授業コード 93105600 単位数 2
科目名 国際法研究Ⅰ クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 柳生 一成 配当年次 *下表参考

授業の題目 国際法基礎研究Ⅰ(Public International Law Ⅰ)
学修の概要 本授業では、少人数による演習形式によって、LGBTIQ+のうち、特に同性パートナーに対する法的承認に関するヨーロッパの現状を学びます。
現代の社会の問題を理解するには、さまざまな視点からの分析が必要です。また、国内の法的問題を考察する際にも、国際法の影響や海外諸国の動向を無視することはできなくなってきています。そこで、授業では、国内のLGBTIQ+とくに、同性パートナーに関する問題を国際法・外国法の視点から分析するために必要な基礎知識を、テキストを輪読することによって修得します。
各回ごとに報告を担当する履修者を決め、担当者にはテキストの該当箇所を読んだ上で、重要事項をレジュメにまとめてもらいます。担当者は、そのレジュメを基礎として、あるテーマについて授業で紹介を行います。それを受け、教員も含めた履修者で質疑応答を行います。
学修の到達目標 本授業を履修することによって、
①国内の「性的マイノリティ」の問題を考える際の多様な視点が身に着く、
②英語により、国際人権に関する基礎的な文献が理解できるようになる
ことが目標です。
授業計画 第1回 ガイダンス
授業の進め方、予習・復習の仕方、成績評価、テキストの入手方法等について説明します。
第2回 Introduction (Chapter 1)
テキストの導入部分を読み、テキストの各章の概要等を学びます。
※カッコ内はテキストの章・節の番号です。
第3回 LGBT Question and the Family (Chapter 1)
テキストの導入部分を読み、集中的に講読する第二章のテキスト全体における位置付け等を学びます。
第4回 Detailed Picture of an Ongoing Process(Chapter 2)
同性婚・パートナーシップ制度に関する章の導入部分を講読し、章の概要を学びます。
第5回 Comparing Countries
欧州における複数の国の状況を分析し、一定の傾向があるという指摘を学びます。
第6回 Comparing Rights
欧州における複数の国の状況の分析から、同性パートナーの権利の承認には一定の傾向があることを学びます。
第7回 Five Periods of Legal Recognition
同性パートナーの法的承認には段階が認められることを学びます。
第8回 Woman and Children Last?
同性パートナーの法的承認における子どもの位置付け等について学びます。
第9回 The Social Importance of Legal Recognition
同性パートナーが法的承認を得ることの意義等を学びます。
第10回 Conclusion
文献の結論部分を翻訳し、それに対して考察を行います。
第11回 関連国内制度・裁判例の検討
各自治体のパートナーシップ制度や同性婚に関する国内判例の内容を確認・学習します。
第12回 関連EU司法裁判所判例の検討
テキスト中で紹介されていたEU司法裁判所の判決の概要とそれに対する評価を学習します。
第13回 関連欧州人権裁判所判例の検討
テキスト中で紹介されいた欧州人権裁判所の判決の概要とそれに対する評価を学習します。
第14回 関連判例・裁判例に関する議論
これまでに学んだ先行研究、判例を元にLGBTIQ+の権利の保障について日欧を比較しつつ、自らの意見を形成することを学びます。
第15回 総括
これまでの授業で扱いきれなかった事項等を扱うほか、各回の内容とそれに関する議論を総括して、今後の学びに繋げます。
授業外学習の課題 事前学習(3時間):テキストの指定された部分を正確に読み、重要な点を日本語でまとめてレジュメを作成してください。
さらに必要ならば、指定された参考文献を読み、テキストの該当部分のテーマについてより詳しく調べることが求められます。
事後学習(1時間):重要な単語や文法事項を復習して下さい。
授業外の学習時間の目安は60時間です(ただし大学院生ですから、時間の許す限り勉強や研究をして下さい)。
履修上の注意事項 ・国際人権法の基礎知識があることが望ましいですが、必須とはしません。
・英文法の正確な知識を必須とします(知識に不安がある場合には、粘り強く復習することを求めます)。
・専門用語の訳などについて復習を必ずして下さい。授業内で同じ指摘が繰り返されると、文献の講読が遅々として進まなくなってしまいます。
・各回で扱う内容や読む文献の範囲は、学生の英語力や国際法の知識の習熟度等によって変更される可能性があります。
。公認欠席の場合には代替措置(レポート作成と後日のオンラインツールによるフォローアップ)を行った場合のみ出席した場合と同様に扱います。
成績評価の方法・基準 課題への取組み(60%)および授業への参加度(40%)を基礎として、総合的に評価します。
・欠席が4回以上の場合、単位取得ができません。授業準備をして来なかった場合や、正当な理由のない遅刻も欠席と同様に扱います。
テキスト Marie Digoix eds., Same-Sex Families and Legal Recognition in Europe(Springer, 2020) ISBN:978-3030370565
参考文献 谷口洋幸『性的マイノリティと国際人権法-ヨーロッパ人権条約の判例から考える』(日本加除出版、2022)
※詳しくは、初回ガイダンスで説明するほか、各回の授業で言及します。
主な関連科目 国際法演習Ⅰ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
オフィスアワーのほか、授業後の時間帯などを使って積極的に質問して下さい。
課題に対する講評は、随時行い、第15回授業でも行います。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学研究科M法律学専攻 2022~2024 1・2 -
法学研究科M国際政治学専攻 2017~2021 1・2 - - - - -
法学研究科M国際政治学専攻 2022~2024 1・2 -