授業コード 90104000 単位数 2
科目名 金融システム論研究Ⅰ クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 NGUYEN Duc Lap 配当年次 *下表参考

授業の題目 マネー、経済及び金融システム(Money, Economy and Financial System)
学修の概要 近年、金融機関や金融市場において重要な変化が見られています。規制の緩和、競争の激化、グローバリゼーション、技術革新、そして金融危機などが金融システムの特性を変えています。この変化の本質を理解するため、本講義では流動性を提供する金融機関や金融市場の役割、価格の乱高下の理由、情報非対称性の問題、金融の脆弱性、金融危機の要因、影響、政策対応などの重要なテーマを取り上げます。受講者はこれらのテーマについて報告と討論を行います。
学修の到達目標 金融に関する主要な概念と理論を理解すると同時に、変動する金融技術や金融規制などの金融システムに対する理解を深めるようになります。
授業計画 第1回 貨幣および信用の役割(貨幣の本質を考え、その役割を理解した上で、信用が資本の効果的な配分を可能にし、経済成長を促進する役割を理解します)
第2回 貨幣の進化(現在の紙幣やデジタル通貨に至るまでの貨幣の進化を理解し、貨幣の進化は経済の拡大と技術の進歩に伴い、取引の効率と利便性の向上にならびにその課題を理解します)
第3回 金融機関・金融市場の役割Ⅰ(資金調達・資金運用、決済の主な役割を理解し、投資の促進、リスク分散および中央銀行との連携を行い、金融システムの安定維持の役割を理解します)
第4回 金融機関・金融市場の役割Ⅱ(資金調達と資金運用の場を理解し、リスクの分散、流動性の提供、価格発見と市場価格の透明性、金利の形成と政策の伝達の役割が分かります)
第5回 株式市場における株価の決定理論(学術的な観点から株価の決定要因を探求し、効率市場仮説(Efficient Market Hypothesis)、資本資産価格モデルCAPM、行動ファイナンス理論、情報非対称性の概要とその関連性を理解します)
第6回 不確実とリスクの定量化Ⅰ(不確実性とリスクの相違点を理解し、期待効用理論による投資家がどのように意思決定を行われるかが分かります)
第7回 不確実とリスクの定量化Ⅱ(VaR、モンテカルロ・シミュレーション、バックテスト等の主なリスクの定量化方法を紹介します)
第8回 金融の効率性と金融規制Ⅰ(金融の効率性と金融規制のバランスはなぜ重要であるかを理解し、効率的市場仮説と情報の非対称性を考察します)
第9回 金融の効率性と金融規制Ⅱ(市場の透明性と信頼性を確保し、リスク管理と金融の安定性維持のための金融規制の必要性および枠組みを理解します)
第10回 金融脆弱性と歪みⅠ(金融脆弱性とは何か、負債過度依存、流動性リスク、信用リスクおよび市場の不透明性はどのように金融脆弱性に増加するかを理解します)
第11回 金融脆弱性と歪みⅡ(情報の非対称性、規制の歪み、過度な信用の供給および不適切な金融政策はどのように金融システムの歪みをもたらすかを理解します)
第12回 世界金融危機Ⅰ(リーマンショックの背景とサブプライムローン危機で市場での不安が高まり、金融機関の破綻と政府介入の一連の出来事を理解します)
第13回 世界金融危機Ⅱ(リーマンショックは世界金融市場への波及、企業の倒産、失業が増加し、世界的な景気後退はどのようになったか検証します)
第14回 世界金融危機Ⅲ(リーマンショックについての討論)
第15回 総括
授業外学習の課題 受講者が選んだテーマについての文献や資料を収集し、熟読することが前提となり、事前の準備が必要です。報告と議論では、これらの資料を活かしてテーマにアプローチするための考察や分析も求められるので、毎週の予習・復習には少なくとも3~4時間を目安として取ってください。
履修上の注意事項 授業全体を通して、自ら問題提起を行い、グループ討論には積極的に参加する姿勢を持ちましょう。

公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件または期末試験の受験要件には影響しないよう配慮します。
公認欠席となる場合は代替措置で対応するので、個別に相談してください。
成績評価の方法・基準 報告(30%)、レポート(40%)、授業への取り組み(30%)によって総合的に評価します。
テキスト 必要な資料は配布します。
参考文献 1. Maureen Burton, Ray Lombra “ The Financial System and the Economy: Principles of Money and Banking, 4e” Thomson SW
2. 植田 和男 (2010)『世界金融・経済危機の全貌―原因・波及・政策対応』慶應義塾大学出版会
3. ヌリエル・ルービニ(2010)『大いなる不安定』ダイヤモンド社
4. ニーアル ファーガソン(2009)『マネーの進化史』早川書房
5. その他は授業で紹介する
主な関連科目 国際金融論研究、証券市場論研究、リスクマネジメント論研究、金融システム研究、金融統計・モデル分析研究
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業前後や授業中の質問は歓迎する。また、メールにて質問を受け付けます。
必要に応じて研究室への訪問時間を調整するので、連絡してください。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
商学研究科M商学専攻 2021~2024 1・2 - - - - -