授業コード 70004500 単位数 2
科目名 西洋政治外交史 クラス
履修期 第4学期 カリキュラム *下表参考
担当者 矢田部 順二 配当年次 *下表参考

授業の題目 欧米を中心とする国際関係の歴史的変動 
Historical Upheaval in International Relations Focused on the Western Countries
学修の概要  一般に、近代国際社会の国際関係は、三十年戦争ののちに成立した西欧国家体系が世界に拡散する過程と考えることができます。本講義では、ヨーロッパ外交史を基礎としながら、ナショナリズムの登場や、資本主義の発達と社会の変化、世界の植民地化と帝国主義の対立、第一次世界大戦、ファシズムと第二次世界大戦、を主要なトピックとして、20世紀前半までのヨーロッパ国際関係の歩みを概説し、現代の国際政治に与えた影響を考えます。
 歴史は現在と過去の対話といわれますが、現代の国際政治が形成された背景を歴史的文脈の中に位置づけることをこの科目の目標とします。
学修の到達目標 ①17世紀から1940年代までの国際社会の変容に関する専門用語のいくつかを説明することができる。
②1940年代までの国際関係の重要な事件や紛争の概要と原因・結果を説明することができる。
③現代の国際政治の課題を、その歴史的文脈にさかのぼって関係づけることができる。
授業計画 第1回 ガイダンス・国際関係の歴史分析とは
この授業の受講方法について理解する。この授業が対象とする時代、地域区分、国際政治史とは何かに就いて概要をつかむ。
【キーワード】西洋、国際関係、主権国家、国民国家
第2回 基礎講義(外交・戦争)  
 西洋の政治外交史を考えるとき必要な、外交や戦争の概念とその変遷について、概要を説明できるようになる。
【キーワード】外交、戦争、国益、国力
第3回 西欧国家体系と主権国家の成立
 三十年戦争(1618-48)前後のヨーロッパの変化と絶対主義の主権国家による近代国際社会の成立について説明することができる。【キーワード】三十年戦争、ウェストファリア条約
第4回 絶対主義国家の勢力均衡
 17世紀後半から18世紀前半にかけての大国間の覇権争いとその結果について説明できる。
【キーワード】絶対主義国家、勢力均衡、七年戦争、産業革命
第5回 フランス革命と国民国家
 18世紀後半のアメリカの独立、フランス革命についてその原因と結果を説明できる。
【キーワード】大西洋革命、市民革命、自由と平等、ナショナリズム、ナポレオン戦争
第6回 19世紀前半のウィーン体制
 ウィーン体制の成立から崩壊の流れ、保守主義と自由主義の対立を簡単に説明できる。
【キーワード】宮廷外交、正統主義、ウィーン体制、1848年革命
第7回 民族意識の覚醒と欧州社会の変化
 19世紀後半のヨーロッパ社会の変化について、=民族意識覚醒の拡がり、社会階層の分化、資本主義化について説明できる。
【キーワード】資本主義、国民統合、社会主義、愛国教育
第8回 イタリア、日本、ドイツの登場
 19世紀後半のイタリア、日本、ドイツの国家統合について、その経緯と影響を説明できる。
【キーワード】イタリア統一、明治維新、ドイツ統一、ビスマルク外交
第9回 フランツ=ヨーゼフとその時代(ビデオ)
 19世紀後半に在位し、内政的にはハプスブルク帝国の動揺に、外交的には欧州諸国の勢力変化に直面したフランツ・ヨーゼフ帝について理解する。
【キーワード】イタリア独立戦争、普墺戦争、アウスグライヒ
第10回 帝国主義と世界分割
 1870年代以降におけるヨーロッパ大国間の帝国主義対立と世界の植民地化について理解し、国際関係の緊張が増大した状況を説明できる。
【キーワード】帝国主義、世界分割、三国同盟(1882年)、三国協商
第11回 第一次世界大戦
 第一次世界大戦の原因と推移、その結果について説明できる。
【キーワード】サライェヴォ事件、塹壕戦、三枚舌外交、ロシア革命
第12回 ヴェルサイユ体制の成立
