授業コード 84002800 クラス
科目名 乳児保育 単位数 2
担当者 中川 伸子 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 乳児の発達と保育実践 (Infant Development and Child Nursing)
授業の概要  少子化により乳児の数は減っているにもかかわらず、共働き家庭の増加により保育施設に通う乳児(3歳未満児)は増えているという現状がある。
 子どもは、生まれて間もない乳児であっても外界や人に働きかける能力を持ち、その能力で周りの世界を変化させる一人の人格をもった主体であるという反面、周囲のおとなの世話や助けがなければ生存すら危うい存在でもある。
 それゆえに、周囲のおとなは乳児をどうとらえ、どうかかわっていくことが一人の人間として乳児を尊重することになるのか、目覚めている時間の大半をともに過ごす保育者の責任と役割は大きい。
 本講では、乳児に最善の利益を保証するために、乳児保育の歴史や役割、多様な保育施設での乳児保育、健やかな発達を促すあそびや生活と環境、乳児保育の計画・記録・評価、保護者に対する子育て支援と乳児保育における連携・協働等の基本について学習する。
 
 本科目は、保育士課程科目の一つであり、保育士資格取得のための必修科目である。
学習の到達目標 1 乳児保育の歩みと変化を踏まえ、乳児保育の目的や役割について説明できるようになる。
2 乳児保育の多様な施設名を挙げ、そこでの保育の特色等について指摘できるようになる。
3 3歳未満児の発育・発達を踏まえ保育の内容と運営体制について説明できるようになる。
4 乳児保育における職員間や保護者との連携・協働について、自分の考えや方法を述べることができるようになる。
授業計画 第1回 オリエンテーション、乳児保育に関して知っておきたい法律
保育の基本となる「子どもの権利条約」の精神について学ぶとともに、テキストに頻出する基本的な法律を知ることによって、今後の学びのための基礎的知識を得る。
第2回 乳児保育の歩みと乳児保育の意義・目的、役割
現在までの乳児保育の歩みを知り、それと関連付けて乳児保育の目的や役割についてより深く理解する。
第3回 乳児保育における養護と教育
養護的なかかわりが中心となる「乳児保育」において教育との関係をどう考えるのか、乳児保育の実態を踏まえながら考える契機にする。
第4回 保育所・認定こども園における乳児保育
乳児保育の主要な施設での保育を学ぶことで、乳児の集団保育についての基本的な知識を得る。
第5回 児童福祉施設における乳児保育
児童福祉施設施設での乳児保育を知り、保育所保育等との共通点や違い、課題等について考える契機にする。
第6回 地域型保育事業等における乳児保育
多様な施設での乳児保育の実態を知り、保育所保育等との共通点や違い、課題等について考える契機にする。
第7回 乳児が育つ家庭への子育て支援
子育てのパートナーである保護者に対する様々な支援を学び、支援の在り方について自分なりの考えをまとめてみる。
第8回 乳児期の発達特性と乳児保育の基本ー発達の特徴、身体・運動発達、情緒の発達を踏まえてー
乳幼児期に発達の著しい身体・運動や情緒の発達とともに、それらの発達を促す保育の手立て等について基礎的な知識を得る。
第9回 乳児期の発達特性と乳児保育の基本ー自我の発達、認知の発達を踏まえてー
人格形成に重要な役割を果たす自我の発達と乳幼児期の認知発達を知り、それらの発達を促す保育の手立て等について基礎的な知識を得る。
第10回 乳児期の生活と環境
保育の主要な活動である生活の中での様々な環境(人的、物的、自然・事象)の役割について、基礎的な知識を得る。
第11回 乳児期のあそびと環境
生活と同様に保育の主要な活動であるあそびの意義・特徴や年齢に応じたあそびを知り、あそびを促す環境(人的、物的、自然・事象)についての基礎的な知識を得る。
第12回 乳児期から移行期への保育
移行期の保育について、乳児期との発達の連続性を踏まえて、幼児期の保育に適応するための留意点等基礎的な知識を得る。
第13回 乳児保育における計画・記録・評価
保育における計画・記録・評価の実際とその意義を知り、計画の一部を立案してみる。
第14回 乳児保育における連携と協働
職員間や保護者、地域の関連諸機関との連携と協働について基礎的な知識を得るとともに、職員間や保護者との連携・協働について、自分なりの考えや方法をまとめてみる。
第15回 まとめ
目標として、講義者の助けを得ながら、学習内容を振り返り、重要箇所やポイントについて自分で整理できるようになる。
授業外学習の課題 事前学修(2時間程度)テキストの該当箇所を事前に読み、各自疑問点等についてはできるだけ調べて授業に臨むこと。質問事項についても考えること。
事後学修(2時間程度)授業中わからなかった用語については各自で調べるとともに、提示された課題を行うこと。
履修上の注意事項 対面授業を実施する。

保育者は家族以外で一番最初に子どもとかかわるおとなであり、子どもの心(記憶)にいつまでも残る存在であるということを意識して、主体的に授業に参加してほしい。

公認欠席制度の配慮内容は以下の通り
・公認欠席については欠席として扱うが、単位認定要件または試験等の受験要件には影響しないようにする。
・公認欠席時の資料は後日配付する。
成績評価の方法・基準 試験(70%)、課題(20%)、受講態度(質問、ワークシート等10%)の総合的評価
テキスト 『保育士を育てる⑤ 乳児保育Ⅰ』 谷田貝公昭(監修) 中野由美子(編著)・高橋弥生(編)
一藝社 2020 ISBN 978-4-86359-204-9 C3037 ¥2100E (本体2,100円+税)
参考文献 『保育所保育指針〈平成29年告示〉』フレーベル館、『幼稚園教育要領〈平成29年告示〉』フレーベル館、『幼保連携型認定こども園教育・保育要領〈平成29年告示〉』フレーベル館、
『赤ちゃんの発達とアタッチメント』遠藤利彦(著)ひとなる書房 2017
主な関連科目 乳児保育演習  幼児発達心理学  幼児心理学演習
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業の前後に口頭での質問等を受けつける。
その他、授業中に配付されるワークシートに質問等を記入し提出すること。次回授業の初めに質問等について回答する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部教育学科(資格関連科目) 2019~2022 1・2・3・4 - - - - -
人文学部教育学科(資格関連科目) 2023~2023 1・2・3・4 - -