授業コード | 90302000 | 単位数 | 2 |
科目名 | 精神生理学演習Ⅰ | クラス | |
履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 古満 伊里 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 精神生理学演習Ⅰ Research Seminar in Psychophysiology I |
学修の概要 | 精神生理学はヒトの心的機能と生理反応との対応関係を明らかにする学問である。本講義では,堀 忠雄・尾崎久記(監修)(2017).『生理心理学と精神生理学 第I巻 基礎』(北大路書房)を輪読することで,精神生理学の全体像とその方法論を俯瞰し,そこで使用される生理指標と心的機能との対応関係を理解しながら,実施可能な研究計画を立案する方法を身につける。 |
学修の到達目標 | 1.心理学研究において各種生理指標がどのように使用されているかを説明できる。 2.自らの研究テーマに生理指標を取り込む工夫ができる。 |
授業計画 | 第1回 | 生理心理学の歴史:生理心理学・精神心理学とその近接領域について説明できるようになる。 |
第2回 | 神経系の構造:中枢神経系・末梢神経,ニューロンの構造と活動電位,シナプス結合,神経伝達物質の種類等について説明できるようになる。 | |
第3回 | 脳活動と心理・行動との関係:古典的条件づけ,オペラント条件付け,空間学習,社会的学習時の脳活動全般について説明できるようになる。 | |
第4回 | 脳の直接的操作:損傷法,電気刺激法,薬理刺激法等の生理心理学的実験手法について説明できるようになる。 | |
第5回 | 脳と行動の遺伝子操作:行動と遺伝子の関係について,遺伝子改変技術についてその概略を説明できるようになる。 | |
第6回 | 脳の組織学的研究法:神経解剖学的方法論およびそれによる知見のいくつかを説明できるようになる。 | |
第7回 | 中枢活動1(脳波):脳波基礎律動および事象関連電位の特徴とそれらの心理的対応について説明できるようになる。 | |
第8回 | 中枢活動2(脳イメージングの技法):fMRI,fNIRS, MEG, PETの動作原理と心理学研究における活用について説明できるようになる。 | |
第9回 | 末梢反応1(心臓循環器系):心電図,脈波,血圧の測定原理と心理学研究における活用事例を列挙することができるようになる。 | |
第10回 | 末梢反応2(呼吸器活動):呼吸調節機構について解説し,その心理学研究における活用事例を列挙できるようになる。 | |
第11回 | 末梢反応3(温熱系):発汗と皮膚電気反応について,その測定方法と心理学研究における活用事例を列挙できるようになる。 | |
第12回 | 末梢反応4(視覚-運動系):眼球運動と瞬目活動について,その測定方法と心理学研究における活用事例を列挙できるようになる。 | |
第13回 | 末梢反応5(骨格筋系):筋電図や活動量計について,それぞれの測定・動作原理を理解し,また心理学研究における活用事例を列挙できるようになる。 | |
第14回 | 末梢反応6(生化学的指標):ストレス指標としてのコルチゾールやカテコールアミン等の測定法を理解し,心理学研究における活用事例を列挙できるようになる。 | |
第15回 | まとめ:本演習で学んだ知識を元に,実施可能な研究計画を立案,議論できるようになる。 |
授業外学習の課題 | 1.授業では毎回教科書を1章ずつ輪読していく。各章の担当者は,担当した章の内容をレジュメに要約して発表すること。 2.自らの研究テーマと関連させながら生理指標を用いた研究計画書案を執筆・提出すること。なお研究計画は,(1)実際に実施可能な研究であること,(2)リサーチ・クエッションならびに研究仮説が明瞭であること,独立変数と従属変数の関係が明瞭であること,の3点が望まれる。 3.毎回の授業準備のために4時間程度の予習・復習を必要とする。 |
履修上の注意事項 | 1.やむを得ず欠席する場合には必ず事前に連絡して了解を得ること。なお公認欠席については欠席日数にカウントしない。なお欠席日に発表が義務付けられていた場合には,後日の授業において発表を行う。 2.授業中は積極的にディスカッションに参加すること。 3.発表資料は前日までにメールで提出すること。なお提出された資料はMoodle上にアップロードします。参加者は各発表資料を事前にダウンロードして通読しておくこと。 4.受講にあたっては,精神生理学に関する専門的知識は必要としない。ただし心理学全般にわたるテクニカル・タームには慣れ親しんでいること。 |
成績評価の方法・基準 | 担当した章のレジュメの内容と発表およびディスカッションに対する態度(60%)ならびに研究計画書案(40%)によって評価する。 |
テキスト | 堀 忠雄・尾崎久紀(監修)『生理心理学と精神生理学 第I巻 基礎』(北大路書房) |
参考文献 | 1. 堀忠雄・尾崎久記(監修)(2017).『生理心理学と精神生理学 第II巻 応用』北大路書房 2. 堀忠雄 (2008). 『生理心理学―人間の行動を生理指標で測る』培風館 |
主な関連科目 | 学部:生理心理学(神経・生理心理学), 大学院:精神生理学Ⅰ・Ⅱ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
1.講義中にお互い積極的に質問するようにして下さい。それでも解決しない疑問や相談については,予め e-mail によってアポイントメントを取った後に来室するようにして下さい。 2.提出されたレジュメについては,各回の授業中にコメントを付し,修正点があれば指摘する。また最終的に提出する研究計画書については,提出後約1週間をめどに,コメントを付して返却する。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文科学研究科M心理学専攻 | - | 2021~2024 | 1・2 | - | - | - | - | - |