 第一次世界大戦後成立したヴェルサイユ体制について、その形成過程と影響、問題点を整理できる。
【キーワード】パリ講和会議、ヴェルサイユ条約、国際連盟、民族自決
第13回 ファシズムの登場と世界恐慌
 イタリアにおけるファシズムの登場から世界恐慌の発生にかけての欧米諸国の変化について概要を説明できる。
【キーワード】ファシズム、ロカルノ条約、世界恐慌、もてる国ともたざる国
第14回 ナチズムと第二次世界大戦
 ドイツにおけるナチス政権の成立から第二次世界大戦開始までの国際関係の変化について概要を説明できる。 
【キーワード】ヒトラー、再軍備宣言、オーストリア併合、ミュンヘン協定、独ソ不可侵条約
第15回 まとめ:第二次大戦の推移と戦後構想
 第二次世界大戦の特徴と三大国による戦後構想立案のあらましを説明できる。まとめとして各回の要点をふり返る。
【キーワード】帝国主義戦争、反ファシズム戦争、連合国                   
各回のトピックは必要に応じて変更することがあります。
授業外学習の課題 ①テキストについては、授業中にも用いるが、基本的に授業回に該当する箇所を読んであるものとして講義をおこなう。毎回、事前準備としてテキストの読解、キーワードの下調べに90分程度の時間を宛てること。
②事後学習としては、毎回授業内容を補足する配付資料(レジュメ)を配付するので、ノートまとめの復習をすること。また西洋政治外交史Moodleに練習問題・課題が示されるので、毎回20分程度はその演習に取り組むこと。事後学習には90分程度必要である。
③その他宿題として小レポートなどを課すので、指示にしたがって取り組むこと。
履修上の注意事項 ①第4学期週2回(火曜・金曜)15回で完結します。2回連続で欠席すると話のつながりが分かりにくくなるので注意してください。
②遅刻、授業中の私語は厳禁です。
③原則として毎回、ICカードリーダーとOCR用紙によって参加状況を確認します。提出物の期限を厳守してください。リアクションペーパーの取扱いについては第1回で詳説します。
④欠席が授業回数の3分の1となった場合は、単位を修得できません。公認欠席の場合は、単位認定要件または期末試験の受験要件には影響しないように配慮するので、必ず証明を添えて公認欠席届(様式1)を教学センターに提出してください。
※より詳しくは開講時に説明します。
成績評価の方法・基準 期末テスト(80%)、リアクションペーパーおよびワークシート(20%)として総合評価します。
テキスト 小川浩之、板橋拓己、青野利彦『国際政治史:主権国家体系のあゆみ』(有斐閣、2018年)
参考文献 佐々木雄太『国際政治史—世界戦争の時代から21世紀へ』(名古屋大学出版会、2011年)
主な関連科目 日本と世界の現代史、ヨーロッパの政治と社会、地域研究特論A(ロシア)、地域研究特論A(東欧)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
各回の内容に関する質問は授業終了後に提出するリアクションペーパーの中に書いてください。共有すべき質問は、次週のレジュメに回答を載せるので、復習時にあわせて読むことができます。
また木曜日の昼休みをオフィスアワーにするほか、これ以外で質問したいときには、メールすることも可能です。ただしこの場合は学籍番号と氏名を明記してください。
試験に関しては、採点後に総評をMoodleに掲載することでフィードバックします。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
国際コミュニティ学部国際政治学科(地域研究領域) FGGP20503 2018~2022 2・3・4 - - - - -
国際コミュニティ学部国際政治学科(地域研究領域) FGGP20503 2023~2023 2・3・4 -
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) FGRA20304 2018~2022 2・3・4 - - - - -