授業コード | 90107800 | 単位数 | 4 |
科目名 | 交通論特殊研究 | クラス | |
履修期 | 年間授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 橘 洋介 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 交通経済学の研究 |
学修の概要 | 交通問題を経済分析するにあたり、分析の基礎となる経済理論とその実証結果を把握できるようになってもらいます。本授業では交通問題の主要なテーマである混雑と過疎地での維持、社会的選択理論の交通分野への応用の3つを扱います。 |
学修の到達目標 | 当該研究分野について先行研究調査ができ、研究論文を執筆・公刊できるようになる。 |
授業計画 | 第1回 | 交通経済学とは 交通問題をミクロ経済学によって分析する意義を理解する。 |
第2回 | 交通混雑の経済分析 交通混雑に対する経済分析の系譜を概観する。 |
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第3回 | 古典的交通混雑理論:PigouからWalters周辺まで Waltersによる混雑状況の定義の誤りを理解する。 |
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第4回 | 古典的混雑理論と交通混雑に対する政策の展開 Waltersに準拠して政策提案されたSmeed報告や、それ以降の交通混雑に対する課金政策の動向を理解する。 |
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第5回 | 混雑理論の動学化 Wickreyによる混雑の定式化を理解する。 |
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第6回 | ADLモデル Arnott、de Palma、Lindseyによる混雑の動学モデルを理解する。 |
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第7回 | ADLモデルの拡張 ADLモデルに対する数々の拡張を把握する。 |
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第8回 | ADLモデルに基づく交通混雑に対する政策の展開 混雑レベルに応じた時間変動課金の動向を理解する。 |
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第9回 | ADLモデルのメカニズムデザイン的理解 ADLモデルがNash遂行可能である理由がグローブスメカニズムのサブケースであることから理解する。 |
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第10回 | ADLモデルの限界 モデルの仮定の現実妥当性からくる政策としての応用可能性の狭さを理解する。 |
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第11回 | 受講生による報告① 交通混雑に対する経済理論と政策のレヴュー、今後の展開について報告する。 |
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第12回 | 過疎地における公共交通維持の経済分析 採算制以外の維持の経済学的根拠を理解する。 |
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第13回 | 過疎交通の維持の政策 外部性の存在を根拠を理由に実施されている政策を網羅的に理解する。 |
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第14回 | 補助政策の効率性 政府による補助によって生じる資源配分の損失の根拠を理解する。 |
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第15回 | 上下分離政策 上下分離政策の目的と効果、限界や欠点を理解する。 |
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第16回 | 維持政策の妥当性 維持政策を実施するに足る外部効果があるのか否かについて、実証分析結果による検討を行う。 |
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第17回 | 経済的妥当性を失った公共交通についての考え方 効率性以外の維持の根拠を理解する。 |
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第18回 | 公正論による正当化① ロールズによる福祉国家的立場から維持を正当化可能か否かを理解する。 |
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第19回 | 公正論による正当化② ロールズに対するリバリタリアン等の批判を踏まえて正当化の可能性を再検討する。 |
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第20回 | 受講生による報告② 過疎地の公共交通の維持の効率性による支持の可能性と限界、公正論的アプローチの可能性と限界を報告する。 |
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第21回 | 制度設計理論とは 制度設計理論が経済学のどのようなフロンティアを開拓したのかを理解する。 |
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第22回 | 制度設計理論の展開 制度設計理論の発達史をレビューする。 |
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第23回 | 制度設計理論の成果①グローブスメカニズム グローブスメカニズムがどのようなメカニズムであるのかを理解する。 |
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第24回 | グローブスメカニズムの交通経済学への応用①公共財 交通分野における公共財的性質を満たすサービスへのグローブスメカニズムの応用可能性を理解する。 |
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第25回 | グローブスメカニズムの交通経済学への応用②混雑課金 準線形効用下での混雑課金へのグローブスメカニズムの応用可能性を理解する。 |
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第26回 | 制度設計理論の成果②オークション オークションメカニズムがどのようなメカニズムであるのかを理解する。 |
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第27回 | オークションメカニズムの交通経済学への応用 空港の発着枠配分に対するオークションメカニズムの応用可能性を理解する。 |
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第28回 | マッチングメカニズムの交通経済学への応用 物流事業におけるオークションメカニズムの応用可能性を理解する。 |
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第29回 | ユニフォームルールの交通経済学への応用 交通分野における公共財的性質を満たすサービスへのユニフォームルールの応用可能性を理解する。 |
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第30回 | 受講生による報告③ 交通分野における制度設計理論の応用可能性と限界を報告する。 |
授業外学習の課題 | 事前学習(2時間程度):大学院レベルのミクロ経済学の継続的な学習を行って下さい。また、現実の交通問題についても関心を持つようにして下さい。 事後学修(2時間程度):資料やノートを見返して、不明点は次回までに解消するようにしてください。 |
履修上の注意事項 | 受講者の理解度に応じて進度・内容を変更することがあります。 ※公認欠席制度について 公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件または期末試験の受験要件には影響しないように配慮します。 |
成績評価の方法・基準 | 授業への参加姿勢(40%)および課題(60%) |
テキスト | 特定のテキストは指定しません。各人の研究内容に沿って紹介します。 |
参考文献 | 特定のテキストは指定しません。各人の研究内容に沿って紹介します。 |
主な関連科目 | 交通論研究Ⅰ・Ⅱ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業時、もしくは事前にアポイントをとってもらえれば随時対応します。メールアドレスは授業の初回時にお伝えします。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
商学研究科D商学専攻 | - | 2021~2022 | 1・2・3 | - | - | - | - | - |
商学研究科D商学専攻 | 11600 | 2024~2024 | 1・2・3 | ○ | ○ | ○ | ○ | - |