授業コード 90110600 クラス
科目名 金融システム論特殊研究 単位数 4
担当者 NGUYEN Duc Lap 履修期 年間授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 金融システム、金融政策および経済の理解(Understanding of Financial Systems, Monetary Policy and the Economy)
授業の概要 本講義では、金融政策の理論と実践を考察しつつ、金融システムと密接に関連するマクロ経済を探究します。経済のなかで広がる信用の連鎖や金融機関の行動、金融市場の動向を理解するために、銀行のマネーストックへの影響や実体経済への波及する金融政策の伝達メカニズムなど、多岐にわたるテーマを取り上げます。このアプローチを通じて、経済学的視点から金融システムの構造を捉え、金融システムにおける重要なテーマに対する理解を深めることができます。
さらに、本講義ではマネー、金融システム、および経済の相互作用に焦点を当て、最近では世界中で高まっている重要なテーマに関する学術論文のレビューを受講者に行ってもらいます。
学習の到達目標 この研究分野において、受講者は自ら研究テーマを設定し、金融情勢の動向を的確に理解し、リサーチを行う上で求められる分析能力を修得できるようになります。
授業計画 第1回 イントロダクション(貨幣、金融システム、および金融政策の学習の意義を理解する)
第2回 現在の金融システムについての考察(貨幣、金融システム、経済の相互関係を理解する)
第3回 貨幣、金融機関および中央銀行Ⅰ(貨幣の役割を中心に考察し、金融機関と中央銀行の関連性を理解する)
第4回 貨幣、金融機関および中央銀行Ⅱ(金融の不安定性と規制を中心に考察し、金融機関と中央銀行の関連性を理解する)
第5回 貨幣、金融機関および中央銀行Ⅲ(中央銀行の役割を中心に考察し、金融機関と中央銀行の関連性を理解する)
第6回 金融市場、リスクと中央銀行の対応Ⅰ(金融市場の役割、種類、および仕組みを理解する)
第7回 金融市場、リスクと中央銀行の対応Ⅱ(金融市場、金融政策、および株価変動リスク)
第8回 金融市場、リスクと中央銀行の対応Ⅲ(金融危機と中央銀行の対応を理解します)
第9回 金融政策目標と政策手段Ⅰ(物価の安定、完全雇用の維持、為替の安定といった金融目標を考察する)
第10回 金融政策目標と政策手段Ⅱ(伝統的金融政策の概念、仕組み、およびその波及経路を理解します)
第11回 非伝統的金融政策(量的緩和、質的緩和、フォワードガイダンス)
第12回 非伝統的金融政策の期待効果と限界(概念と理論を中心に考えます)
第13回 日本における金融政策のケーススタディ(具体的なケーススタディを取り上げ、考察します)
第14回 アメリカにおける金融政策のケーススタディ(量的緩和政策を中心に考えます)
第15回 為替相場制度(固定相場制、変動相場制、管理フロート制の特徴と仕組み、国際金融トリレンマ)
第16回 外国為替相場の決定理論(購買力平価説、アセット・アプローチ理論、金利平価説)
第17回 円相場政策と日本経済(円相場の政策と日本経済に関する具体的な事例を取り上げ、考察します)
第18回 バブルと金融危機の歴史(バブルと金融投機の起源、チューリップ狂と90年代日本のバブル経済)
第19回 バブルの経済理論(どのような状況でバブルが発生するのか、バブルは実体経済にどのような影響をもたらすのかを考察します)
第20回 バブル、金融危機と行動ファイナンス(金融危機にはファイナンス理論がもたらすものであるのかを考察します)
第21回 ブラックマンディⅠ(ブラックマンディの原因とファイナンス理論の関連性を考察します)
第22回 ブラックマンディⅡ(金融リスク管理とその限界)
第23回 金融不祥事のケーススタディ(ベアリング銀行と不正トレーダー)
第24回 ヘッジファンドLTCM破綻(経緯、要因および影響を考察します)
第25回 アジア通貨危機と新興国の連鎖破綻Ⅰ(概要について)
第26回 アジア通貨危機と新興国の連鎖破綻Ⅱ(要因と影響について)
第27回 サブプライムローン問題と証券化商品(サブプライムローン問題の概要と証券化商品のしくみについて)
第28回 リーマンショックと金融危機からザーゼルⅢへⅠ(リーマンショックを中心に考察します)
第29回 リーマンショックと金融危機からザーゼルⅢへⅡ(金融危機からバーゼルⅢへを中心に考察します)
第30回 総括
授業外学習の課題 受講者が選んだテーマについての文献や資料を収集し、熟読することが前提となり、事前の準備が必要です。報告と議論では、これらの資料を活かしてテーマにアプローチするための考察や分析も求められるので、毎週の予習・復習には少なくとも3~4時間を目安として取ってください。
履修上の注意事項 授業全体を通して、自ら問題提起を行い、グループ討論には積極的に参加する姿勢を持ちましょう。
公認欠席は欠席として扱いますが、論文の最終判定には影響しないよう配慮します。
成績評価の方法・基準 報告(30%)、レポート(40%)、授業への取り組み(30%)によって総合的に評価します。
テキスト 必要な資料は配布します。
参考文献 Maureen Burton, Ray Lombra “ The Financial System and the Economy: Principles of Money and Banking, 4e” Thomson SW
植田 和男 (2010)『世界金融・経済危機の全貌―原因・波及・政策対応』慶應義塾大学出版会
ヌリエル・ルービニ(2010)『大いなる不安定』ダイヤモンド社
ニーアル ファーガソン(2009)『マネーの進化史』早川書房
吉野 直行 (著), 山上 秀文 (著) (2017) 『金融経済 第3版 ― 実際と理論』慶應義塾大学出版会
その他は授業で紹介する
主な関連科目 国際金融論研究、証券市場論研究、リスクマネジメント論研究、金融システム研究、金融統計・モデル分析研究
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業前後や授業中の質問は歓迎する。また、メールにて質問を受け付けます。
必要に応じて研究室への訪問時間を調整するので、連絡してください。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
商学研究科D商学専攻 2021~2022 1・2・3 - - - - -
商学研究科D商学専攻 11600 2024~2024 1・2・3 -