授業コード | 30095611 | 単位数 | 2 |
科目名 | ゼミナールⅠ(2024) | クラス | 11 |
履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 三阪 佳弘 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 日本法制史(現在の法制度を歴史的な視座から批判的に考える) |
学修の概要 | 現代の法制度が抱える問題点をできるだけ意識しながら、日本の近現代の法の歴史を学びます。 現代日本の法制度の基礎は、1880~90年代に、西欧世界が標準としていた法体系=「近代法」を取り入れて、構築されました。いわゆる六法と呼ばれる法典は、この時代に制定されました。「近代法」は西欧社会において歴史的に形成されたものであり、それらを採用したからといって、当時の日本社会がそれにすぐに適応したわけではありません。西欧型近代法を取り込み、それを運用する中で、西欧とは異なる日本的な特徴が生まれてきました。例えば、国民の人権保障が不十分だった、裁判所利用が少ない、家族法の分野では個人ではなく「家」が基本とされた、司法への国民参加が遅れた、などが思い浮かびます。こうした特徴は、国際的な批判を浴びる法制度が、現在の日本に意外に多く存在していることと関係するかもしれません(例えば、死刑制度の存続、刑事事件における「人質司法」とよばれる長期間の勾留実態、最高裁で合憲とされる夫婦同姓制度など)。 現在の法制度が抱える問題点を歴史的に検討してみると、過去から変わらない日本法の特徴が浮かび上がってきます。なぜ変わらなかったのか?あるいは変えようとしなかったのか?ということを検討することで、現在の法制度の問題に対する理解が深まっていきます。これが、歴史的視座から批判的に考える力です。本ゼミナールの学習の到達目標は、こうした力の獲得です。技法的には、理解や意見の異なる者との間で意見交換、問題の共有、冷静な議論をする力、自分の理解や意見を口頭または文書でわかりやすく伝えることができる力の獲得が目標です。 |
学修の到達目標 | 1.ものごとを客観的な根拠に基づき、客観的に把握することができる。 2.理解や意見の異なる者との間で意思疎通、意見交換、問題の共有、冷静な議論をすることができる。 3.自分の理解や意見を口頭または文書でわかりやすく伝えることができる。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション 自己紹介、ゼミの運営方法等 |
第2回 | 日本近代法史・法文化に関する基本文献の購読(現代日本の法と権利に対する国際的評価) | |
第3回 | 日本近代法史・法文化に関する基本文献の購読(日本近代における法と権利) | |
第4回 | 日本近代法史・法文化に関する基本文献の購読(日本人の法意識1) | |
第5回 | 日本近代法史・法文化に関する基本文献の購読(日本人の法意識2) | |
第6回 | グループに分かれてテーマ設定 | |
第7回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(立憲主義) | |
第8回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(司法の独立) | |
第9回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(刑罰) | |
第10回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(刑事裁判のあり方) | |
第11回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(刑事裁判と検事制度) | |
第12回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(家族制度と家) | |
第13回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(家族制度とジェンダー) | |
第14回 | テーマ設定に基づく学生によるグループ報告(法曹制度) | |
第15回 | まとめ |
授業外学習の課題 | 1.教員が指示した教材があるときにはそれを熟読して講義に臨む。 2.自らの関心に基づいてテーマを立てて、それについて、資料を収集検討する。 3.そのテーマに関する自己の主張を、根拠を持って伝えられるように、レジュメやパワーポイントにまとめる。 4.授業での議論をふまえて、その授業回の内容やテーマについての自分の意見をまとめる。 以上の授業外学習時間は4時間程度を予定している。 |
履修上の注意事項 | 授業の際には、当日指定された文献を読んでおいてください。 皆さんが報告する際に守るべき事柄(レジュメの作成、提出方法等)は授業の際に説明します。 議論には積極的に参加してください。 無断欠席、とくに発表があたっている授業回の無断欠席は厳禁です。 授業計画は、参加者の数や進行度合いに応じて変更することがありますので注意してください。 公欠制度の欠席と発表回が重ならないように配慮します. |
成績評価の方法・基準 | 報告や課題への取り組み(70点),講義での発言の積極性(以上30点)によって総合評価します。欠席は減点します。 |
テキスト | |
参考文献 | 川口由彦『日本近代法制史(第2版)』(新世社) 浅古弘・伊藤孝夫・植田信廣・神保文夫編『日本法制史』(青林書院) 伊藤孝夫『日本近代法史講義』(有斐閣) |
主な関連科目 | |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業終了時に対応します。そのほか、説明に時間を要したりややこみいった質問・相談・成績評価に関しては、研究室で対応します。この場合は事前にアポイントメントをとってください。 メールでも対応します |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
法学部法律学科(演習) | - | 2016~2019 | 3・4 | - | - | - | - | - |
法学部法律学科(演習) | FLLA30801 | 2020~2022 | 3・4 | - | - | - | - | - |
法学部法律学科(演習) | - | 2023~2023 | 3・4 | - | - | - | - | - |