授業コード 30071700 クラス
科目名 特殊講義E(都市経営論) 単位数 2
担当者 山中 雄次 履修期 第4学期
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 人口減少下の都市を巡る課題、暮らしを支える行政
授業の概要 将来のわが国を巡る深刻な課題として、人口減少が広く認知されている。日々の報道を眺めても、厳しい将来見通しを目にする機会があろう。これに対し、地方自治体では「地方版総合戦略」の策定・改定を重ね、知恵を絞っているが、抜本的な解決は極めて難しい。
このことを背景に、前半では「住まい」にフォーカスする。「空き家」や「老朽化マンション」など、都市を巡る身近な課題を前提に、抜本的なアイデアである「コンパクトシティ」や「戦略的撤退」の是非について、考える機会とする。
後半は、我々の都市生活に欠かせない「身近な行政」を知る機会とする。「指定管理者制度」や「廃棄物行政」などを取り上げる。制度の説明が多くなるが、諸君の身近な地域行政がどのようなルールで動いているか、その課題を含めて解説する。

【実務経験】
地方公務員として、地域公共交通及び公共施設の管理を担当した経験を踏まえ、現場の運用を交えながら説明する。
学習の到達目標 ・都市政策に係る幅広いテーマを習得し、自身が住む都市における様々な出来事を「自分事」として捉えることができる。
・新聞等のメディアで都市に係るテーマを目にした際、本授業で習得した知識をもとに自身の意見をもつことができる。
・より良いまちづくり、生活空間を創造するための方策を立てる力を身に着けることができる。
授業計画 第1回 イントロダクション 都市経営論の全体像を理解する。
第2回 都市とは何か―都市の定義と考え方― 都市経済学の基礎を理解する。
第3回 人口減少と都市 地域における将来の人口動態を把握する。
第4回 住宅建設・取引の動向 わが国で新築住宅が好まれる理由を理解する。
第5回 空き家問題 空き家を巡る税制や法改正に関する知識を得る。
第6回 老朽化マンション マンションの「老い」をハード・ソフトの両面から理解する。
第7回 公共交通を巡る課題 路線バスの深刻な運用実態を理解する。
第8回 コンパクトシティ:富山市を事例として 都市の集約化に関する知識を得る。
第9回 過疎地域からの戦略的撤退の是非 過疎地域の将来を検討するための知識を得る。
第10回 身近な都市行政1:廃棄物行政 ごみ処理やリサイクルに関する基礎知識を得る。
第11回 身近な都市行政2:ごみ収集と委託化の現状 ごみ処理の現場運用の実態を理解する。
第12回 身近な都市行政3:消防行政 消防行政の基礎知識を得る。
第13回 身近な都市行政4:地方自治体の公共施設(1)指定管理者制度 身近な公共施設の主要な運営手法を理解する。
第14回 身近な都市行政5:地方自治体の公共施設(2)PFIなどの新たな手法 公共施設の様々な運営手法について知識を得る。
第15回 総括、振り返り 都市経営について説明できるようになる。
授業外学習の課題 (1)毎回1時間、授業の事前学修として、以下に取り組むこと。
・授業の最後に次回授業の関連キーワードを示す。これらについて、インターネット検索や関連書籍を通じて事前学修する。
(2)毎回2時間、授業の事後学修として、以下に取り組むこと。
・授業中に実施した課題について、配布した資料をもとに授業後に復習する。
・授業中に解説した時事について、各自で各社ニュースサイトを検索し、理解を深める。
(3)その他、人口減少に関連する報道に触れた際、本授業で扱ったテーマと関連付けて考える習慣をつけてほしい。
履修上の注意事項 ・全ての授業中にプリントを配布する。データでの共有は行わない。
・全ての授業内で出席を兼ねた課題もしくはリアクションペーパーを求め、評価対象とする。
・公認欠席は単位認定要件に影響しないように配慮する。
・公認欠席時の資料は後日配布する。
・授業内で行う課題及びリアクションペーパーは、公認欠席となる場合、代替措置で対応する。
成績評価の方法・基準 授業内で行う課題及びリアクションペーパー(40%)、期末試験(60%)とする。
テキスト 毎回の授業で、プリントを配布する。
参考文献 ・以下の文献を適宜参考にすること。特に、授業中に扱う理論・用語を復習する際に有用である。
・谷口守:『入門都市計画』、森北出版、2014年
・佐藤泰裕:『都市・地域経済学への招待状』、有斐閣、2014年
・富山市事業構想研究会:『富山型コンパクトシティの構想と実践』事業構想大学院大学出版部、2020年
・砂原庸介:『新築がお好きですか?』ミネルヴァ書房、2018年
・その他、適宜授業中に紹介する。
主な関連科目 地方自治論、地方財政論、公共政策論ほか
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・質問については、授業終了後、もしくはオフィスアワーに受け付ける。ただし、オフィスアワーを希望する学生は、事前にメールで連絡すること。
・試験・授業内の課題へのフィードバックは、授業時間内またはオンラインで行う。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部国際政治学科(E群) 2015~2016 2・3・4 - - - - -