授業コード 50020300 単位数 2
科目名 科学技術社会論 クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 宮川 卓也 配当年次 *下表参考

授業の題目 科学技術と社会 Science and Technology in Contemporary Society
学修の概要 現代社会において科学技術の恩恵あるいは依存度は、もはやなくては生活基盤が成り立たないほど高まっており、同時に現代社会が直面している問題の多くも科学技術との関連性が高まっている。また科学技術に関連する問題が、科学技術だけで解決することが困難なケースも増えている。たとえば近年増加傾向にあるとされる自然災害や、最先端技術が惜しみなく投入される軍事技術、ヒトという個体の境界を曖昧にする生体移植技術や遺伝子科学、そして2020年から世界を大きく揺るがしている新型コロナウィルスなどの諸問題において、科学技術のみならず政治や経済、法、社会、道徳、倫理など多方面からのアプローチがますます重要になっている。本講義は、現代社会における科学技術のあり方や機能をどのように考えるべきなのか、そもそも科学技術とは何なのか、「科学が問うことはできても科学が答えられない」ような複雑な事例に対して私たちはどう向き合うのか、などの問題群を取り上げ、科学技術と社会の関係について様々な角度から問いかける。
2023年度以降入学の学生については、本科目は「科学技術と現代社会」(発展科目)の履修前提科目である。
学修の到達目標 現代社会、特に日本において見られるさまざまな科学技術に関連する問題について批判的で論理的に考えられる目を養うことを目標とする。もはや「難しい」「よくわからない」では済まされないことを理解し、その上で諸問題について自分の頭で考えて発言できるようになることを目標とする。
授業計画 第1回 イントロダクション:科学とは何か、科学技術社会論とはどういう学問か、科学技術と私たちの関係はどうあるべきかなど、本講義の目的や射程について説明する。
第2回 科学リテラシー(1):われわれは科学の何を知るべきなのか、「科学を知る」とはどういうことか考える。科学リテラシー(1):われわれは科学の何を知るべきなのか、「科学を知る」とはどういうことか考える。
第3回 科学リテラシー(2):「科学を知る」ことでわれわれは何ができるのか考える。
第4回 科学と専門性(1):科学者・専門家とは何か、専門家と非専門家の違いは何かについて考える。
第5回 科学と専門性(2):科学者・専門家とは何か、どのような自由と責任を負うのか考える。
第6回 科学的根拠(1) 水俣病:水俣病事件が今日に至るまで混迷を見ているのはなぜか、現代科学の特質から考える。
第7回 科学的根拠(2) COVID-19:新型コロナウィルスをめぐる混乱の根底に何があるのか考える。
第8回 科学と不確実性(1) 地球温暖化:温暖化に関する議論がなぜ錯綜してきたのか考える。
第9回 科学と不確実性(2) 原子力発電:原発問題の本質は何なのか考える。
第10回 科学とリスク(1):遺伝子組換え食品の事例を通じて「科学的リスク」とは何か考える。
第11回 科学とリスク(2): われわれが口にするバナナはどこからやってくるのか概観する。
第12回 科学と市民(1) 原発と責任:原発をめぐる責任は誰がどうやって負うのか考える。。
第13回 科学と市民(2) 原発のコスト:科学技術政策のツケを誰がどうやって払うのか議論する。
第14回 科学と市民(3) アスベスト:科学・技術と市民、政府の関係を考察する。
第15回 新情報社会:情報社会の本質はどこにあるのか、AIやビッグデータは社会に何をもたらし、われわれの生活とどう結びつくのか考える。
授業外学習の課題 事前にMoodleにアップロードされるレジュメに目を通すこと。
参考文献、映画、ドキュメンタリーを読む・観ること。科学技術に関連する各種ニュースに目を通すこと(計30分程度)。
履修上の注意事項 0) 本講義は対面で実施する。
1) 授業計画は受講生の反応や理解度に応じて変更する可能性がある。
2) 事前知識は必要としないが、日々のニュースにあふれる科学技術に関連するものに関心を向けること、自分の身の回りにある科学技術について考えてみること。
3) 大人の分別をもって講義に臨むことを期待する。
4) レポート作成にあたって、宮川の「レポート作成上の注意」を必ず読むこと(Moodleに公開)。
5) 公認欠席制度の配慮内容は以下の通りとする。
  *公認欠席は欠席としてカウントしない。
  *課題やレポートの提出締切日に公認欠席となる場合は、応相談。
成績評価の方法・基準 期末試験(40%)とレポート(20%x3)で評価する。レポート課題については講義中に説明するが、読書課題を3冊読んで書くものとなる。
レポート課題に一つでも未提出があれば評価対象としない。
テキスト 特に指定はしないが、参考文献を何冊かを読むことを勧める。
参考文献 平川秀幸『科学は誰のものか』NHK出版、2010年
村上陽一郎『科学者とは何か』新潮選書、1994年
村上陽一郎『科学の現在を問う』講談社現代新書、2000年
柴田鉄治『科学事件』岩波新書、2000年
鶴見良行『バナナと日本人』岩波新書、1982年
廣野善幸『サイエンティフィック・リテラシー』丸善出版、2013年
宮坂和男『科学技術の現況といま必要な倫理』晃洋書房、2019年
山本義隆『近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻』岩波新書、2018年
金森修『科学の危機』集英社新書、2015年
隠岐さや香『文系と理系はなぜ分かれたのか』星海社新書、2018年
塚原東吾ほか編著『よくわかる現代科学技術史・STS』ミネルヴァ書房、2022年
主な関連科目 「入門特殊講義(日本の科学技術)」、「科学技術と倫理」
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
木曜日2限(事前に必ずアポをとること)。それ以外の曜日・時間については応相談。
質問は随時受け付ける。レポートについてのコメントは提出の翌週に行う。
期末試験についての講評はMoodle上にて行う。
添付ファイル レポート ルーブリック (宮川 2024.02.pdf 説明

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人間環境学部人間環境学科(入門科目) FHES11113 2018~2022 1・2・3・4 - - - - -
人間環境学部人間環境学科(入門科目) FHES11111 2023~2023 1・2・3・4 - -
人間環境学部人間環境学科(入門科目) 51200 2024~2024 1・2・3・4 - -