授業コード | 70006700 | 単位数 | 2 |
科目名 | 政治・経済特論B(政治と歴史認識) | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 宇野 伸浩 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 前近代の歴史観と近代国民国家の歴史認識 |
学修の概要 | ギリシア・ローマ文明、中国文明、イスラム文明、遊牧社会がどのような歴史観を持っていたかについて、代表的な歴史書を取り上げ、近代以前の社会の歴史認識について考察する。また、近代国民国家における歴史学の発展を解説したうえで、現在の各国の中学校・高校の歴史教科書をもとに、歴史上の事件に対する各国の歴史観・歴史認識の違いを比較考察する。近代の戦争に対する日本と近隣諸国の歴史認識の違い、歴史認識と歴史教育のあり方、日本の歴史教科書の問題についても考察する。 |
学修の到達目標 | 前近代の各文明の歴史家の書いた有名な歴史書に表れる歴史観や、現代の欧米やアジアの国民国家の教育で使われている歴史教科書に表れる歴史認識を知ることによって、歴史がどのように作られるかを知り、歴史のとらえ方、理解の仕方が立場や考え方によって様々に変わりうることを理解する。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション:日本の世界史教育と「歴史総合」 この科目の概要と理解するとともに、日本の世界史教育の特徴、近年始まった「歴史総合」の意義について理解できるようになる。 |
第2回 | 諸文明の歴史観①中国文明 司馬遷『史記』 『史記』の歴史書としての特徴やその独創性、司馬遷がそのような方法に至った理由について理解できるようになる。 | |
第3回 | 諸文明の歴史観②ギリシア・ローマ文明 ヘロドトス『歴史』 ヘロドトス『歴史』とトゥキュディデス『戦史』を比較し、歴史書としての両者の違いについて理解できるようになる。 | |
第4回 | 諸文明の歴史観③イスラム文明 ラシード・ウッディーン『集史』 イスラム文明で編纂された歴史書の一つのタイプである普遍史について理解し、その実例として『集史』の特徴について理解できるようになる。 | |
第5回 | 諸文明の歴史観④遊牧社会 『元朝秘史』 チンギス・カンについて書かれた『元朝秘史』が必ずしも史実を正確に書き留めることを目的にしていないことを理解するとともに、そのようなタイプの歴史書が存在する理由を理解できるようになる。 | |
第6回 | 近代国民国家における歴史学の発展と歴史教育 ランケとミシュレ 近代歴史学が創始された時期に活躍したドイツのランケとフランスのミシュレを比較し、両者の歴史家としての考え方の違いについて理解できるようになる。 | |
第7回 | 近代国民国家における歴史認識①スペインとポルトガルの歴史教科書 スペインとポルトガルの高校の歴史教科書と日本の世界史の教科書を、新大陸征服について比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第8回 | 近代国民国家における歴史認識②イギリスの歴史教科書 イギリスの中学の歴史教科書と日本の世界史の教科書を、黒人奴隷貿易について比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第9回 | 近代国民国家における歴史認識③ドイツとフランスの歴史教科書 ドイツとフランスの高校の歴史教科書と日本の世界史の教科書を、第一次世界大戦について比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第10回 | 近代国民国家のおける歴史認識④韓国の歴史教科書16世紀 韓国の高校の歴史教科書と日本の日本史の教科書を、秀吉の朝鮮出兵について比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第11回 | 近代国民国家における歴史認識⑤韓国の歴史教科書20世紀 韓国の高校の歴史教科書と日本の日本史の教科書を、日清戦争、日露戦争、日韓併合について比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第12回 | 近代国民国家における歴史認識⑥沖縄の歴史資料集 沖縄で使われている高校の歴史資料集と日本史の教科書を、琉球処分などについて比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第13回 | 近代国民国家における歴史認識⑧中国の歴史教科書 中国の高校の歴史教科書と日本の日本史の教科書を、台湾割譲について比較し、両者の違いを理解できるようになる。 | |
第14回 | 近代国民国家における歴史認識⑨複数の国家の歴史家が関わって書かれた共通歴史教科書をとりあげ、共通歴史教科書の長所や特徴について理解できるようになる。 | |
第15回 | まとめと試験解説 複数の国家に関係する過去の歴史の認識は、様々な理解・認識が可能であることが多く、教科書に書かれている歴史はその一つが書かれている過ぎないことを理解できるようになる。 |
授業外学習の課題 | 授業外学習として、授業に関係するミニレポートをMoodle上で提出する。そのための授業外学習の目安は6時間程度。そのほか、授業外の学習として、参考文献にあげてある本や自分が興味を持った歴史に関係する本を読んだり、歴史に関係するドキュメンタリーを観たりすることにより、日本や世界の歴史に対する興味関心を広げることが望ましい。 |
履修上の注意事項 | 授業資料を配り、それを用いて授業を進める。毎回の授業で出席カードを配布し、授業の最後に授業の内容に関係する課題を出すので、それに回答すること。正当な理由のない遅刻早退をしないこと。 公認欠席については、公認欠席の回に配布した資料を後日配布する。 公認欠席の回に出した課題については、後日提出することを認めるので、教員に問い合わせること。 |
成績評価の方法・基準 | 期末試験を実施する。毎回の課題に対する回答、ミニレポート、期末試験をもとに総合的に評価する。毎回の課題に対する回答30%、ミニレポート20%、期末試験50% |
テキスト | なし |
参考文献 | NHK「映像の世紀」世界の近現代史についてドキュメンタリーとして優れている。 『世界の教科書シリーズ①~㊻』明石書店 『歴史学事典』1~19巻、弘文堂 細谷雄一『歴史認識とは何か』新潮社 岡田英弘『歴史とはなにか』文藝春秋 新城俊昭『高等学校 琉球・沖縄の歴史と文化』東洋企画 歴史教育研究会『日韓歴史共通教材 調べ・考え・歩く日韓交流の歴史』明石書店 ⽇韓共通歴史教材制作チーム『朝鮮通信使:豊⾂秀吉の朝鮮侵略から友好へ』明⽯書店 |
主な関連科目 | 総合教養講義a(歴史人類学) |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
基本的に教室で授業の前後に質問・相談に対応する。 試験の講評をMoodle上で行う。毎回の課題・ミニレポートについてのフィードバックは授業の中で行う。 その他、連絡が必要なときは、メール(nobuhiro@shudo-u.ac.jp)で受け付ける。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
国際コミュニティ学部国際政治学科(政治・経済領域) | FGGP30605 | 2018~2022 | 3・4 | - | - | - | - | - |
国際コミュニティ学部国際政治学科(政治・経済領域) | FGGP30605 | 2023~2023 | 3・4 | ○ | ○ | - | - | - |