授業コード 32029600 クラス
科目名 公共政策論 単位数 2
担当者 山中 雄次 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 政策を「自分事」として考える
授業の概要 公共政策論は、政策を策定・決定し、実行、評価する一連のプロセスを扱う学問である。諸君が、普段何気なく報道を眺め、安易に批判しがちな政策の1つ1つに、複雑な背景と経緯があることを知る機会としてほしい。これが本授業の目的である。とりわけ、将来、公務員として活躍したいと考えている者にとって、現場を知るための有用な内容となるように展開する。例えば、新型コロナ禍に際し、全戸に配布された「アベノマスク」を覚えているだろうか?費用対効果や手続きを疑問視する見解が目立つが、一方で、マスクが不足した当時、迅速な意思決定によって、一斉にマスクが流通する機会となったことを評価する声もある。広い視野をもって政策を捉えてほしい。

【実務経験】
地方公務員として、全庁的な行政経営や政策評価のほか、産業振興、公共交通を担当した経験を踏まえ、現場の運用を交えながら説明する。
学習の到達目標 ・様々な政策や事業を目にした際に、その背景やプロセスを幅広い視点で検証することができる。
・自身が住む地方自治体が策定した「総合計画」や多分野の「行政計画」を閲覧し、その内容と評価結果を理解することができる。
授業計画 第1回 イントロダクション 公共政策論の全体像を理解する。
第2回 公共政策とは何か 公共政策の基本構造を理解する。
第3回 政策課題 広く市民が納得する政策課題が設定される過程を理解する。
第4回 政策の手段 どのような方法で課題を解決するのか理解する。
第5回 政策決定 政府が選択する政策の合理性の限界を理解する。
第6回 政策実施 事例をもとに、政策を実行する現場と関係者を理解する。
第7回 政策評価1:政策を図る 様々な政策測定の手法と内容を理解する。
第8回 政策評価2:ロジックモデル 政策や事業の妥当性を分析できる。
第9回 地方自治体の総合計画1 地方自治体が総合計画を作る理由と概要を理解する。
第10回 地方自治体の総合計画2 広島県内地方自治体の総合計画のうち、評価の運用について理解する。
第11回 地方自治体の総合計画3 ゲストスピーカー(予定)から、総合計画の運用について聴取する。
第12回 事例研究:地方自治体が策定する各種計画 文化、産業、観光など、個別計画を取り上げ、その運用を理解する。
第13回 新公共経営1:NPM改革 地方自治体が取り組んできた行政改革の経緯と内容を理解する。
第14回 新公共経営2:行政経営計画 広島県内地方自治体の行政改革に関する計画を取り上げ、その内容を理解する。
第15回 総括、振り返り 公共政策論の基礎を説明できる。
授業外学習の課題 (1)毎回1時間、授業の事前学修として、以下に取り組むこと。
・授業の最後に、次回授業の関連キーワードを示す。これらについて、インターネット検索や関連書籍を通じて事前学修する。
(2)毎回2時間、授業の事後学修として、以下に取り組むこと。
・授業中に実施した課題について、配布した資料をもとに授業後に復習する。
・授業中に解説した時事について、各自で各社ニュースサイトを検索し、理解を深める。
・ゲストスピーカーの講義内容に対し、レポート作成する。
(3)その他、地元紙や地域のニュースを日頃からチェックし、本授業で学んだ理論が適用できないか、考える機会を作る。
履修上の注意事項 ・理論を中心とした授業とするので、留意されたい。
・全ての授業でプリントを配布する。データでの共有は行わない。
・全ての授業内で出席を兼ねた課題もしくはリアクションペーパーを求め、評価対象とする。
・ゲストスピーカーとのスケジュール調整の結果、開講順序を変更する場合がある。また、ゲストスピーカーは多忙な中でお越しいただくので、失礼がないように留意すること。
・公認欠席は単位認定要件に影響しないように配慮する。
・公認欠席時の資料は後日配布する。
・授業内で行う課題及びリアクションペーパーは、公認欠席となる場合、代替措置で対応する。
成績評価の方法・基準 授業内で行う課題及びリアクションペーパー(40%)、レポート(10%)、期末試験(50%)で評価する。
テキスト 毎回の授業で、プリントを配布する。
参考文献 ・以下の文献を適宜参考にすること。特に、授業中に扱う理論・用語を復習する際に有用である。
・秋吉貴雄:『入門 公共政策学』中公新書、2017年
・秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉:『公共政策学の基礎〔第3版〕』有斐閣、2020年
・佐藤徹:『エビデンスに基づく自治体政策入門』公職研、2021年
主な関連科目 地方自治論、地方財政論、都市経営論ほか
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・質問については、授業終了後、もしくはオフィスアワーに受け付ける。ただし、オフィスアワーを希望する学生は、事前にメールで連絡すること。
・試験・授業内の課題へのフィードバックは、授業時間内またはオンラインで行う。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科 2016~2016 3・4 - - - - -
法学部法律学科 FLIP30508 2017~2017 3・4 - - - - -
法学部国際政治学科(E群) 2015~2016 3・4 - - - - -