授業コード 90112300 単位数 4
科目名 企業環境法特殊研究 クラス
履修期 年間授業 カリキュラム *下表参考
担当者 下村 英嗣 配当年次 *下表参考

授業の題目 アメリカ環境法判例
学修の概要  企業がグローバルに展開することが珍しくなくなった現代において、アメリカでビジネス展開する機会も増えている。アメリカでビジネス展開するには、当然アメリカの環境法令を遵守する必要がある。
 この授業は、訴訟大国であるアメリカの裁判例からアメリカ環境法を理解する。そのうえで日本の環境法令と比較し、アメリカのみならず日本の環境法の理解も深める。
 授業は、毎回取り上げる裁判例を教示するので、関連法制度、事件の概要、争点、判決をまとめてくること。
学修の到達目標  アメリカ環境法の基本的な仕組みを裁判例をとおして理解し、日本環境法と比較することで、日本の環境法を深く考察できるようになる。
授業計画 第1回 ガイダンス、アメリカの裁判判決文の収集指導
アメリカの裁判例の調べ方を知る。
第2回 司法審査と原告適格
司法制度の概要と原告適格の要件を知る。
第3回 争訟性と成熟性
争訟性と成熟性に関する代表的な最高裁判決を理解する。
第4回 (オンデマンド)シェブロン法理
司法が行政へ敬譲するシェブロン法理を理解する。
第5回 国家環境政策法(NEPA)
アメリカの環境アセスメント法の仕組みを理解する。
第6回 州際通商条項と連邦規制
州際通商条項の環境法の関係を知る。
第7回 財産権条項と収用条項
私有財産への規制時に発生する補償について知る。
第8回 連邦法の専占
連邦環境法の専占事項を知る。
第9回 Clean Air Act①:固定発生源
固定発生源の規制方法を知る。
第10回 Clean Air Act②:移動発生源
移動発生源の規制方法を知る。
第11回 Clean Air Act③:有害大気汚染物質
MACTなど技術規制を知る。
第12回 Clean Air Act④:気候変動
温室効果ガスの規制権限を知る。
第13回 Clean Water Act①:NPDES許可
排水許可規制を知る。
第14回 Clean Water Ac②:適用水域
規制対象の水域を知る。
第15回 Clean Water Ac③:非点源汚染源
生活用水などの非点源汚染源の規制方法を知る。
第16回 リスクマネジメント①:アスベスト
アスベスト例にリスクマネジメントの方法を知る。
第17回 リスクマネジメント②:鉛
鉛を例にリスクマネジメントの方法を知る。
第18回 リスクマネジメント③:ベンゼン
ベンゼンを例にリスクマネジメントの方法を知る。
第19回 有害廃棄物①:資源保全回収法
固形廃棄物と有害廃棄物の規制方法を知る。
第20回 有害廃棄物②:浄化主体
有害廃棄物に汚染された土地の浄化責任を理解する。
第21回 有害廃棄物③:費用負担
スーパーファンド法の費用負担の仕組みを理解する。
第22回 自然保全①:公共信託論
公共信託論の実定法での発現形態を知る。
第23回 自然保全②:樹木の原告適格
自然物の権利について理解する。
第24回 (オンデマンド)自然保全③:テリコダム
テリコダム事件をつうじて種の保存法を理解する。
第25回 環境影響評価と国家安全保障
環境保護利益と競合する他の利益との関係を理解する。
第26回 高レベル放射性廃棄物処分場
ユッカマウンテン計画をつうじて、高レベル放射性廃棄物の処分方法と費用負担を理解する。
第27回 環境リスク管理①:リスク評価
連邦環境法のリスク評価規定について理解する。
第28回 環境リスク管理②:予防原則論争
アメリカで予防原則が採用されない理由を理解する。
第29回 環境法令と規制改革
規制改革によって環境法令が受ける影響を知る。
第30回 まとめ:アメリカ環境法と日本法の比較
日米の環境法を比較し、両者の理解を深める。
授業外学習の課題 ①テキストの該当部分または論文を事前に熟読してくること。
②授業外学習時間は、事前学習(2時間)、事後学習(2時間)必要になる。
履修上の注意事項 ブレンド型授業を実施ます。(Moodle使用)

日本法との比較を行うため、日本の環境法令に関する知識が必要になる。


※公認欠席時、欠席として扱うが、資料は後日配布し、課題は代替措置で対応する。
成績評価の方法・基準 毎回提出を求める事件のまとめレポート100%
テキスト 辻ほか「判例アメリカ環境法」(勁草書房)
参考文献 ファーバー,ダニエル・A・【著】辻 雄一郎/信澤 久美子/阿部 満/北村 喜宣【訳】「アメリカ環境法」(勁草書房)
畠山武道「環境リスクと予防原則Ⅰ」(信山社)
畠山武道「環境リスクと予防原則Ⅱ」(信山社)
畠山武道「アメリカ環境政策の展開と規制改革」(信山社)
そのほか、適宜提示する。
主な関連科目 企業環境法Ⅰ、企業環境法Ⅱ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業中に応じます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
商学研究科D経営学専攻 2023~2023 1・2・3 -
商学研究科D経営学専攻 12600 2024~2024 1・2・3 -