授業コード 30096900 単位数 2
科目名 特別講義A(刑法各論Ⅱ) クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 伊藤 嘉亮 配当年次 *下表参考

授業の題目 刑法各論Ⅱ
(Criminal Law Special Part, Part II)
学修の概要 本講義で扱う「刑法各論」は、殺人罪や窃盗罪などの犯罪を個別に検討するものです。本講義を、新聞やニュースで目にする事件について何故に犯罪が成立するのか、あるいは成立しないのかを考えるきっかけにして頂きたいと思います。抽象的な理論の説明には終始せず、理論と事例の間での視線の往復を常に心掛けます。受講生に質問や発言を求めることで双方向的な対話形式の授業をつくりたいと思います。
刑法各論Ⅰではメジャーな犯罪(窃盗罪や詐欺罪など)を対象にしましたが、特別講義A(刑法各論Ⅱ)ではもしかしたらあまり聞き馴染みのないかもしれない犯罪を扱います。ややマイナーとはいえ、危険運転致死傷罪や背任罪、贈収賄罪などは新聞やニュースなどでもよく目にする重要な犯罪ですので、これを機に学んで欲しいところです。
学修の到達目標 ①刑法各論の基本的な学識を修得する。
②社会の変化に伴って生じる新たな問題を主体的に発見・解決する能力を得る。
③その解決策を選択した理由を相手に伝達し、納得させられるだけの発信能力を得る。
授業計画 第1回 イントロダクション
講義全体のスケジュールを確認する
第2回 堕胎罪、遺棄罪
胎児性致死傷に関する事例を解決できるようになる
第3回 危険運転致死傷罪、その他の交通犯罪
東池袋自動車暴走死傷事件の法的問題を理解できるようになる
第4回 逮捕・監禁罪、略取・誘拐罪
親権者による子どもの連れ去り事件を解決できるようになる
第5回 名誉毀損罪、侮辱罪
犯罪論体系にそって真実性の錯誤を考えられるようになる
第6回 信用毀損罪、業務妨害罪
公務を妨害した事例を素材に業務妨害罪と公務執行妨害罪の区別ができるようになる
第7回 公務執行妨害罪
職務の適法性を錯誤した事例を解決できるようになる
第8回 横領罪Ⅰ
不法原因給付物の横領に横領罪が成立するかどうかを考えることができるようになる
第9回 横領罪Ⅱ
横領後の横領について検討することができるようになる
第10回 背任罪
横領罪と背任罪の区別ができるようになる
第11回 盗品等関与罪
盗品等関与罪の全体像を理解できるようになる
第12回 器物損壊罪
刑法における「損壊」概念を理解できるようになる
第13回 文書偽造罪
コピーに「文書性」が認められるかを検討できるようになる
第14回 贈収賄罪
贈収賄罪の全体像を理解できるようになる
第15回 犯人蔵匿罪、証拠隠滅罪
既に拘束されている被疑者の身代わりとして出頭した場合の罪責を検討できるようになる
授業外学習の課題 事前学修(1時間程度):1週間前にはレジュメをMoodleにアップしておくので、それとテキストの該当箇所に目を通し、初見の用語や概念を調べておくこと。
事後学習(3時間程度):授業で扱った判例や事例をレポート課題として出題するので、そこでの論点が何なのか、それをめぐる判例・学説の状況はどうなっているのか、自身はどう考えるのかをレジュメやテキストを参照しながらまとめること。
履修上の注意事項 *Moodleの使用:①レジュメの配布(1週間前に公開)、②レポート、小テスト、ミニッツペーパーの点数公開
*出席回数について:「11回以上」の出席がなければ、評価は「X」とします。
*公認欠席制度の配慮内容は以下の通りです。
 ・公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件には影響しないよう配慮します。
 ・小テストやミニッツペーパー実施時に公認欠席となる場合は、代替措置で対応します。
成績評価の方法・基準 レポート(30%)×2、小テストとミニッツペーパー(40%)で評価します。
テキスト 大塚裕史ほか『基本刑法Ⅱ各論〔第3版〕』(日本評論社、2023年)
*ただし、既に別の教科書を持っている場合は、それを引き続き使用して下さって構いません。
参考文献 佐伯仁志ほか編『刑法判例百選Ⅱ各論〔第8版〕』(有斐閣、2020年)、十河太朗ほか編『刑法各論判例50!』(有斐閣、2017年)
*購入する必要はありませんが、図書館等で適宜参照して下さい。
主な関連科目 刑法総論、刑法各論Ⅰ、刑事政策
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・オフィスアワーとしての時間は設定していません。アポイントを取って頂ければ、質問や相談等には随時対応します。
・Moodle上でも質問できるようにします。これもいつでも受け付けます。
・レポートやミニッツペーパに対するフィードバックはMoodleで行います。