として扱うが、単位認定要件や資料・プレゼン機会の確保については不利益がないように代替措置を講じるなど配慮する。
成績評価の方法・基準  授業中の取り組みや提出課題など20%、演習論文80%
テキスト  Moodle掲載のレジュメ、記事、『修道法学』掲載の教員の関連論文のほか①西崎文子『アメリカ外交史』(東京大学出版会)②ジョセフ・ナイ他『国際紛争 理論と歴史 原書第10版』のいずれかを履修学生の要望を考慮した上でコアテキストに定める。
参考文献  随時、提示する。Pew Research Centerのサイトは無料でデータの宝庫。
主な関連科目  欧米地域研究Ⅰ(アメリカ)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
 質問は歓迎。込み入った相談は電話、メールなどで。学期中の評価は授業中やMoodleで個別にも対応。期末レポートへの批評は個別の問い合わせにも面談やメールでじっくり対応する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学研究科M国際政治学専攻 2017~2021 1・2 - - - - -
法学研究科M国際政治学専攻 2022~2024 1・2 - -