授業コード 42035002 クラス 02
科目名 解析学Ⅱ 単位数 2
担当者 田神 慶士 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 1変数関数の積分と2変数関数の微分 Analysis II: Integral and differential calculus
授業の概要 この授業では1変数関数の積分と2変数関数の微分について基本事項を扱う。
積分は微分の逆概念として定義され、微分方程式の解法などに使われる。微分方程式は経済現象を記述する際にしばしば登場する方程式であるため、その解法で用いられる積分論を知ることは記述された経済現象の理解を助ける。2変数関数は複数のパラメーターによって決まる経済現象の記述に頻繁に用いられる。経済学では微分が不可欠であることから、2変数関数の微分を学ぶことには経済学を学ぶ学生にとって一定の意義がある。
そこで本講義では、これらの内容について基礎事項を重点的に取り扱う。積分論は定義からはじめて基本的な計算、置換積分法や部分積分法を用いた計算法を紹介する。2変数関数の微分では偏微分とその計算手法を取り扱う。その応用としてテイラーの定理と極値判定法を紹介する。余裕があれば回帰分析等の統計分野への応用を紹介する。講義は連続した15回の授業であるため、授業計画が前後することがある。
学習の到達目標 1変数関数の積分論を連続関数に限定して理解する。1変数関数で成り立っていた微分の理論の多くが2変数関数についても成り立つことを理解する。
行動目標:基本的な関数について不定積分・定積分できる。置換積分や部分積分を用いて複雑な関数の積分を計算できる。2変数関数の偏微分が計算できる。連鎖公式を用いて2変数関数の合成関数を偏微分できる。テイラーの定理を用いて2変数関数を多項式で近似できる。偏微分を用いて極値を推定できる。
授業計画 第1回 微分の復習:
1変数関数の微分の内容を復習する。それを通じて、微分の逆概念である積分の難しさがどこにあるか説明できるようになる。
第2回 不定積分の定義と線形性、基本的な関数の不定積分:
不定積分の定義を知る。定義からその基本性質を暗唱できるようになる。
第3回 不定積分の置換積分法:
不定積分の計算テクニックである置換積分法を知り、それを用いて簡単な関数の不定積分を計算できるようになる。
第4回 不定積分の部分積分法:
不定積分の計算テクニックである部分積分法を知り、それを用いて簡単な関数の不定積分を計算できるようになる。
第5回 定積分の定義:
定積分の定義が関数が与えるとある図形の面積であることを説明できるようになる。
第6回 定積分の置換積分法:
定積分の計算テクニックである置換積分法を知り、それを用いて簡単な関数の定積分を計算できるようになる。
第7回 定積分の部分積分法:
定積分の計算テクニックである部分積分法を知り、それを用いて簡単な関数の定積分を計算できるようになる。
第8回 積分の総復習:
積分論の総復習のために演習問題に取り組む。それを通じて理解が足りていない箇所を把握する。また、受講生同士でコミュニケーションをとりながら問題に取り組むことで、わかっていたつもりになっていた箇所を発見できるようになる。
第9回 2変数関数の偏微分:
2変数関数の偏微分の概念を獲得する。また、簡単な関数について偏微分の計算ができるようになる。
第10回 2変数関数と1変数関数の合成関数の微分(連鎖公式1):
2変数関数の変数に別の関数を代入することで得られた1変数関数を連鎖公式を使って微分できるようになる。
第11回 2変数関数と2変数関数の合成関数の微分(連鎖公式2):
2変数関数の変数に別の2変数関数を代入することで得られた2変数関数を連鎖公式を使って偏微分できるようになる。
第12回 1変数関数のテイラーの定理:
1変数関数のテイラーの定理を使って1変数関数が多項式で近似できることを説明できるようになる。
第13回 2変数関数のテイラーの定理:
2変数関数のテイラーの定理が1変数関数のテイラーの定理と連鎖公式から従うことを知る。またそれを使って2変数関数を多項式で近似できるようになる。
第14回 2変数関数の極値判定法:
2変数関数のテイラーの定理を詳しく観察することで、2変数関数の極値を2階偏微分の情報から決定できる場合があることを知る。それを使って具体的な2変数関数の極値を決定できるようになる。
第15回 回帰分析:
2変数関数の極値判定法の応用として2次元分布を直線で近似する回帰分析の手法を獲得できるようになる。
授業外学習の課題 事後学習(4時間程度):講義で扱った内容を復習すること。特に、授業中に行った小テストの復習をしておくこと。
履修上の注意事項 授業中のデジタルデバイス(スマホ・パソコン・カメラ等)の使用は認める。ただし、動画撮影は禁止する。特別な理由が無い限り授業内容をノートに記録することを推奨する。
本科目は原則、解析学コースの学生のみ受講できる。
※公認欠席制度の取り扱いは以下の通りとする
・公認欠席は単位認定要件に影響しないよう配慮する
成績評価の方法・基準 授業中に行う小テスト(40%)
定期試験(60%)
なお、講義の1/3以上欠席した場合は単位認定を行わない場合がある。
テキスト テキストは指定しない。必要に応じてプリントを配布する。参考文献を挙げているが無理に購入する必要はない。
参考文献 岡本和夫 「新版 微分積分 II」実教出版
主な関連科目 解析学I、ミクロ経済学I,II
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問は授業の前後・オフィスアワー・メールで随時受け付ける。
小テストへのフィードバックは回答・解説・返却時にそれぞれ必要に応じて行う。

■ルーブリック情報
  AA A B C D X
知識 1変数関数の積分に関する基本的な問題を全て解ける。2変数関数の微分の理論を使った極値の決定法を実行できる。 1変数関数の積分に関する基本的な問題をおおむね解ける。2変数関数の微分の理論を使って極値を推定できる。 1変数関数の積分に関する基本的な問題をおおむね解ける。2変数関数の微分をおおむね計算できる。 最低限の積分および微分の計算ができる。 積分あるいは微分の基本的な計算ができない 1/3を超えて欠席するなど、必要な勉強量をこなしていない。
態度 講義中の課題(小テスト)に自力で取り組むことができる 講義中の課題(小テスト)におおむね自力で取り組むことができる 講義中の課題(小テスト)に周りの受講生の力を借りることで取り組むことができる 講義中の課題(小テスト)に周りの受講生の力を借りることでおおむね取り組むことができる 講義中の課題(小テスト)に取り組むことができない 1/3を超えて欠席するなど、十分に講義に参加できてない。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
経済科学部経済情報学科(F群) FEEI10603 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
経済科学部経済情報学科(F群) FEEI10603 2023~2023 1・2・3・4 - -
経済科学部経済情報学科(F群) 42200 2024~2024 1・2・3・4 - -