授業コード | 93106300 | 単位数 | 2 |
科目名 | 法制史研究Ⅱ | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 三阪 佳弘 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 近代日本における司法制度の諸相 |
学修の概要 | 現代日本の法のあり方を比較法文化史的な視点からとらえることによって、現代法を歴史的かつ比較的に相対化し、対象をより客観的に総合的に理解する手法を学ぶ機会を提供する。 講義では、近代日本における司法制度を対象とし、手続やその担い手のあり方が、他国の同時代の法との比較のなかで、どのような特徴を帯びているのか、を批判的に検討する。 |
学修の到達目標 | 現代日本法制度の将来像を、様々な選択肢の中から構想できる実践的能力を獲得していく。具体的には以下のような目標を設定している。 ①現代日本法が歴史的に形成されたものであり、常に将来に向かって「変化・変容」する可能性が開かれている、という視点を持つことができる。 ②現代日本法を時間軸・空間軸をずらして、相対的に論じることができる。 ③現代日本法を、グローバルな座標軸での普遍性と、そうした普遍性が日本法として具体化されるときに表れる特殊性とのせめぎ合いの中でとらえることができる。 |
授業計画 | 第1回 | 日本近代法史概観 |
第2回 | 近世における伝統的糾問訴訟観に基づく刑事手続き | |
第3回 | ボアソナードの登場と西欧型刑事手続法の制定(1880年治罪法) | |
第4回 | 西欧型刑事手続観に対する糺問的訴訟観からの反発 | |
第5回 | 明治後期における刑事手続きの糺問化(1890年刑事訴訟法) | |
第6回 | 第1次世界大戦以後の社会の変化と刑事手続きの糺問化(1922年刑事訴訟法) | |
第7回 | 昭和戦前期における刑事手続きの糺問化 | |
第8回 | 1880年治罪法制定時における国民の司法参加をめぐる議論対立 | |
第9回 | 1923年の陪審法の制定とその運用 | |
第10回 | 司法制度の近代化と裁判官の独立:西欧的な司法権観念 | |
第11回 | 伝統的法観念における日本の裁判の担い手:近世日本の司法観念 | |
第12回 | 近代日本における裁判官の独立の脆弱性 | |
第13回 | 日本における民事紛争解決のあり方:近世日本のおける和解(内済) | |
第14回 | 日本における民事紛争解決のあり方:近代における人々の訴訟利用 | |
第15回 | 明治期における西欧型弁護士制度の継受 |
授業外学習の課題 | 事前配布資料を予習として熟読することが不可欠であり(2時間程度)、復習として、授業で示されたポイントを配布資料を基に復習すること(2時間程度)。 |
履修上の注意事項 | 授業は応答的に行うので、教員の問いかけに答えられるように、事前配布資料をよく読んで授業に臨んでください。 公欠による欠席を除いて、欠席については減点する。 |
成績評価の方法・基準 | 事前に与えられた課題への取り組み(50%)、講義での積極的な発言(50%)によって評価する。 |
テキスト | 各回の講義テーマに関しての教材資料を配布する。 |
参考文献 | 下記の文献が授業の理解を補うために参考となる。 石 川・中尾・矢野編『日本近代法制史研究の現状と課題』弘文堂 →近代日本法史研究上の論点を分野別に知ることができる。 川口由彦『日本近代法制史 第2版』新世社 →近代日本法の通史的叙述。研究史上の論点に関してかなり突っ込んだ叙述が特徴。 山 中永之佑編『新・日本近代法論』法律文化社 →近代日本法史について分野別に概観するために便利。基本六法以外の分野についても幅広く叙述。 |
主な関連科目 | |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
講義時もしくは講義後に対応します。また、メールでも対応します。講義時間外においても、質問は随時受け付けます。この時は、アポをとってください。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
法学研究科M法律学専攻 | - | 2022~2024 | 1・2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
法学研究科M国際政治学専攻 | - | 2022~2024 | 1・2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |