授業コード | 70009100 | 単位数 | 2 |
科目名 | 政治特論B(国際ジャーナリズム論) | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 船津 靖 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 国際政治と報道 International Politics and Journalism |
学修の概要 | 開講時期から、4年に一度のアメリカ大統領選挙が国際ニュースの中心になりますが、ロシア・ウクライナ戦争、中東情勢、さらにパリ五輪で関心が高まったフランスなど西欧にも目配りします。 授業の柱は、①国際ニュースの知識と時事英語、②事実確認、言論の自由の重要性、③教員の海外での取材・報道経験~です。①知識がないと理解できません。英単語を知らないと英文が読めないのと同じ。②ジャーナリズムはリベラル・デモクラシー(自由・民主主義)の土台。国際報道を主導してきた米英メディアを主に取り上げます。③ジャーナリズムは実務。締切や字数との闘い、他社や同僚との競争。海外取材の経験や実務の工夫をお話しします。 授業は生の質問や感想の文章を映し、答えることから始めます。最新の国際ニュースを解説します。多様な視点を紹介し「協創」を目指します。文章表現の技術を指南します。 ロシアのウクライナ侵略、中国の軍拡で「新冷戦」とも呼べる状況です。日本がエネルギー資源の大部分を依存する中東はイランと米・イスラエルの対立で不安定化しています。日本は人口が減少し空前の財政赤字が積み上がっています。女性の社会的地位は先進国で異例に低いまま。「核兵器なき世界」が叫ばれる中、ロシアは核兵器使用で威嚇するなど、核廃絶への現実的な可能性はゼロ。AI(人工知能)やEV(電気自動車)、先端半導体を軸にビジネス環境が急変しています。 「知識(量)」を重視します。「量」が増えると「質」も向上します。「思考」より「調査」「確認」。知識がないと突飛な推測や的外れの主張になりがち。国際理解では無知な人ほど「個性的」「独創的」。「下手な考え休むに似たり」。精神分析で高名なユングは、 「事実が少ないと、人の心は憶測に走ってしまうものだ」 と述べています。大学が課す「身に付く能力」の「思考力」に私があえて〇を付けない理由です。自分が属する共同体(日本、広島)の常識をいったん離れ、「他者」が渦巻く国際社会の客観的な現実を学びましょう。 【実務経験】 共同通信記者として国内3支局で警察、裁判所、県庁や国政選挙を取材後、モスクワ、エルサレム、ロンドンの特派員、ニュースセンター総合関門、ニューヨーク支局長、国際局次長、編集・論説委員などを務めてきました。近著に『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(KAWADE夢新書)。ほかに著書『パレスチナ 聖地の紛争』(中公新書)。共著に『世界年鑑』『20世紀 未来への記憶』『アメリカ文化事典』 |
学修の到達目標 | ディプロマポリシーが掲げるThink Globally~世界の諸問題への知識、国際社会の多様性とダイナミズムを理解する能力を養うのが到達目標。①国際常識を身に付け、国際ニュースをフォローできるようになる、②重要で優先度の高い情報を選び出し要点をまとめられるようになる、③フェイクニュースに騙されにくくなる、④建て前と本音、看板と実態の区別がつけられるようになる、⑤人間の認識能力が時代や共同体の利害に強く制約されていることを理解できるようになる、⑥他者の視点を含む多角的な現実分析ができるようになる、⑦具体的で明快な文章が書けるようになる、⑧英語のニュース記事が徐々に読めるようになる(目標は英検準1級以上)。 |
授業計画 | 第1回 | ①Mainstream Media: the Latest News, Fact Checks, Verification 米英の主要メディア、最新ニュースを概観し、事実確認や検証の重要性を学ぶ |
第2回 | ②the U.S. Presidential Election①: System and Background アメリカ大統領選挙の仕組みと近年の経緯を理解できるようになる |
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第3回 | ③Nobel Prizes: Science, Literature, and Peace ノーベル賞(科学、文学、平和)の特別な報道価値について理解できるようになる |
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第4回 | ④Trump the Populist: Fake News, Conspiracy Theories トランプ前大統領登場と共に急拡大した偽情報の危険や陰謀論の荒唐無稽さを学ぶ |
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第5回 | ⑤New York Times v. Sullivan, Pentagon Papers, Watergate Scandal 画期的なニューヨーク・タイムズ対サリヴァン判決と米主要紙の歴史的スクープ報道を学ぶ |
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第6回 | ⑥the U.S. Presidential Election: Survey and Predictions 直前に迫ったアメリカ大統領選挙の情勢に関する報道を分析できるようになる |
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第7回 | ⑦the U.S. Presidential Election: New American President 11月5日投開票されたアメリカ大統領選挙の開票速報と結果の報道プロセスを理解できるようになる |
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第8回 | ⑧Wars and Nuclear Weapons: International Security with the Next U.S. Administration 戦争と核兵器を中心に、次期米政権と国際安全保障について基本的な知識を持てるようになる |
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第9回 | ⑨Social Psychology: Stereotype: Agenda Setting, Spiral of Silence, Cognitive Dissonance 社会心理学のステレオタイプ、アジェンダ設定、沈黙の螺旋、認知的不協和などの理論を学ぶ |
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第10回 | ⑩Foreign Correspondent: Personal Accounts 海外特派員の経験に関する質問を考え、個人的な話を聞き出す手法を徐々に学ぶ |
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第11回 | ⑪Pearl Harbor Surprise Attack: Imperial Japan's Fiasco, Atrocities against Asian people 真珠湾奇襲攻撃という大日本帝国の大失敗と、広島が関与したアジアの人々への残虐行為を知る |
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第12回 | ⑫Fight for Freedom: Oppression and Death of Journalists ロシアなど権威主義国家で自由を求めて闘ったジャーナリストの犠牲について知る |
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第13回 | ⑬Power Corrupts: I Will Defend to the Death Your Right to Say it 権力の腐敗、言論の自由について、歴史的な格言を通して深く考えられるようになる |
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第14回 | ⑭Beyond Belief: the Trap of Liberalism リベラリズムは大切な価値だが、想像を超える悪には弱さを露呈する場合があることを知る |
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第15回 | ⑮ Final Summary: Cool Heads, but Warm Hearts 英経済学者マーシャルの言葉「冷静な頭脳と温かい心」から人間の自由と言葉の大切さを考える |
授業外学習の課題 | 事前学修(1時間程度)Moodleに掲載された資料や記事、週間リポートをざっと読む。興味のある分野を調べたり、質問を考えたりする。 事後学修(1時間半程度)授業の復習。資料や自分のノートを読み返し、固有名詞、キーワード、英語を中心に記憶の定着を図る。課題があるときは感想や質問を提出する。 共通の情報インフラとしてNHKのニュース防災アプリhttps://www3.nhk.or.jp/news/(無料)の国際・外交ニュースに目を通す。日本経済新聞(電子版含む)など全国紙や中国新聞の国際面や民放の報道番組に接する。週に1時間半以上。 |
履修上の注意事項 | 専用ノートに板書や講義のメモに取る。メモの技術は勉強でも実務でも基本。シラバスは暫定的。大ニュースが飛び込めば臨機応変に変更します。 欠席や遅刻の多い学生は歓迎しません。公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件や期末試験の受験資格には影響しないように配慮します。公認欠席時にMoodle掲載以外の配布資料があれば後日お渡しします。追試は教学センターの手続きで。 私語は迷惑。出席登録は厳正に。不正行為には最大限厳格に対処します。努力する気のない学生は履修しないでください。向学心のある学生には最大限の支援を惜しみません。 前期メディア論との違いは、英語メディアや国際ニュースにさらに傾斜していること。前期と後期でニュースの内容は異なること。学生の質問で内容は変化すること、重複する箇所は基礎的・原理的な重要事項で反復学修に値します。マクロ経済学や財政学でもミクロ経済学の基本が繰り返し出てくるのと同じと考えてください。 |
成績評価の方法・基準 | 受講状況約30%、期末試験約70% 期末試験受験は原則10回以上の出席が条件。事前に相談すれば個別の事情に柔軟に配慮する。 |
テキスト | レジュメや関連記事、「週間リポート」などをMoodleに掲載する。各自、地図帳を準備してほしい。 |
参考文献 | 船津靖『パレスチナ 聖地の紛争』(2011年)『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(2024年)。ワシントン・ポスト紙ボブ・ウッドワード記者の一連の著作、スヴェトラーナ・アレクシエービッチ『戦争は女の顔をしていない』、パトリック・モディアノ『1941年。パリの尋ね人』(いずれもノーベル文学賞受賞)など適宜紹介する |
主な関連科目 | 政治と社会(アメリカ)を履修していることが望ましい 総合教養講義b(メディア論)、政治と社会(中東)、異文化理解論 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業中・授業後やMoodleでの質問を歓迎します。相談などはメール(funatsu@shudo-u.ac.jp)や個人面談で。勉強法、留学、就活、就業などについての相談にも応じます。期末試験についてはMoodle上に解答例や講評などを掲載します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) | FGRA30313 | 2018~2022 | 3・4 | - | - | - | - | - |