授業コード | 90345100 | 単位数 | 2 |
科目名 | クイア・スタディーズⅡ | クラス | |
履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 河口 和也 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | クィア社会学 Queer Sociology |
学修の概要 | クィア・スタディーズという学問分野は、同性愛研究、ジェンダー/セクシュアリティ研究、レズビアン/ゲイ・スタディーズなどの学問分野を継承しつつ、それらに対する批判的な視点や検討のもとで展開・発展してきた領域です。そうした経緯のなかでは、既存の学問分野(例えば、文学、映画学、哲学、人類学、社会学などの人文社会科学系領域の学問)から生まれつつ、それらの学問分野を内発的に批判・修正する力を保持し、実践してきました。社会学に関しても、クィア・スタディーズの成立にあたり、これまでの社会学の知見が基盤となりつつ、同時に既存の社会学に対して批判的まなざしを向け、その変更を迫るような取り組みも行われてきました。 この授業では、これまでの社会学における同性愛研究やジェンダー/セクシュアリティ研究の成果を整理検討しつつ、クィア・スタディーズの理論や概念が、いかにこれまでの社会学のなかで生起してきたか、そしてその内容に変更を迫ってきたかについて考察することを目的とします。 この目的を達成するために、授業内容としては、クィア概念が生起してきた背景を把握するために、その歴史・社会的な経緯を把握するとともに、クィア理論のなかで培われてきた新しい諸概念を検討します。また、クィア・スタディーズを学ぶためには必須となるクィア理論家による理論的展開を検討しながら、クィア概念が社会の様々な領域に変化や修正をもたらすことを社会に生起する事例をもとに考察していきます。最終的に、クィア・スタディーズと社会学の関係、そして社会学それ自体を「クィア化」することについて触れます。 |
学修の到達目標 | 1.基本的なクィアの概念や理論について理解し、新たな見方ができるようになる。 2.個人の研究や将来の人生や仕事のなかで、ここで得た考え方を活用できるようになる。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション クィア概念について |
第2回 | クィアの歴史とアクティヴィズム | |
第3回 | クィアの理論と実践 | |
第4回 | クィアの方法と方法論【オンデマンド授業】 | |
第5回 | ヘテロノーマティヴィティ | |
第6回 | ホモノーマティヴィティ | |
第7回 | 身体化、アイデンティティ、パフォーマティヴィティ | |
第8回 | ジュディス・バトラーによるジェンダー・パフォーマティヴィティ | |
第9回 | イヴ・セジウィックによるホモソーシャリティ理論 | |
第10回 | クィア化する空間と時間 | |
第11回 | クィア化する家族 | |
第12回 | クィア・ペダゴジー | |
第13回 | クィア化する都市【オンデマンド授業】 | |
第14回 | 社会学とクィア | |
第15回 | 社会学をクィア化する |
授業外学習の課題 | 報告分担に当たっている場合は、レジュメを作成し、準備しておく。また、受講生全員が購読文献は必ず読み、事前に授業における議論参加のための準備をしておくこと。 事前学修(2時間程度) 事後学修(2時間程度) |
履修上の注意事項 | クィア・スタディーズ演習も履修することが望ましい。 ※本講義で使用する資料等は、Moodleにてダウンロードできるようにします。 提出物やレポートなどは必ず指定された期限内に提出すること。 授業用の配布資料や課題などは、Moodleに掲載することがありますので、確認してください。 プレゼンテーション時に公認欠席となる場合、代替措置で対応します。 ブレンド型授業を実施します(Moodle使用) |
成績評価の方法・基準 | 授業における報告、議論などにおける参加の積極性、平常の研究態度(50%)および期末に課す提出レポート(50%)によって総合的に評価する。欠席は減点することがある。 |
テキスト | 授業の中で、適宜指示します。 |
参考文献 | 風間孝・河口和也 2010 『同性愛と異性愛』 岩波書店 風間孝・河口和也・守如子・赤枝香奈子 2018 『教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ』法律文化社 菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編 2019 『クィア・スタディーズをひらく1 アイデンティティ、コミュニティ、スペース』 晃洋書房 菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編 2022 『クィア・スタディーズをひらく2 結婚、家族、労働』 晃洋書房 小山静子・赤枝香奈子・今田絵里香編 2014 『セクシュアリティの戦後史』 京都大学学術出版会 前川直哉 2011 『男の絆―明治の学生からボーイズ・ラブまで―』 筑摩書房 前川直哉 2017 『<男性同性愛者>の社会史―アイデンティティの受容/クローゼットへの解放―』 作品社 砂川秀樹 2015 『新宿二丁目の文化人類学―ゲイ・コミュニティから都市をまなざす―』 太郎次郎社 |
主な関連科目 | クィア・スタディーズ演習Ⅰ・Ⅱ/クィア・スタディーズⅠ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業中はもちろんのこと、オフィスアワーにも質問や相談対応の時間を設けます。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文科学研究科M社会学専攻 | - | 2023~2023 | 1・2 | ○ | ○ | - | - | ○ |
人文科学研究科M社会学専攻 | 23500 | 2024~2024 | 1・2 | ○ | ○ | - | - | ○ |